【関屋記念】日本海側は雨模様 数少ない夏の新潟重馬場を攻略するのはアンドラステ

佐藤永記

新潟芝外1600m重・不良脚質別成績,ⒸSPAIA

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新潟は雨必至 近年傾向無視で重巧者狙い

新潟芝外1600m重・不良脚質別成績,ⒸSPAIA


今週は日本海側で雨予報がずっと続き、良馬場開催が続いていた新潟競馬もここで重・不良馬場が必至かと思われる今年の関屋記念。過去10年を見ても関屋記念が良馬場でなかったのは2014年の稍重だけであり、もはや近年傾向は「全く役に立たない」と言い切りたい。徹底した「荒れ馬場巧者」探しをしていこうと思う。


新潟芝外1600m、重・不良 戦法別成績,ⒸSPAIA


まず新潟芝外1600mはどういった傾向があるか。3年前の2018年から先週まで、このコースで重・不良だったレース(新馬・未勝利除く)は4レース。逃げての複勝圏はおらず、先行2勝、差し1勝、追込1勝となっているが、差し馬の複勝率が33.3%と3連複の軸には差し馬を選んだほうが無難そうである。

新潟芝外1600m、重・不良 上がり順位別成績,ⒸSPAIA


また、上がり3Fの順位を見ると、5位以内で大半の複勝圏内が占められている。必ずしも1位である必要はないが「ある程度の上がり」は大事そうだ。馬場が重くタフさが求められるなか、直線が長いこともあり上がりもある程度必要ということだろう。

雨男サトノアーサーに安定感のアンドラステ

雨男といえばサトノアーサーだろう。生涯23戦のうち、重・不良馬場を6戦も経験し【1-1-1-3】と複勝率は5割を誇っている。2月の東京新聞杯以来のレースで近況成績は振るわないが「慣れた重・不良馬場」で巻き返しは一考だろう。ロータスランドも芝重・不良は【1-1-0-0】と好相性。新潟コースも早苗賞2着と経験と結果を残しており、お得感は高い。

クリスティは芝重・不良【0-2-0-0】。新馬と2歳10月のアイビーSでの2着がそれであり、若い時の成績ではあるが一応実績もある。近況逃げの策に出ているのはちょっと不安ではあるが、同じ逃げ候補のマイスタイルと折り合いがつけば面白い一頭だろう。プールヴィルは重馬場であった昨年の京都牝馬Sで2着の実績がある。道中4番手から4角2番手まで上がっていき、残した競馬だった。

昨年の関屋記念を3着としているアンドラステは芝重・不良で【1-0-0-1】。勝ったのは一昨年の3歳上1勝クラス時とだいぶ前だが、着外も不良馬場だった昨年のエプソムカップ4着と惜しい内容で、上がりは最速タイを記録している。前走中京記念を勝った勢いが雨で削がれることはなさそうで、近況の安定感も含めればアンドラステは軸におすすめだろう。

馬券作戦はアンドラステを3連複やワイドの軸にして、相手をサトノアーサーとロータスランド、クリスティ、さらにはプールヴィルを中心に、芝重・不良を未経験な馬たち(グランデマーレ・ソングライン・パクスアメリカーナ・ブランノワール)を入れて組み立てる「雨デッキ」で関屋記念に挑みたい。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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