【中京記念】距離短縮は大幅な上昇材料　参考レースからの注目馬は？

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負けて強しの良血馬

今年は小倉競馬場を舞台に行われる中京記念。中京芝1600mから小倉芝1800mとまったく異なる条件に移り、小回りの非根幹距離特有の機動力が求められる一戦となりそうだ。様々な路線からメンバーが集まったため、まずは参考レースから各馬の特徴を整理していきたい。

【小倉大賞典】
トーラスジェミニが前半1000m58.0で飛ばしたがついていったのはディアンドルぐらいで、3番手以降は3F別で36.3-34.2-35.0程度。さらに当時は南から強めの風(向正面追い風)が吹いており、500m過ぎからの下り坂の影響も考えると、前半はなかなか楽なペースで運べている。さらに連続開催の影響で内目が荒れており、イン差しは厳しい馬場状態だった。外前有利。

2着馬ボッケリーニは57キロのハンデを背負いながら差して2着と力を証明。さらに本馬はラブリーデイの全弟であり、ピッチ走法による機動力の高さが持ち味。内枠ならさらに高いパフォーマンスが期待できるだろう。

3着馬ディアンドルは大外枠から2番手につけ、自身はほぼイーブンペースの理想的な展開。心肺機能が高く、まずまずのペースで行ってもそう簡単には止まらないタフさが持ち味だが、同レースにおいては展開に恵まれた感は否めない。

格上挑戦での快勝

【米子S】
開幕初日。前開催後に傷んだ箇所の蹄跡補修と洋芝の追加播種を実施し、多少の傷みを残しながらも概ね良好状態。開催前にエアレーション作業実施しており、夜中からの降雨の影響で終日重馬場での開催ともなった。トラックバイアスは内有利。

1着馬ロータスランドは別定戦の格上挑戦ながら0.3秒差の快勝。外枠からスッと好位につけたレースセンスの良さが光った一戦であり、着差通りの評価が必要だろう。父Point of EntryはHis Majestyを3×4でクロスしたパワー型で、本馬はRobertoを3×4でクロス。筋肉質なピッチ走法で、力のいる馬場は大得意。その反面、良馬場の持続力勝負にはやや不安が残るか。

5着馬メイケイダイハードは最後方から上がり最速を計時。力のいる馬場が大歓迎だ。

格上挑戦馬のワンツー

【マーメイドS】
米子Sの翌日だが、雨馬場を使い込んだ影響で前日のような顕著なトラックバイアスは感じられず。レースはシャムロックヒルが最内枠から押してハナに立ち、公式ラップは12.6-11.1-12.4-12.4-12.3-12.3-12.0-11.7-11.6-12.0。前後半1000m60.8-59.6の後傾1.2秒、起伏の少ないペース、ラスト1Fの失速度。50キロの軽斤量も味方したが、逃げ馬としては理想的な逃げ方であった。

2着馬クラヴェルは後方待機から抜けた上がり3Fを計時。格上挑戦でハンデに恵まれた面はあるが、母母ディアデラノビアから繋がる晩成気味の牝系で馬体重的にもようやく本格化してきた印象。「エピファネイア×キングカメハメハ×サンデーサイレンス」のテンプレ配合でもあり、スタミナも十分。牡馬相手でも即通用とは断言できないが、順調に成長を重ねればエリザベス女王杯が楽しみな良血馬だ。

4着馬アンドラステは掛かり通しの追走でラスト1Fで失速。マイラー体型でもあり、1800m以下なら上位馬との差は入れ替わっていた可能性が高い。距離短縮は大幅プラス。

条件替わり魅力の3頭

同条件の小倉大賞典で強い競馬を見せたボッケリーニが最有力。新潟芝2000mからの条件替わりは大幅な上昇材料だ。適距離に戻るアンドラステの巻き返しにも要注意。穴は小倉日経オープンで僚馬ボッケリーニと小差のダノンチェイサー。良馬場なら巻き返し濃厚の素質馬だ。

注目馬：ボッケリーニ、アンドラステ、ダノンチェイサー

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。

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