【プロキオンS】地力上位、展開も向きそうなウェスタールンド 参考レース分析から浮上するのは?

坂上明大

アンタレス馬場/展開バイアス:後有利ⒸSPAIA

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ハイレベルな一戦

今年は小倉競馬場を舞台に行われるプロキオンS。中京ダート1400mから小倉ダート1700mとまったく異なる条件に移るわけだが、登録馬には1400~1600mの逃げ馬が多いため非常にタフなレース展開が予想される。ペース適性も含め、参考レースから各馬の特徴を整理していきたい。

【東京大賞典】
ワークアンドラブがハナを切り、前後半1000m64.9-62.0のスローペース。スパート位置も遅く、前有利の展開であったことは間違いないだろう。とはいえ、今年の川崎記念1、2着馬、帝王賞1、2、4、5着馬が揃ったメンバーレベルは非常に高く、決してレベルの低い一戦とは言い難い。

3着馬ウェスタールンドはいつも通り後方で脚をタメたが、向正面で掛かり気味にポジションを上げていき、直線入り口では先頭を射程圏に入れる形。ただ、そこからは脚色が同じになり上位2頭を捉え切れず。展開も向かなかったが、直線で手前を替えない癖があるため、一線級相手ではどうしてもラストで甘くなってしまう。

相手関係が楽になり56キロなら当然勝ち負けになりそうだが、長期休養を明けて9歳という点は追い切りやパドックで要確認だ。

ハイペースの差し決着

アンタレス馬場/展開バイアス:後有利ⒸSPAIA


【アンタレスS】
ケイアイパープルとメイショウカズサが競り合って前半3F34.8のハイペース。先行勢は総崩れしており、後有利が顕著な展開となった。スパート位置が遅く加速ラップの馬もちらほらいるが、基本的には序盤で体力を温存できた馬が上位を独占した形だ。

4着馬ダノンスプレンダーは中団で脚をタメ、3角からテーオーケインズの後を追う形。ただ、直線に向いてからは脚色が鈍り、4着に沈んだ。展開は味方していただけに、やや物足りないパフォーマンスであったか。

13着馬ナムラカメタローは大外枠から出していったが、内の2頭が主張したため2列目に控える形。直線入り口まではテーオーケインズに抵抗したが、ラスト1Fでは完全に脚が上がってしまった。展開を加味すれば、巻き返しの余地は十分にありそうだ。

14着馬ケイアイパープル、15着馬メイショウカズサは2頭で競り合って両馬ともに大差負け。展開が変われば巻き返しも期待できるが、今回はさらに速い逃げ馬が多数参戦。外枠からマイペースで運びたい。

力差を感じる3着

【さきたま杯】
地元浦和のプレシャスエースが主張してハナを切り、前後半3F35.2-37.4の前傾2.2秒。ダート1400m戦らしい地力勝負であり、0.6秒差の3着馬ワイドファラオはアルクトスとエアスピネルに力差を見せつけられた結果だ。

力関係は大幅に楽になったが、今回も別定戦のため58キロを背負う形。前走と同程度の評価が妥当か。

地力上位、展開も向きそう!

人気馬ではウェスタールンドが地力上位。展開も向きそうなだけに、あとはデキ次第だろう。穴馬ではスマートセラヴィーに注目。6走前の福島ダ1700m戦ではオーヴェルニュ(21年東海S、平安S)に0.2秒差と見せ場を作っており、久々に1700mに戻る今回が狙い目か。

注目馬:ウェスタールンド、スマートセラヴィー

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。

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