【新潟2歳S】開催が進んでも内外フラット 能力はセリフォスが上も道悪ならアライバルに逆転の可能性

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徐々に差しが決まるも
ここ数年はやや小粒なメンバー構成となることもあったが、2013年には1着ハープスター、2着イスラボニータとクラシックホースを輩出している新潟2歳S(GⅢ・芝1600m)。今年は新馬戦で強い勝ち方を見せた馬たちがこぞって出走を予定しており、暮れのGⅠや来年のクラシックに向けても要注目の一戦となりそうだ。
馬場適性の観点からレースを占うにあたり、まずは先週末の新潟芝・外回りコースの馬場傾向を振り返っていこう。
馬場発表は土曜日がクッション値9.1、ゴール前の含水率12.6%の良馬場、そして日曜日は朝7時の時点でクッション値9.0、ゴール前の含水率11.6%の良馬場だったが、トータル2.0mmの雨量を計測して1R発走時点から終日稍重でのレースとなった。


障害レースと直線競馬を除いた芝レースで3着内馬の4角通過順位を見ると、良馬場だった土曜日は勝ち馬5頭全てが4角先頭。2、3着は4角8番手以下から2着3回、3着3回と追い込みが決まる極端な傾向となっていた。
しかし、雨が降って1ランク馬場が悪化した状態で行われた日曜日は4角先頭から3着内に入った馬が1頭のみ(2着)。勝ち馬に限ると7レース中4勝が4角5〜7番手、8番手以下も1勝と差しが決まる傾向にあった。2、3着については4角2〜4番手が3回ずつ、5〜7番手がそれぞれ2着2回、3着3回と多く、好位から中団前目で運んだ馬が多かった。

土曜日は逃げ残りが5勝ということでインコースを通った馬が好走していたと容易に想像できるが、稍重となった日曜日のレースで3着内馬は直線でどのコースを通って伸びてきたのか、残り200m地点での進路を調べてみた。
勝ち馬については内から1〜3頭目が3勝、4〜6頭目が1勝、7頭目より外が3勝。雨が降ったからといって極端に外を通った馬が有利という傾向は見られなかった。2着馬も1〜3頭目が2頭、4〜6頭目が4頭、7頭目より外が1頭、3着馬は1〜3頭目が2頭、4〜6頭目が2頭、7頭目より外が3頭と同様の傾向。どこを通っても差のない馬場状態だったと言えるだろう。
セリフォスvsアライバル
天気予報を見ると週中から週末にかけて傘マークも並んでおり、道悪でのレースとなることも頭に入れておく必要がありそう。新潟競馬場は水捌けが良いため、極端に馬場が悪化することはなさそうだが、道悪適性も考慮して注目馬をピックアップした。今回もいつものように本命候補の馬には☆をつけている。

【☆セリフォス】
中京芝1600mの新馬戦は前半のペースが遅かったこともあり、3角手前で進出開始。そこからのラスト5ハロンのレースラップは11.7-11.7-11.6-11.3-11.5(57.8)と新馬戦らしからぬタイムだった。突き放された2着のベルクレスタが次走で新潟芝1600mの未勝利戦に出走して、後続に0.6秒差をつけて完勝していることも踏まえると、相当な能力の持ち主だと言える。道中ムキになる面が解消されていれば、好メンバーの揃った重賞でも力の違いで楽勝することは十分あり得るだろう。
【☆アライバル】
新馬戦は雨が降る中で、稍重のコンディション。5番手からレースを進め、ラスト3ハロンのレースラップ11.4-11.3-11.4(34.1)を0.4秒上回る33.7の末脚で差し切った。このレースぶりからも非凡な瞬発力を持っており、長い直線の新潟コースは合っている。またハービンジャー産駒ということもあり、雨の影響が残る馬場は歓迎だ。
【オタルエバー】
夏の新潟開催開幕週に行われた芝1600m戦を1:34.6という好タイムで逃げ切り。馬場状態が良かったこともあるが、ラスト3ハロンを11.5-10.7-11.3(33.5)でまとめて後続に0.7秒差をつけた点は評価できる。戦った相手も決して弱いメンバーではなかっただけに、ここでもある程度はやれそう。
【クラウンドマジック】
新馬戦は出遅れて後方3番手のインからのレースとなったが、直線で外に持ち出されるとゴール前でクビ差交わして勝利。エンジンの掛かりが遅いタイプなだけにより直線の長い新潟コースに変わることはプラスに作用しそう。道中しっかりと脚が溜まれば上位に食い込むことも可能だと考える。
【スタニングローズ】
1400mの新馬戦は2着に敗れたものの、ハイペースの中3番手から徐々に差を詰めた。距離がもう少し延びて良さが出る印象を受けた。1600mへの距離延長となった2戦目も2ハロン目から4ハロン目、そして6ハロン目と7ハロン目の計5回が11秒台のラップとなる流れで、直線半ばで先頭に立つと後続に0.4秒差をつけて初勝利。上がりタイムは強調すべきものではないが、ある程度ペースが流れた中でも最後までいい脚を使えている内容からも、過去2戦の経験が活きるだろう。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。
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