【札幌記念】豪華メンバーの激突!馬券のポイントは「年齢と当日オッズ」に隠されている!?

高橋楓

札幌記念前走クラス別成績,ⒸSPAIA

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洋芝適性がモノをいう!同時に前走成績にも要注目!

正に凱旋門賞の前哨戦だった。2014年札幌記念。「現役最強馬ゴールドシップVS天才3歳牝馬ハープスター」の対決に、入場人員4万6097人が現地に駆け付けた。レースはやはり2頭のマッチレースとなり、ハープスターが1着、ゴールドシップが2着。洋芝適性を確認できた事もあり、日本競馬悲願の凱旋門賞制覇を大いに期待させてくれた。


近10年間前走クラス別成績,ⒸSPAIA


登録馬13頭中9頭が重賞ウイナーという超豪華メンバーで行われる今年の札幌記念。過去10年間のデータを振り返っていこう。

まず前走GⅠ組は[4-6-8-30]とさすがの成績。レース別では安田記念組[2-2-1-4]、宝塚記念組[1-2-1-6]、オークス組[1-0-0-1]、海外GⅠ組[0-1-1-7]となっている。人気が予想されるラヴズオンリーユーや天皇賞(春)以来のユーキャンスマイルにとってはあまり好ましくないデータかもしれない。

GⅡ組で連対した馬は共に目黒記念からの転戦。2015年に2着したヒットザターゲット、2019年に前走8着から巻き返したブラストワンピース。今年はウインキートスが重賞連勝を狙ってここに挑んでくる。そして最後に前走GⅢ組。全体を見ると[5-3-2-48]となっているが、大半は函館記念からの転戦馬[3-3-2-32]が占めている。

札幌記念前走クラス別成績,ⒸSPAIA



北海道の「札幌競馬場」と「函館競馬場」は同じ洋芝だが、全く特徴は違う点に注意が必要だ。これは函館競馬場がローカル競馬場最大の高低差を持つのに対し、札幌競馬場は平坦、フラットコースになっている事にある。

函館はパワーがより要求されるが、札幌は洋芝でありながら切れ味も活かせる点が特徴だ。函館開催だった2013年は函館記念のワンツースリーがそのまま札幌記念でも同じ顔ぶれになったが、2016年のネオリアリズム、2017年のサクラアンプルール、ナリタハリケーンなど着外から巻き返す馬も多い。過去の札幌競馬場での成績は要注目だ。


過去10年間年齢別成績,ⒸSPAIA


次に年齢別成績だ。
3歳[1-0-1-8]
4歳[3-0-3-29]
5歳[3-5-5-28]
6歳[3-2-1-21]
7歳[0-1-0-16]
8歳以上[0-2-0-11]

4~6歳馬の活躍が目立つ。3歳馬は2014年のハープスターと2016年のNHKマイルC3着、ダービー8着からのレインボーライン以外馬券に絡めていない。今年は52kgで出走するソダシに注目が集まりそう。

競馬界では「中距離戦において1kg差があれば1馬身差がうまれる」という格言がある。歴戦の古馬相手に斤量差が活かされるか注目だ。4歳馬と5歳馬は当日の人気と成績が比例するので、オッズから目が離せない。

4歳馬は当日3番人気以内なら[3-0-1-7]、4番人気以下なら[0-0-2-22]。5歳馬は1番人気で[1-4-2-0]で複勝率100%だが、2~5番人気となると[2-1-3-9]、6番人気以下で[0-0-0-19]。ハッキリと当日オッズと着順がリンクしている。

札幌競馬場は「C.ルメール」「ディープインパクト」に逆らえない

札幌競馬場芝限定騎手リーディング,ⒸSPAIA


2010年から2021年8月13日までに札幌競馬場で行われた芝のレースは951。勝ち星のトップは圧倒的な数字でC.ルメール騎手の[88-66-42-147]。勝率25.7%、連対率44.9%、複勝率57.1%である。平均人気が2.2番人気と有力馬中心の騎乗とはいえ驚異的な数字を叩き出した。

続いて2位は池添謙一騎手が[52-56-53-307]でランクイン。騎乗馬の平均単勝オッズが21.5倍と決してガチガチの人気馬だけではないため、馬券の買い目に付け加えたい騎手の一人になる。

そして3位は福永祐一騎手で[46-45-30-140]。C.ルメール騎手には及ばないものの複勝率46.4%のハイアベレージである。以下、吉田隼人騎手[45-36-38-346]、横山典弘騎手[40-23-29-172]と続く。


札幌競馬場芝限定種牡馬リーディング,ⒸSPAIA


次に種牡馬編。1位はディープインパクト産駒が[83-68-55-352]で断トツの数字。複勝率36.9%と信頼感も十分だ。以下、キングカメハメハ産駒[46-43-39-291]、ハーツクライ産駒[41-40-37-281]、ハービンジャー産駒[39-26-37-267]、ステイゴールド産駒[36-47-27-271]と続く。

札幌競馬場は洋芝とはいえ、基本的に全体的な種牡馬ランキングと大きな変化は見られない。その馬自身の過去の札幌競馬場での成績を重要視する必要がある。

充実の秋へのステップに!本命はウインキートス

色々とクリアしなければいけないハードルは多いが、本命はウインキートスにする。

昨年は条件戦とはいえ丹内祐次騎手を背に札幌で2戦2連対。今年は目黒記念を制し、臨戦過程に問題はない。丹内騎手は過去10年間で札幌競馬場では[28-30-33-422]、国内現役騎手の勝ち星ランキングでは7位につけている。北海道・函館出身で気合も一段と入っているのだろう。

今回は凱旋門賞へ登録をしていたマイネルウィルトスとのコンビではなく、本馬とコンビ継続をしている程の惚れ込みよう。相手も強いが一発あっても不思議ではない。あとは先にも紹介した通り、4歳馬は人気と比例する傾向があるだけに当日3番人気以内ならばより良いのだが果たしてどうだろう。

対抗はラヴズオンリーユーをあげる。ローカル初登場という事と、前走海外GⅠ組の成績が今一つ奮っていない点が気がかりであるが、今年に入ってからの充実ぶりは目を見張るものがある。ディープインパクト産駒は札幌競馬場を苦にしていないし、脚質からも大崩れは考えにくい。5歳馬が1番人気に支持された場合[1-4-2-0]と安定感抜群。馬券には必ずおさえておきたい。

3番手にはブラストワンピースをあげる。近走は全く奮っていなかったが、前走の鳴尾記念で復調の兆しが見えた。前にいった2頭で決まる中、後ろから鋭い末脚を久しぶりに見せてくれた。2019年にこのレースを制しており、ハービンジャー産駒は洋芝で好成績を残している。有馬記念を含み重賞5勝馬。このメンバーでも見劣りはしない。

あとは池添謙一騎手騎乗のバイオスパーク、函館リーディングの横山武史騎手騎乗のペルシアンナイトまで印を回したい。

◎ウインキートス
◯ラヴズオンリーユー
▲ブラストワンピース
△バイオスパーク
×ペルシアンナイト

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。

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