【新潟記念】トーセンスーリヤが栄えある「夏の王者」最有力 サマーシリーズ各部門のゆくえは?

東大ホースメンクラブ

サマー2000シリーズの優勝争い,インフォグラフィック,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

サマーシリーズの行方は

今週は新潟芝2000mを舞台に、サマー2000シリーズ最終戦・GⅢ新潟記念が行われる。エプソムCから重賞連勝を狙うザダル、函館記念覇者でローエングリンの子トーセンスーリヤ、復活を期す素質馬リアアメリア、確実な末脚で重賞上位の常連クラヴェルなど楽しみなメンバーが揃った。

見どころはやはり最終盤となったサマーシリーズの行方。6月の函館スプリントSから秋競馬にさしかかるセントウルS・京成杯AHまで3ヶ月にわたる熱戦だ。スプリント・マイル・2000にジョッキーズシリーズを加えた4区分において現在の状況を確認していこう。

トーセンスーリヤのノルマは「4着以内」

サマー2000シリーズ新潟記念着順別ポイント,ⒸSPAIA


まずは優勝馬の馬主と厩舎に計4000万円の褒賞金が交付されるサマー2000シリーズ。昨年は良血馬ブラヴァスが制した。

現在首位は札幌記念を制したソダシ(12ポイント)だが、本シリーズ優勝は13ポイント以上が条件となるため、新潟記念に出走しない同馬に優勝の可能性はない。

優勝のチャンスが残っているのは2頭。まずは函館記念を勝ったトーセンスーリヤだ。同レース優勝で10ポイントを獲得しており、新潟記念で4着以内に入れば規定の13ポイントを満たす。1着では20ポイントとなり、他馬の結果に関係なく優勝が確定する。

トーセンスーリヤが圧倒的に有利ではあるものの、ショウナンバルディにもわずかに目がある。同馬は七夕賞で3着、小倉記念で5着とシリーズ2走で掲示板を確保して6ポイントを獲得。

だが本シリーズには13ポイント以上かつ対象レースで優勝という縛りがあるため、新潟記念で勝つ以外に王者への道はない。新潟芝2000mでは今年の福島民報杯でしんがり負けと結果が出ていないが、極悪の不良馬場がこの馬には厳しかったのだろう。シリーズ優勝に向けて万全の仕上げで臨むはずだ。

大混戦のスプリント

サマースプリントシリーズ セントウルS着順別ポイント,ⒸSPAIA


続いてはサマースプリントシリーズ。昨年の覇者はレッドアンシェル。

現在首位に立つのはファストフォース。CBC賞を勝って北九州記念も2着にまとめ、小倉マイスターらしく15ポイントを積み上げた。最終戦のセントウルSには出走しないため、同レースでのライバルの着順を見守る形となる。

他のシリーズ対象レース優勝馬のうち、セントウルSに出走の可能性があった熊本の星ヨカヨカがスプリンターズS直行を選択、また函館スプリントSを勝ったビアンフェも10ポイントだったが、アクシデントにより無念の回避が発表された。

セントウルS優勝が必要なのはカレンチャンの娘カレンモエ、2歳時から世代上位の走りを見せたタイセイビジョン、3歳勢からはピクシーナイトとシゲルピンクルビー。ただし本レースにはレシステンシアやラウダシオンといった短距離界のトップランナーが出走予定のため、現実的には高い壁がある。

逃げ切れ、鮫島克駿

昨年トロワゼトワルがチャンピオンだったサマーマイルシリーズは、米子S1着・中京記念5着・関屋記念1着とここまでシリーズ皆勤かつ結果も残したロータスランドが20ポイントでトップ。

2位のアンドラステが11ポイントで追うものの、シリーズ最終戦の京成杯AHには出走の予定がなく、事実上ロータスランドの優勝が確定している状況だ。

サマージョッキーズシリーズ順位表,ⒸSPAIA


最後にジョッキーズシリーズをチェック。昨年は福永祐一騎手が優勝。

首位に立つのは若武者・鮫島克駿騎手。カレンモエに騎乗して2着だった函館スプリントSを皮切りに、ファストフォースのCBC賞制覇などシリーズ5戦に騎乗して【1-3-0-1】と抜群の成績を残した。現在26ポイント、逃げ切りなるか注目したい。

2位は押しも押されぬトップジョッキー川田将雅騎手。こちらもシリーズで【1-1-1-3】、中京記念でアンドラステを勝利に導くなどさすがの騎乗ぶりを披露している。24ポイントと首位の背中は見えており、今週の新潟記念ではリアアメリア、来週の京成杯AHではグレナディアガーズと十分にチャンスがある乗り馬が控えている。実質的には優勝に最も近い存在だろう。

19ポイントの3位は鹿児島県出身の幸英明騎手。ヨカヨカとの九州コンビで感動の重賞制覇となった北九州記念をはじめ【1-2-0-0】とパーフェクト連対だ。セントウルSでのヨカヨカの動向次第という面はあるものの、優勝を狙える位置。同じく3位タイの横山和生騎手は今週のトーセンスーリヤでどれだけポイントを加算できるかが鍵となりそうだ。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

《関連記事》
【新潟記念】大混戦! 一発狙いはサマー2000シリーズに出走していない馬?
【小倉2歳S】前走新馬勝ちが優勢も、あえて狙ってみたいフェニックス賞1着ナムラクレア
【札幌2歳S】リューベックは危険な人気馬か? 「関西馬」「乗り替わり」「前走逃げ」の三重苦

おすすめ記事