【ラジオNIKKEI賞】春の開催中止で例年より先行有利？　福島コースを味方にできそうな有力候補は

2021/07/01 11:00

三木俊幸

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この記事のレース

ラジオＮＩＫＫＥＩ賞

GⅢ

7月4日(日)　福島11R

春の開催は中止

今週から開幕する夏の福島開催。今年の春は地震の影響で開催することができず、そして今開催もスタンドの修復工事が必要なため無観客開催となる。そうした状況で行われるのは3歳馬によるハンデ戦、ラジオNIKKEI賞（GⅢ・芝1800m）。昨年はバビットが逃げ切り勝ち、その後セントライト記念を勝利している。

今年のレースを占うにあたり、まずは馬場状態と過去の傾向について見ていきたい。昨秋の開催終了後に傷んだ箇所の蹄跡補修と洋芝の追加播種が行われ、芝のクッション性確保のためのエアレーション作業も実施された。春の開催が中止となった分、例年よりも良い状態でレースが行われそうだ。

過去5年のラジオNIKKEI賞で3着内に入った馬の脚質を見ると、対象馬15頭中4角3番手以内だったのは8頭。開幕週らしく先行有利の傾向もある一方で、4角8番手より後ろだった馬も6頭いることから、差し馬にも警戒したい。

発表ほど悪い馬場ではなかった？

また参考データとして、2020年に稍重で行われたラジオNIKKEI賞の週（2回福島1、2日）の含水率と、クッション値も含めて発表されるようになった3回福島開催の数値から、昨年夏の福島開幕週がどれくらいの馬場だったのか分析してみた。

2回開催1日目は、土曜朝の時点でゴール前の含水率13.0%の重馬場。2日目の日曜日は13.4%で同じく重馬場でスタートしたが、一つ前の10Rから稍重に回復していた。

時期等も違うので単純に比較することはできないが、3回福島開催でゴール前の含水率が13.9%と高めだった2日目と4日目、クッション値はそれぞれ8.3、8.5でともに良馬場発表だった。このことからも、昨年夏の開幕週も開始時点の重発表ほど悪い馬場ではなかったと言えるだろう。

レース当日は雨の可能性

気になる天気だが、今週末にかけてスッキリしない空模様が続き、レース当日も雨の可能性が高まってきた。道悪への適性も考慮しつつ注目馬をピックアップした。なお、特に注目したい本命候補には馬名の前に☆をつけている。

【☆ボーデン】
前走のスプリングSは重馬場で4番手からレースを進め、3着。しかし差し馬有利の流れだったこと、勝ち馬ヴィクティファルスは共同通信杯で2着とレベルの高いレースでも結果を残していたこと、ボーデン自身も未勝利戦を1:45.2という好タイムで勝利していることを考えると能力は高い。

【リッケンバッカー】
勝ち上がるまでに時間を要したが戦ってきた相手もそれなりに強かった。2走前は重馬場で4角7番手から差して2着となっており、道悪は問題なし。前走は馬券圏内にはわずかに及ばなかったが、4着と健闘した。しかし今回はハンデ56kg、小回りよりは広いコース向き、距離延長もプラスとは言えない点から少し割引きたい。

【☆シュヴァリエローズ】
皐月賞は大敗したが、萩Sでは青葉賞馬ワンダフルタウンを負かすなどそれなりのメンバー相手に戦ってきた実績がある。切れる脚が使えるタイプではないので、速い上がりが求められない福島コースは歓迎。雨は歓迎とは言えないが、ある程度の位置からロスなく運べれば、上位にくるだろう。

【☆プレイイットサム】
2走前の未勝利戦は逃げ切り、前走の山藤賞は中団追走から早めに動く競馬で勝利するなど脚質に自在性がある。距離は2000mくらいあった方がいいタイプだが、パワーとしぶとさがあるので、福島コースは合いそう。雨で馬場が悪化すればするほどチャンスが生まれると考える。

【ジュンブルースカイ】
前走で1勝クラスを勝利したばかりだが、萩Sではシュヴァリエローズの2着、東京スポーツ杯2歳Sではダノンザキッドの3着という実績がある。後方からレースを進めるタイプなので、展開の助けが必要だが差し馬ならこの馬に注目したい。

【ロードトゥフェイム】
この馬も不良馬場の若竹賞を勝利しているように、道悪が得意。スプリングSでは8着に敗れたが、−12kgと馬体減の影響があったとも考えられる。馬場が悪化すれば巻き返しがあっても不思議ではない。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。