【クイーンS】「前走人気薄」が激走 ヴィクトリアマイル13番人気シゲルピンクダイヤに注目!

門田光生

クイーンSの生産者別成績(過去10年),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

今年は函館開催

全国各地で梅雨明け宣言が出された。昨年、また例年より早い梅雨明けとなった地域が多かったようだ。競馬予想において天気は重要なファクターなので、比較的天気が安定している夏は、競馬予想にも最適な季節なのかもしれない。

さて、2021年8月1日に行われる第69回クイーンS。北海道には梅雨はないのだが、このクイーンSも2000年に北海道へと場所を移してからすべて良馬場で行われている。8年ぶりに函館競馬場での施行となる今回も、天気の傾向は大きく変わらないか。

ところで、函館と札幌。同じ北海道にある小回りの競馬場というのが漠然としたイメージだが、実際に大きな違いはあるのだろうか。まずは数字で比較してみた。

函館競馬場と札幌競馬場(Aコース使用時),ⒸSPAIA


1周距離、直線の長さとも似ており、オール洋芝というのも同じだ。違う点を挙げると、まずコース形態。同じ楕円形でも、函館より札幌の方が丸に近い形をしている。そして、高低差0.7mとほぼ平坦なのが札幌、3.5mと起伏があるのが函館。

また札幌競馬場は「芝・不良」という文字を見たことがないぐらい水はけがいいのだが、函館はそこまででもない。札幌の方が多少時計が速いぐらいのイメージだったが、意外に違う点が多く勉強になった。

前回、函館競馬場でクイーンSが行われたのは2013年。この時は、しんがりを追走していた、しんがり人気の馬が2着に突っ込んで波乱となっている。この年を含めて3連単はここ10年で9回が万馬券。堅く収まるレースではないようだが、果たしてどのようなタイプの人気薄が上位に来る傾向にあるのか。今回も過去10年のデータを基に探っていきたい。

注目は3歳馬だったが……

クイーンS出走馬の所属別,ⒸSPAIA
クイーンS出走馬の年齢,ⒸSPAIA


ここ10年で美浦所属馬が47頭、栗東所属馬が78頭出走。連対馬は美浦6頭に対して栗東が14頭。勝率、連対率で見ても栗東勢の方が上。近5年の連対馬でも美浦2頭、栗東8頭となり、より栗東有利の傾向となっている。

年齢別だと若い馬が優勢の傾向。4歳馬がほぼ半分近くの9連対。ここ5年でも半分以上の6連対を記録している。7歳以上となると参戦頭数自体が少なく、1頭しかいない。同じく、出走頭数がほかの世代と比べて少ない3歳馬(14頭)だが、こちらは勝率が21.4%と抜けていい数字。

さらに詳しく見ていくと、52キロを背負っていた3歳馬【3-0-0-3】に対し、51キロだと【0-0-1-7】。52キロを背負う3歳馬が出走していれば有力な本命候補だったが、残念ながら今年は3歳馬の参戦はなし。

クイーンS出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA
クイーンS出走馬の前走,ⒸSPAIA


続いて、前回走ったクラスを調べてみた。条件戦から3頭が連対しているが、いずれも3勝クラスからのもの。2勝クラス以下を経て出走した11頭はすべて着外。そのうちの半分近くが牝馬限定の「かもめ島特別」出走馬だった。

重賞組だと、GⅠに出走した馬が6勝と貫禄を見せている。中でもヴィクトリアマイル組が最多の7連対で、連対率は30%を超えている。続いてGⅢマーメイドS組の4連対。ここ5年だと、両レースとも3連対ずつと互角になっている。

クイーンS出走馬のプラスデータ,ⒸSPAIA
クイーンS出走馬のマイナスデータ,ⒸSPAIA


最後にクイーンSにおけるプラスとマイナスデータを。まず目につくのがノーザンファーム生産馬の成績のよさ。9頭の連対馬を出し、連対率も30%を超えている。続いて前走11~15番人気だった馬の成績が【4-1-1-16】。低人気から巻き返してくる確率を考えると、この数字は優秀だ。あと前走8着馬も高確率で馬券に絡んでいるのだが、今年は該当馬なしとなっている。

一方のマイナスデータだが、馬体重が前走、当日にかかわらず500キロ以上あった馬はすべて着外。また、前走で1秒以上の負け、前走11頭立て以下のレースに出走、そして黒鹿毛or青鹿毛の馬から勝ち馬が出ていない。

ヴィクトリアマイル出走馬の人気薄が狙い

データが出そろったところでまとめに入る。まず好走確率が高いのはA「栗東所属」B「前走GⅠ、特にヴィクトリアマイル組」C「ノーザンファーム生産馬」D「前走11~15番人気」。

続いて勝率が低いデータはE「前走が2勝クラス以下」F「馬体重500キロ以上」G「前走1秒以上の負け」H「前走11頭立て以下」I「黒鹿毛or青鹿毛」。

今回、最も信頼度が高いと思われた3歳牝馬(52キロ)の参戦がないのは痛い。これに続くデータといえば、連対率が30%を超えるB「前走GⅠ、特にヴィクトリアマイル組」C「ノーザンファーム生産馬」、そして人気的に面白いD「前走11~15番人気」。

これらの3つとも満たす馬が今回はいないが、2つ当てはまるのはシゲルピンクダイヤとテルツェット。両馬ともマイナスデータが1つずつあり、シゲルはI「黒鹿毛or青鹿毛」、テルツェットはG「前走1秒以上の負け」。両方とも過去10年で勝ち馬が出ていないデータだが、2着馬は何頭かいるので、連軸なら問題なし。

この2頭の比較でいえば、A「栗東所属」も同時にクリアしているシゲルピンクダイヤの方を上に取りたい。ちなみに、ここ10年でヴィクトリアマイルから来て連対した7頭の、ヴィクトリアマイルでの人気は13、11、13、3、9、6、9。2014年の勝ち馬キャトルフィーユは前走のヴィクトリアマイルが13番人気、5着。今回のシゲルピンクダイヤと全く同じである。

あとは似たり寄ったりだが、マイナスデータがない馬に注目すると、シャムロックヒル、マジックキャッスルの2頭。ここ5年の連対馬10頭全てが前走重賞組という近年傾向を重視して、シャムロックヒルとマジックキャッスルを相手に加えたい。

◎シゲルピンクダイヤ
◯テルツェット
▲シャムロックヒル
△マジックキャッスル

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。
オリンピックが開催中。東京から離れたところに住んでいると、もうひとつ日本でやっているという実感がないのですが、中継があるとやっぱり見てしまいますね。

《関連記事》
【クイーンS】マジックキャッスルもいいが、あえて狙おうシゲルピンクダイヤ 覚えておきたいデータ
【クイーンS】3歳馬、リピーター不在で混戦模様!好走の鍵は「秋華賞出走経験」 クイーンSの歴史を振り返る
「関東馬の復権」「G1のルメール・川田・福永理論」 2021年上半期のG1をデータで振り返る

おすすめ記事