【レパードS】今年は大混戦! JDD、ユニコーンSそれぞれから狙ってみたい穴馬は?
勝木淳
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なぜか大型馬が勝ちきれない
3歳ダート路線の貴重なJRA重賞レパードS。春の既成勢力と、この夏、古馬との戦いのなかで賞金を加算してきた上がり馬との対決が例年の構図。今年は既成勢力がやや手薄。上がり馬中心のメンバー構成で、混戦が予測される。ポイントは新潟ダート1800m。コーナーがコースに占める割合が大きいこの舞台は、他場の1800m戦より器用さが求められる。そういった点を踏まえつつ、過去10年間のデータから傾向を探っていきたい。
まずは人気別成績から。1番人気は【4-2-2-2】勝率40%、複勝率80%。貴重なダート重賞とあって、きっちり照準を合わせてくる実績馬が結果を出す。ただ馬券圏外だった2頭、18年グレートタイム、20年デュードヴァンはいずれも前走重賞好走馬。実績がものをいうレースでもない。2番人気【2-2-1-5】勝率20%、複勝率50%までは堅実だが、3番人気以下は互角で、10番人気以下も【2-2-3-51】と馬券圏内に絡むレースでもある。
ダートといえば大きな馬。馬体重別成績は顕著にその傾向を示すものだが、レパードSはひと味違う。確かに500キロ以上は【2-5-4-38】と好走するが、どうも勝ちきれない。アタマ狙いならば、460~478キロ【5-0-1-26】をはじめ、8勝の440~498キロだろう。
まだまだ成長途上の3歳馬であるということもあるが、器用さが求められる新潟ダート1800mならではだろう。ダートの中距離戦は仕掛けが早い。勝負所の3、4コーナーは小回り。器用な加速とタイトなコーナーリングが求められる。外を回り過ぎると、直線入り口で決定的な差をつけられるコースである。大味な競馬ではなかなか勝てない。ダートで強い大型馬は当然注目だが、勝ちきっていないという傾向も合わせて押さえておきたい。
前走JDD・ユニコーンSの取捨は
芝路線に比べ、選択肢がまだまだ少ない3歳ダート路線だけにローテーションの傾向もくっきりと出る。前走レース別成績をみると、ジャパンダートダービー(以下JDD)組が【4-3-3-12】と主要。今年は出走馬が少ないものの、まずはここに注目。
2着だった馬【2-2-0-0】など好走した馬も走るが、5着【1-1-1-2】、6~9着【1-0-1-2】など負けてきた馬が巻き返す可能性も高い。6着だったロードシュトロームも先行力がある馬で決して見限れない。続いて【4-0-0-17】と極端なユニコーンS組について。
ユニコーンS組の4勝はすべて負けてきた馬。着差別成績でさらに詳しくみると、0.3~0.5負けが1勝、1.0~1.9負けが3勝とそれなりの着差をつけられた馬が怖い。東京ダート1600mから新潟ダート1800mという舞台にかわることで、浮上する馬がいる。この組は適性について冷静に判断したい。5着だったクリーンスレイトは、未勝利戦を勝った中山ダート1800m戦でスムーズに加速しており、2勝目とユニコーンSの東京戦よりも適性はありそうで不気味だ。
格下を狙うときは前走距離にご注意を
今年のメンバーは大半が前走条件戦だった馬。下級条件から一気に重賞を狙う馬について傾向をみる必要がある。
前走が条件クラスだった馬について、その距離に関するデータをみると、1700mが【0-0-2-16】と頼りない。この距離は小倉や福島、北海道など直近の開催場で行わる条件だけに気をつけたい。夏に条件戦を勝っていざ重賞へというローテは苦戦傾向にある。今年も北海道で2勝クラスを勝ったルコルセール、福島で勝ちあがったメイショウムラクモ、小倉のホッコーハナミチ、ハンディーズピークなど上位人気が予想される3勝馬はみんなこのデータに触れる。
好走は1600m【0-1-1-9】、1800m【1-5-0-25】のふたつ。直近だと前者は東京、後者は阪神、中京、新潟で行われる。前走が東京ダート1600mだった馬はアリエノールなど複数。1800mは中京で1勝クラスを勝ったキャリアリズム、春の新潟からテイエムマジックなどがスタンバイ。過去の傾向としては、同じ左回りの中京ダート1800mだった馬が【1-4-0-6】と優勢。しかし今年は変則開催で普段の7月中京がなかったことは忘れないでおきたい。例年通りならば、春の中京で連勝したキャリアリズムは穴候補として面白い。
JDDからロードシュトローム、ユニコーンSからクリーンスレイト、下級条件組からキャリアリズムと妙味を感じる馬が多い。いずれも2勝馬、まずは抽選突破を願う。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース公式コメンテーターを務める。
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