【CBC賞】3歳馬大苦戦、ハンデは手頃なゾーンを狙え 京大競馬研の本命はメイショウチタン

京都大学競馬研究会

CBC賞インフォグラフィックⒸSPAIA

3歳馬は勝ちきれない。去年の大波乱で見かけ上5歳馬が好調

7月4日(日)に小倉競馬場でCBC賞(GⅢ)が行われる。地元九州で初重賞を狙うヨカヨカや、重賞勝ち馬のピクシーナイト、タイセイビジョン、アウィルアウェイといった面々が参戦する。ここを勝って秋の飛躍につなげる馬はどの馬なのか、スターの登場に期待したい。またハンデ戦ということで馬券の荒れにも期待したい。


過去15年年齢別成績ⒸSPAIA


まずはCBC賞が夏開催に移った2006年以降、過去15年の年齢別成績を調べた。今年人気を背負うことが予想される3歳馬は【0-2-0-18】と不調で、連対した2頭はどちらも前走がオープン特別だった。

近年では2014年1番人気ベルカントや2018年3番人気アサクサゲンキといった重賞馬であっても馬券に絡むことが出来ていない。重賞やクラシック戦線でもまれて負担がかかった結果、ここでの凡走につながっていると推測される。今年参戦する2頭は共にGⅠで先行して大敗するなど非常に厳しいレースをしている。目に見えないダメージが残っていないか心配だ。

3歳馬が不調な分、年長馬の戦績は優秀で4歳馬が【3-2-2-29】で単勝回収率97%、6歳馬が【5-2-5-67】で単勝回収率95%。1番優秀だった5歳馬は【7-6-4-48】で単勝回収率198%、複勝回収率も世代別では唯一100%を超える121%と圧倒的。しかしこの回収率は昨年連対したラブカンプー、アンヴァルが共に超人気薄で配当を跳ね上げたことによるもので、昨年のデータを抜いた2019年以前のデータでは【6-5-4-45】で単勝回収率59%、複勝回収率82%まで下がる。5歳馬だからと安易に飛びつくのは危険だ。また7歳以上は勝ち星が無いため紐までに止めておくのが良い。

CBC賞過去15年の年齢別成績ⒸSPAIA



軽ハンデは原則消し

過去15年斤量別成績ⒸSPAIA


次に過去15年のハンデ別成績を調べた。単勝回収率が1番高いのは49.5~51kgのゾーンで517%もあるのだが、これは先述したラブカンプーが51kgで走ったからで、戦績は【1-1-0-16】と芳しくない。ヨカヨカは51kgで出走できるが積極的には買えない。

その他の斤量帯で戦績が優秀なのは53.5~55kgで【4-6-5-63】、単勝回収率は99%、複勝回収率は101%と高い水準でまとまっている。今回ここに該当するのはメイショウチタンのみ。

1つ上の55.5~57kgの戦績も悪くなく【6-2-7-44】で複勝率25.4%。但しハンデが重いということは人気も背負うケースが多く、単勝回収率は65%、複勝回収率93%と53.5~55kgに比べて分が悪い。また57.5kg以上の重ハンデを課された馬は【3-3-3-11】で複勝回収率は101%。基本買いなのだが今年は該当馬がいないため軸は53.5~57kgの中から探したい。

一方でピクシーナイトが該当する51.5~53kgは【1-3-0-63】で複勝率6.0%と悲惨。軸に据えるには危険だ。今回は頭数が少なく条件馬も混じって軽ハンデの馬が多いが、その取捨が非常に重要になる。中~重斤量の馬から流していく馬券を組み立てたい。


ハンデお手頃、近走の内容が悪くない4歳馬から

◎メイショウチタン
直近2走はOP特別で4、3着。先行して伸びるも善戦止まりだが走破時計は非常に優秀。4走前の阪急杯も1分19秒台の決着と速い時計の出るレース経験が豊富。レシステンシアやクリノガウディーなど、他の馬と比べて戦ってきた相手が強豪揃い。それら相手に先行してきた経験がここで活きてくる。ハンデは出走馬の中では重い部類に入ったが54kgはトップハンデのタイセイビジョンとは3kg差でむしろ恵まれたと考える。雨も問題無く、中穴人気程度で落ち着きそうで非常に面白い1頭。

◯タイセイビジョン
前走は後方から伸びず大敗したものの、展開が全く向かなかったため度外視。今回は先行策をとる傾向の強い川田騎手に乗り替わって変わり身に期待したい。1200m戦は2年ぶりで忙しいと思われるが、斤量や年齢のデータ上は買える馬。

▲ヨカヨカ
前走葵Sは中団から良く伸びるも2着惜敗。2勝を挙げる小倉で行われるのはプラスだが、先述したように3歳馬の成績が悲惨。勝ちきるために逃げの手に出る可能性はあるが、詰めの甘さから最後あっさり交わされても不思議では無い。

△ピクシーナイト
NHKマイルカップは大外枠から自らハナを切るも、前半3ハロン33.7のハイペースで逃げてしまい失速。気性が前向きすぎるので、距離短縮はプラスに働くだろう。落ち着いて走れたら能力は高いものの今回は同型が多く、掛かる可能性がある。メンバーに条件馬が交じるなど相手に恵まれた分着順は上がるが、不利なデータが揃ってしまった。4番手。

消アウィルアウェイ
重賞馬でGⅠ・3着もあるため上位人気必至だが持ち時計が平凡。また重賞で好走したレースが全てモズスーパーフレアによる超ハイペースによって展開に恵まれたもの。斤量は55.5kgで好走率の高いゾーンに入ったものの、昨年のこのレースでは55.5kgを背負って前半3ハロン33.5の平均ペースから伸びきれず7着。逃げ馬同士で競り合ってくれない限り好走、特に連対は厳しいか。馬連で勝負するなら消し。

馬券は馬連でメイショウチタン軸の流しとメイショウチタンの単勝。特に単勝の方は自信度が高いためより厚く購入する。重賞を制覇して是非秋の大舞台に進んで欲しい。(文:福山)

予想印
◎メイショウチタン
◯タイセイビジョン
▲ヨカヨカ
△ピクシーナイト

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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