【北九州記念】モズスーパーフレアに暗雲!? ハイブリッド式消去法の本命候補はもう1頭の外国産馬

八木遊

2021年北九州記念の消去法データ,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週予想したのは新潟の『関屋記念』。シャドウディーヴァとソングラインの人気2頭を軸にしたが、そろって人気を裏切る結果に終わった。

今週は気分転換も兼ねて、小倉で開催される『北九州記念』を取り上げたい。過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。16日現在で除外対象のロジーナとクリノアリエルの2頭を含めた20頭を対象に進めていきたい。

『7歳以上』×『前走距離1200m以外』★0.0%★

まずは年齢別データから7歳以上にターゲットを絞った。このグループは過去10年で【1-0-0-28】(複勝率3.4%)。この時点で複勝率10%未満という消去条件を満たす。しかし、ハイブリッド式ではもう一つのデータを掛け合わせることで、その値を0に近づける。7歳以上で唯一馬券に絡んだのは16年のバクシンテイオー。同馬は前走1200mからの参戦だったため、前走から距離変動があった7歳以上の馬は複勝率0.0%ということになる。過去10年で該当した15頭は全て4着以下に沈んでいた。

今年このデータに当てはまったのは、前走1400mを使われたボンセルヴィーソとロジクライの2頭。年齢的にも好勝負は厳しいとみて消去する。

【今年の該当馬】
・ボンセルヴィーソ
・ロジクライ

『前走から斤量減』×『母父ノーザンダンサー系』★3.8%★

ハンデ戦のこのレースは、前走から斤量減の馬が【4-6-2-64】(複勝率15.8%)。斤量増の【2-4-2-14】(同36.4%)に比べると数字は見劣る。斤量減かつ母の父がノーザンダンサー(ND)系の場合は【0-0-1-25】(同3.8%)と好走率が一気に悪化。2つ目のデータとして、この組み合わせを取り上げたい。

今年この条件に当てはまったのは2頭。3歳馬アスコルターレと7歳牝馬のメイショウカリンを迷わず消去する。

【今年の該当馬】
・アスコルターレ
・メイショウカリン

『前走初角6番手以内』×『前走3着以下』★5.3%★

対象20頭のうちここまでに消えたのは僅か4頭。そろそろ頭数を絞っていきたいところだ。続いて取り上げたのは前走の初角位置とその着順。前走最初のコーナーを6番手以内で通過した馬が3着以下に沈んでいた場合、北九州記念では【1-1-1-54】(複勝率5.3%)と苦戦していた。

今年この消去データに当てはまったのは8頭。うち3頭はすでに消去済みで、新たにモズスーパーフレアなど5頭が消去リストに加わった。

【今年の該当馬】
・(アスコルターレ)
・エングレーバー
・クリノアリエル*
・(ボンセルヴィーソ)
・モズスーパーフレア
・ヨカヨカ
・レッドアンシェル
・(ロジクライ)

『前走上がり4位以下』×『前走人気<前走着順』★6.3%★

4つ目のデータで注目したのは、前走の上がり3ハロン順位。これが4位以下で、かつ前走で人気以下に沈んでいた馬は【0-1-2-45】(複勝率6.3%)。過去3年だけを見ても、18年1番人気ダイアナヘイローが7着、19年2番人気モズスーパーフレアが4着、20年2番人気タイセイアベニールは9着と3年連続で人気馬が期待を裏切っている。

今年は7頭がこのデータに当てはまったが、すでに5頭は消去済み。新たにシゲルピンクルビーとメイショウキョウジを消しとしたい。

【今年の該当馬】
・(アスコルターレ)
・(エングレーバー)
・シゲルピンクルビー
・(ボンセルヴィーソ)
・メイショウキョウジ
・(ヨカヨカ)
・(レッドアンシェル)

『サンデーサイレンス系(ディープインパクト系除く)』×『今回1~3枠』★5.6%★

最後は父の系統でサンデーサイレンス(SS)系に注目した。このレースでSS系が好走しているのは真ん中より外目の枠がほとんど。特にディープインパクト系を除くとその傾向は強まり、1~3枠時の【1-0-0-17】(複勝率5.6%)に対し、4~8枠時は【1-1-4-20】(同23.1%)だった。

最後の条件は金曜日に発表される枠順待ちとなるが、残っている9頭のうち父SS系は以下の3頭。もし1~3枠に入った場合は、軽視するつもりだ。

【今年の該当候補】
・アウィルアウェイ
・ノーワン
・ファンタジステラ

5つの条件を経て、確実に残るのはコンパウンダー、ジャンダルム、ファストフォース、ボンボヤージ、メイショウケイメイ、ロジーナ*の6頭。現時点の本命候補はスプリントGⅠ・2勝のビリーヴを母に持つジャンダルムだ。前走の春雷Sで初めて1200mを使われたが、好位から抜け出した脚は母の現役時代を彷彿とさせた。

今年は外国産馬が2頭出走するが、モズスーパーフレアはあくまでも叩き台だろう。一方、ジャンダルム陣営は秋を見据えて勝負にこだわってくる可能性が高い。母子スプリントGⅠ制覇に向けて負けられない一戦とみる。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(8月15日時点の回収率は29.7%)。



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