【レパードS】「先行馬2頭+差し馬1頭」の決着が基本形 東大HCの本命はハンディーズピーク

東大ホースメンクラブ

レパードSインフォグラフィック,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

ダート戦ながら差し馬も要警戒

8月8日(日)に新潟競馬場で行われるレパードS(GⅢ・ダ1800m)。将来のダート路線における活躍を占う一戦に3歳馬15頭が顔を揃えた。人気の中心と目されるのは2勝クラス戦をレコードで制したホッコーハナミチや、休養明けの前走を2着馬に1秒2差をつけて圧勝したメイショウムラクモ、ダート転向後3連勝中のルコルセールなど。初の重賞制覇を飾るのはどの馬なのか。今週もデータを踏まえて予想してゆく。


過去10年レパードS4角順位,ⒸSPAIA


最初にレース傾向を分析する。スタート直後の平坦かつ長い直線で激しい先行争いが行われるため前傾ラップとなりやすく、過去10年でも2014年を除く9回で前半1000mが後半1000mより速い。そのためダート戦ながら差し馬が健闘しており、4角6番手以内の馬が1~3着を占めたのは3レースのみ。基本的に想定すべきは先行馬2頭+差し馬1頭による決着といえる。

また2番人気以内の逃げ・先行馬は【5-3-2-1】で複勝率91%と崩れ知らずで、先行馬のうち1頭は人気馬から選びたい。逆に3番人気以下の逃げ・先行勢については、関西所属騎手が【0-0-0-10】と全く馬券に絡めていない一方、関東所属騎手が【2-3-3-14】で複勝率37%・複回収率228%と好調。誰が騎乗するかにより明暗が分かれている。


基本的には枠不問も

過去10年レパードS枠順別成績,ⒸSPAIA


〈過去10年のレパードS・枠別成績〉
1枠【1-0-1-8】勝率10.0%/連対率10.0%/複勝率20.0%
2枠【1-0-2-16】勝率5.3%/連対率5.3%/複勝率15.8%
3枠【1-1-2-15】勝率5.3%/連対率10.5%/複勝率21.1%
4枠【3-3-0-14】勝率15.0%/連対率30.0%/複勝率30.0%
5枠【2-2-1-15】勝率10.0%/連対率20.0%/複勝率25.0%
6枠【0-1-3-16】勝率0.0%/連対率5.0%/複勝率20.0%
7枠【2-1-1-16】勝率10.0%/連対率15.0%/複勝率20.0%
8枠【0-2-0-18】勝率0.0%/連対率10.0%/複勝率10.0%

次に過去10年のレパードSにおける枠別成績をみる。先程も述べた通りスタート後の直線が長いため、外枠の馬も積極的に先行争いに加わってくるのが新潟ダ1800mというコースの特徴。各々がやりたい競馬をすることができるため枠順によるバイアスは小さく、複勝率で比べても大きな差はない。

ただ5~8枠に収まった馬で初角7番手以下だと【0-3-3-42】と勝利例がない点には注意が必要。先行力で他馬に見劣りする馬が外枠の場合、軸やアタマで狙うのは避けるべき。対して1~4枠の馬が同7番手以下なら【2-1-3-30】。2勝を記録するばかりか複勝率でも外枠のそれを上回っており、警戒すべき差し馬1頭は内枠に潜んでいる可能性が高い。


力の裏付けある3勝馬中心

◎ハンディーズピーク
新馬戦をレコードで制した素質馬。5着に敗れたもちの木賞はスタートでヨレており敗因は明確。前走は先に抜け出した2着馬を残り1Fでギアが上がると簡単に差し返しており、強い勝負根性を感じさせる好内容だった。関西騎手が騎乗する人気薄の先行勢は苦戦傾向だが、福永祐一騎手は昨年夏の新潟におけるリーディングジョッキー(しかも2位の戸崎圭太騎手とは6勝差)で、18年に10番人気のヒラボクラターシュに騎乗し2着に導いた実績もある。福永騎手が当初騎乗予定だったキャリアリズムが抽選で除外された結果とはいえ、現役屈指の名手を迎えられたことはプラスに働くはずだ。

◯ホッコーハナミチ
前走は馬場や斤量の助けがあったとはいえ1.41.4というコースレコードでの勝利。翌日のプロキオンSで即塗り替えられてしまったが、プロキオンS3着馬の走破時計は1.41.6でホッコーハナミチの方が上。優秀な時計であることに変わりはない。内枠を引いてしまい、外に先行馬が多数いるここは後ろからになりそうだが、中団で運ぶ競馬は経験済み。ここでは今年の差し馬枠として挙げておきたい。父ホッコータルマエは9年前にここを勝利し、以後覇道を突き進んだ。父の成長曲線をなぞるなら成長一途で、ここを勝つようなら先々の活躍も期待できる。

▲メイショウムラクモ
3勝はいずれも2着馬にかなりの差をつけての圧勝と見栄えのする勝ち方。2走前の伏竜Sの勝ち馬ゴッドセレクションはJDDでタイム差なしの2着に健闘しており、負けた相手が強かった。スピードがある馬で、他馬に被せられる心配のない大外枠なら好位置につけられることは間違いなし。気性的な難しさを抱えているだけに全幅の信頼は置けないが、一線級の能力を有することは疑いようがない。

△ルコルセール
母の全兄が統一GⅠを4勝し種牡馬としても活躍したゴールドアリュール、自身の半兄もマーチS勝ち馬ソロルというダート界の良血馬。ダート転向後3連勝とその血に恥じぬ活躍を見せており、未だ底を見せていない点はやはり魅力。特に前走は加速ラップを好位から抜け出しての勝利で内容も評価できるものだった。

以下、人気薄の先行馬から関東所属の菅原明良騎手が騎乗するラヴォラーレ、【4-3-3-12】と相性の良い前走JDD組のロードシュトロームまで印を回す。3勝馬中心の堅めな予想となったが、それだけ2勝馬との差は大きいと考える。データでみても前走1勝クラス組が【0-2-0-25】・複勝率7%であるのに対し、前走2勝クラス組は【1-4-2-44】・複勝率14%でその差は一目瞭然だ。

▽レパードS予想▽
◎ハンディーズピーク
◯ホッコーハナミチ
▲メイショウムラクモ
△ルコルセール
×ラヴォラーレ
×ロードシュトローム

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



《関連記事》
【エルムS】例年以上の豪華メンバーでも狙いは前走1700m経験馬 覚えておきたいデータ
【レパードS】今年は大混戦! JDD、ユニコーンSそれぞれから狙ってみたい穴馬は?
【エルムS】リピーター多数も連覇は過去一度!注目は4、5歳馬 エルムSの歴史を振り返る

おすすめ記事