【レパードS】3勝馬、強し! 豊富なキャリアと血統が決め手のホッコーハナミチ

門田光生

レパードS出走馬のキャリア別成績(第1回からの12年),ⒸSPAIA

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ほとんどが前走1着馬

2021年8月8日に新潟競馬場で行われるレパードS。今年で13回目となるが、歴代の勝ち馬は第1回のトランセンドから始まって、ミラクルレジェンド、ホッコータルマエ、インカンテーション。のちに重賞で大活躍する馬の名前がズラリと並ぶ。

そう考えると、最近の勝ち馬は小粒に思えてしまうのだが、何か傾向が変わったのだろうか。過去12回行われているので、今回は過去12年のデータを基として、同時に近5年の傾向と対比しながら、データで分析していこうと思う。

レパードS出走馬の所属別,ⒸSPAIA
レパードS出走馬の性別,ⒸSPAIA


全12回、美浦7連対(5勝)に対して、栗東17連対(7勝)。勝率、連対率も栗東勢が上回っている。ただ、ここ5年で見ると美浦4勝、栗東1勝と形勢が逆転。しかも、11番人気(2017年)、10番人気(2019年)、7番人気(2020年)と、人気薄が勝っているところも見逃せない。有利なのは栗東勢だが、人気薄なら美浦組にもチャンスありとしたい。

性別では、12回中11回が牡馬の勝利。牝馬が勝ったのは2010年のミラクルレジェンドだけ。出走頭数に圧倒的な差があるとはいえ、基本は牡馬が優勢。

レパードS出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


前走1着馬の成績が、ほかの重賞レースと比べてよくない。面白い傾向が出ているなと思ったのだが、今回の登録馬を見て納得。出走馬のほとんどが前走1、2着馬で、そりゃ確率も下がるというもの。ただし、ここ5年で前走1、2着馬から勝ち馬が出ていないのも事実で、ほかの重賞に比べて信頼度が落ちるのは間違いなさそうだ。

気になるのは前走8着馬。11頭が出走して2勝、2着1回。8着という着順にしては好成績といえる。さらに、その2勝はここ4年での出来事。今年もこの着順に当てはまる馬が出走していれば要チェックだ。

レパードS出走馬の前走クラスA,ⒸSPAIA
レパードS出走馬の前走クラスB,ⒸSPAIA
レパードS出走馬の前走,ⒸSPAIA


続いて前走クラス。最も多いのは2勝クラスを経由した組の7連対。ただ出走頭数も61頭と多く、勝率3.3%は威張れる数字ではない。その勝率が最もいいのはGⅢ組で、4勝、勝率16.7%となっている。こちらは2、3着がなく、勝つか、圏外かという極端な結果。また、JRAのGⅠ、GⅡを使ってきた組から馬券に絡んだ馬は出ていない。

ところで、このレースは3歳限定戦だが、すでに古馬と戦っている3歳馬も数多くいる。そこで、前走で3歳限定戦か、古馬混合戦か、どちらを走った馬が有利かも調べてみた。結果は、3歳限定組が15連対、混合組が9連対。1着馬に限れば3歳限定組が10勝。混合組の大半は条件組だから仕方ないのかもしれないが、3歳限定組がよく馬券に絡んでいるという傾向は覚えておきたい。

また、前走が地方重賞を使っていた馬は、勝率、連対率とも高くなっている。そのほとんどがジャパンダートダービー(JDD)組。一方のJRA重賞だと、GⅢユニコーンS。この2つのレースから参戦してきた馬は、前走着順に関係なく好走する傾向にある。

レパードS出走馬のプラスデータ,ⒸSPAIA
レパードS出走馬のマイナスデータ,ⒸSPAIA


最後に、レパードSにおけるプラスとマイナスデータを少々。まずプラスデータだが、キングカメハメハ産駒の成績がいい。これは新潟ダート1800mの傾向と合致するので、信頼していいデータといえる。

マイナスデータだが、まず前走で追い込んだ馬。22頭中、勝ったのは1頭だけ。これも、追い込みが利きづらい新潟ダート1800mの傾向と同じ。また、キャリア5戦以内の馬から勝ち馬が出ていない(2着馬はいる)。最後に1月生まれの馬は、すべて圏外となっている。

惑星候補は「前走8着馬」と「JDD出走馬」

レパードSのデータを整理していく。まず勝率の高いパターンだがA「栗東所属」B「前走8、9着馬」C「前走がJDDかユニコーンS」D「キングカメハメハ産駒」となる。

勝つ可能性が低いパターンはE「牝馬」F「前走で追い込み」G「キャリア5戦以内」H「1月生まれ」となる。

今回の登録馬22頭中、本賞金1500万の3勝馬が4頭、残る18頭は本賞金900万の2勝馬。フルゲートが15頭だから、全馬が出走意思を見せた場合、2勝馬18頭が11枠を争うことになる。

そこで、過去12回で2勝馬と3勝馬のどちらが連対数が多いかを調べてみた。結果は3勝馬が14連対(8勝、2着6回)で、2勝馬は7連対(3勝、2着4回)であった。出走頭数は2勝馬の方が多いことを考えると、3勝馬の方が好走確率が高いと考えてよく、今回も4頭いる3勝馬から勝ち馬が出るとみる。

その3勝馬4頭というのは、ハンディーズピーク、ホッコーハナミチ、メイショウムラクモ、ルコルセール。この中で気になるのはハンディーズピーク。勝ち馬が出ていないG「キャリア5戦以内」に引っかかり、さらにこの馬と同じキャリア4戦の馬は、過去に【0-0-1-8】と連対馬すら出ていない。まずこれが脱落。また、メイショウムラクモとルコルセールはマイナスデータこそないが、プラスデータもなし。

というわけで、プラスデータであるA「栗東所属」を持つホッコーハナミチが本命となる。父ホッコータルマエはプラスデータD「キングカメハメハ産駒」で、新潟ダート1800mに適性がある可能性は十分にある。その観点でいくと、ルコルセールの父ロードカナロアもキングカメハメハ産駒。これが対抗。

3勝馬の好走確率が思った以上に高かったので、マイナスデータのないメイショウムラクモも一応押さえておく。ただ、ルコルセールもメイショウムラクモも、そこそこの人気が見込める美浦所属馬。美浦所属馬は人気薄が来る傾向にあるので過信は禁物。

2勝馬は抽選突破という第一関門があるので、この原稿を書いている時点(月曜日)では何ともいえないが、とりあえず出走するという前提で。その2勝馬で気になるのはタイセイアゲイン。ここ4年で2勝を挙げている「前走8着馬」に当てはまる唯一の存在。あと、A「栗東所属」とC「前走がJDD」の2つを満たすロードシュトロームも押さえておきたい。

◎ホッコーハナミチ
◯ルコルセール
▲タイセイアゲイン
△ロードシュトローム
×メイショウムラクモ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。
娘が夏休み中、ザリガニの世話係に任命されたようで、学校から持って帰ってきた。生まれ育った町は畑と用水路に囲まれた田舎で、あちこちでザリガニが獲れたことを思い出します。しかし、エサをやるとハサミを上げて喜ぶ(威嚇?)姿が何ともいえませんな。

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