【中京記念】狙うは5~9番人気、結局のところ「内枠の先行馬」! 覚えておきたいデータ

SPAIA編集部

2021年中京記念のデータ,ⒸSPAIA

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大矛盾のサマーマイル第2戦

サマーマイルシリーズの第2戦、2021年の中京記念は小倉芝1800mで行われる。

……意気揚々と原稿を書き始めて1行で既に2つも矛盾していて泣きそうである。距離はマイルでもなければ、競馬場は中京でもない。サマーという点しか正解がない。先週のプロキオンSもそうだったが、データで傾向を割り出していく、というコンセプトでやっている身としては途方に暮れる条件設定だ。

しかしJRAがそう決めた以上、嘆いていても仕方ない。普段の中京記念との共通項は、施行時期とハンデGⅢであるという点。そして、それ故にメンバーレベルも大体似たようなものだ。また、「小倉芝1800mのGⅢ」という点なら冬に行われている小倉大賞典も参考程度にはなりそうだ。

そんなわけで、今回は過去10年にこだわらず、様々なレースデータとコースデータを織り交ぜながら予想の手がかりになりそうなものを紹介していく。

中穴狙いは変わらず?

中京記念の人気別成績,ⒸSPAIA



2011年までは3月の2000m戦だったため、まずは過去9年の中京記念を基にしたデータから。人気別で見ていくと、1~3番人気が各1連対と苦戦。5番人気【3-1-1-4】、6番人気【1-4-0-4】が複勝率55.6%ずつと大暴れしており、回収率も含めて5~9番人気が中心だ。

10番人気以下でも昨年の18番人気1着メイケイダイハードを始め、5頭が馬券に絡んでいる。中穴狙いが理想だが、そこを外れるなら「日和る」より振り回しすぎる方がいい。

中京のマイル自体はワンターン(正確には1.5ターン)で直線も長く紛れの小さいコース設定。この波乱をもたらしているのはコースというよりメンバー間の力量の拮抗、ハンデ差、夏場の調整の難しさと考えてよかろう。小倉開催でも通用しそうなデータとして採用する。

中京記念の前走クラス別成績,ⒸSPAIA



続いて前走クラス別。昇級初戦or格上挑戦となる前走3勝クラス【0-0-1-8】はともかく、前走GⅢ【0-0-2-26】には驚いた。ここの主力はエプソムC組とCBC賞。内訳を見たざっくりとした印象だが、夏をパスするほどの実力馬でもなく、かといってサマーマイルに全力を注ぐほど適性に自信がある馬でもなく…といった層の多さが不振の原因と考えられる。

また、GⅡ組も【2-1-1-8】と成績自体はいいが、このうち2勝、3着1回は京王杯SC組。同じ左回りの大箱、200m差だった例年の条件でこそ通用していた感は否めない。今年はOP・リステッド組と、GⅠ組にプラス評価を与えたい。

内枠と地元騎手に注目

小倉芝1800mの枠順別成績,ⒸSPAIA



ここからは今年の舞台となる小倉芝1800mにフォーカスしたデータを見ていく(7月13、14日の結果は未反映)。まずは過去5年、特別戦での枠順別成績。勝率・連対率・複勝率トップはいずれも2枠。複勝率37.5%自体も高いが、単回収率155%、複回収率122%と妙味もある。今年の小倉大賞典を11番人気で勝ったテリトーリアルも2枠だった。

さらに内の1枠も複勝率28.6%は上々で、こちらも複回収率は124%。馬券妙味なら内枠と念頭に置きたい。

小倉芝1800mの主な好成績騎手,ⒸSPAIA



続いて同様の条件で騎手別成績を。騎乗数は少ないものの、川田将雅騎手が【4-2-1-3】と気を吐いている。川田騎手は佐賀県出身、父は佐賀競馬のトップトレーナーというプロフィール。地元の近く、九州は小倉の地で気合も入るのだろうか。そのほか、秋山真一郎騎手が複勝率33.3%、和田竜二騎手が連対率40.0%と関西のベテラン勢が健闘。

もう一人取り上げておきたいのが若手の鮫島克駿騎手。今年1月の単勝万馬券、アーデントリー(虹の松原S)での重い一撃が効いて単勝回収率554%。こちらも佐賀県出身のジョッキーだ。この条件に限らず、先日のCBC賞をファストフォースで逃げ切るなど、小倉では穴を開けることが多い騎手だけに、騎乗馬がいれば抑えておきたい。

小倉大賞典の脚質別成績,ⒸSPAIA



最後に変わり種。時期こそ違うが同コースのハンデGⅢである小倉大賞典について脚質別データを見る。小倉大賞典の傾向を大まかに述べると、「基本的に前残り、2・3年に1度前が総崩れ」といった形になっている。過去10年で逃げが3勝。先団から早めに動いた馬や、マクった馬を併せた「4角先頭」は【4-0-3-3】、複勝率70.0%に達する。

先ほどの「内枠有利」にも通ずる話だが、直線が短く平坦、小回りの小倉コース。今開催の良好な馬場状態も含めて、やはりある程度内、前でロスなく運べる馬を狙っておいた方がよさそうだ。

ポイントのまとめ

ここまでのポイントをまとめると、「5~9番人気の中穴狙い」「前走OP・LかGⅠ」「1・2枠」「川田将雅騎手、鮫島克駿騎手」「逃げ先行・4角先頭が理想」となる。

人気と枠順に関しては現時点で不明だが、それ以外から攻めるとまずはディアンドルが候補。前走はGⅠ・ヴィクトリアマイルで、強敵相手に4着と大健闘。その前は逃げる競馬をしていた。今回も逃げて4角先頭ならそのまま粘り込めそうだ。

穴っぽいところではダノンチェイサー。近2走は振るわなかったが、昨年は同コースの小倉日経OPでサラキア、ボッケリーニに次ぐ3着がある。前走はLの東風Sで、先行タイプ。同期・同馬主のダノンキングリー同様、スランプからの脱却がそろそろ見たい頃合いだ。上記2頭、どちらかに内枠を引いてほしい。

中京記念のデータインフォグラフィック,ⒸSPAIA


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