【札幌記念】コースは競輪的予想で解決　ラヴズオンリーユー＝中川誠一郎の捲り説

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コーナーがコースの半分以上を占める札幌芝2000m

夏競馬最大のビッグレース札幌記念。今年はソダシ参戦で注目度も上がり是非とも当てたいところだが、なにせこのレースは過去も現在も多彩なローテから参戦できるレースのため、傾向を探るというのは非常に難しいところだ。できればコース適性で優劣をつけておきたい。

札幌芝コースはカーブが大きく平坦であることが特徴だ。2000m戦であれば、1,2コーナーと3,4コーナーはともに約513mあり、あわせて1000mを超えるコーナーを走ることになる。しかし、比率で考えれば4角ポケットスタートであることで直線比率が補われており、ほぼ直線：曲線が1:1となっていることで、他の距離と比べると直線上がり勝負で戦う王道路線の馬でもある程度対応できてしまうところが悩ましい。ただ、3,4コーナーが勝負どころで、差すならばコーナーで捲り上げるのに慣れていることが必要だ。一部にしか伝わらないだろうが、要するに西武園競輪場である。

函館記念組は着の悪い馬のほうが狙い目

札幌記念は過去10年で函館記念組が3勝しているが、今年の函館記念は3番手から競馬をしていたトーセンスーリヤが後続に3馬身差つけて快勝し、2着から9着までがハナ・クビ・アタマ差の連発で大激戦になったレースだ。そこから2,3,4,8着馬が出走してくるが、函館よりコーナー比率が増す札幌記念でこれらの馬の成績がよくなる要素はあまりない。もちろん上積みがあるかもしれないので軽視することはできないが、上積みならば4歳で追込のレースを見せたディアマンミノル（函館記念4着）や5歳馬マイネルウィルトス（同8着）のほうで、6歳勢のアイスバブル（同2着）、バイオスパーク（同3着）はあまり今回の札幌記念で高い評価はしたくない。

こうなると軸にせざるを得ない馬がいる。ラヴズオンリーユーだ。人気になるのは間違いないが、前走のクイーンエリザベス2世Cでは道中7頭立ての4番手を外で進み、3,4コーナーで上昇し外から2番手に並びかけた。そこから直線伸びて優勝している。シャティン競馬場の洋芝バミューダグラスは札幌の混成洋芝とは種類が違うものの、野芝との違いよりは小さい差である。少なくともラヴズオンリーユーが今回の札幌記念に「向いていない」と判断する理由はどこにもない。

さらに追い風なのは今年の出走頭数が少ないということ。捲り上げるうえで捌かなくてはいけない頭数が少ないというのは差し馬であるラヴズオンリーユーにとって朗報だろう。近年逃げ切りは13年の函館開催を除くと、2016年で雨・稍重だったネオリアリズムまで遡り、それ以降は全て差し馬が1着だ。これまた一部にしか伝わらないだろうが、競輪の7車立てで北都留翼選手や、先のG1オールスター競輪で決勝戦に進出した中川誠一郎選手といった捲り一本タイプが、9車立て時より車間も縮まり活躍しやすいのと同じ理屈である。

むしろ人気どころで怪しいのはソダシのほうだろう。オークスでは距離限界を感じ、基本は先行策で桜花賞まで5連勝していた馬だ。斤量は52kgと恵まれるものの、そもそも2000mでコーナー4つの競馬で戦える馬なのかは怪しいところだ。

注目したいのはユーキャンスマイルだ。位置取りは後方になりがちの馬だが、昨年11月のアルゼンチン共和国杯で3角9番手から4角4番手に捲り上げる動きはこのレースに向いている。他にも長距離の阪神大賞典など、前半スローになりがちなレースで捲り上げる動きに慣れている。ペースが違うのは承知のうえだが、もし2000mのペースについていければ、本来ユーキャンスマイルが持つ上がり能力と、長距離で鍛えられた捲り上げの技術がハマるかもしれないという狙いだ。

ブラストワンピースの取り扱いは難しい。1着か馬券外かというわかりやすい馬だったが、前走鳴尾記念で1着と0.7秒差の3着という結果。上がりは最速だったこともあり、当欄では軽視も重視もできない、としたい。

馬券は人気になるだろうラヴズオンリーユーを信頼しつつ、もう一頭の人気馬ソダシを消す。そしてユーキャンスマイルと、前残り候補組では目が離せないトーラスジェミニの2頭を相手軸にした3連複流しで好配当を狙いたい。

＜ライタープロフィール＞
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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