ルメール騎手が月間20勝の活躍で年間100勝にリーチ!横山和生騎手は弟・武史騎手と1勝差に迫る【6月終了時点での騎手リーディング】

三木俊幸

6月終了時点での騎手リーディングⒸSPAIA

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ルメール騎手が川田騎手との差を広げる

先週末の開催をもって、2021年上半期の競馬が終了。今週末からは福島、小倉、函館と3場ともローカル開催の夏競馬となる。その前に6月の開催8日間におけるリーディング上位騎手の成績、そしてメモリアルな記録達成のニュースについて振り返っていこう。

6月終了時点での騎手リーディングⒸSPAIA


リーディングトップは変わらずルメール騎手。月間20勝をあげる活躍で今年の勝利数は早くも99勝、年間100勝にリーチがかかっている。また日別の勝利数を見ると、2→1→3→2→4→4→1→3で半分にあたる4回、1日3勝以上の活躍。

その一方で重賞ではエプソムC10着(1番人気)、ユニコーンS13着(1番人気)など人気に応えられず大敗するレースもあったが、最終週の宝塚記念をクロノジェネシスで勝利している。

2位の川田将雅騎手も日別の成績では3→3→3→1→1→3→3→1、1日3勝以上の回数はルメール騎手を上回る5回と素晴らしい活躍だったが、プラス18勝で年間79勝。5月終了時にルメール騎手とは18勝差だったが、20勝まで広がってしまった。

さらに川田騎手から16勝離された63勝で3位となっているのは福永祐一騎手。前半は1日に複数の勝利をあげることはできなかったが、最終週は土曜日が3勝、日曜日が2勝で合計5勝の活躍。得意の夏競馬を目前にして調子を上げてきた。

4位の松山弘平騎手は2週目に6勝の固め打ち。一時は福永騎手と勝利数で並ぶところまでいったものの、未勝利の日も4日間あったこと、そして最終日の宝塚記念当日は新馬戦で放馬した馬に絡まれて負傷、その後のレースを全て乗り替わるなどツキにも恵まれなかった印象がある。

5位も前月と変わらず吉田隼人騎手だった。6月は札幌を中心に騎乗していたが、思ったほど勝ち星は伸ばせず、6勝の上積みに止まっている。

また賞金ランキングでは4位に横山武史騎手がランクインしている。3週間の札幌開催では最多となる7勝をマークするなど、昨年飛躍した夏の北海道開催で今年もさらなる活躍が期待される。

すでにキャリアハイを更新

その他6月に達成されたメモリアルな記録についても見ていくと、まず6月5日の東京1Rでは平沢健治騎手がJRA通算100勝を達成。現在は障害レースのみ騎乗しているため記録達成までに21年を要したものの、近年はコンスタントに活躍している。今年はここまで32戦に騎乗し、複勝率50.0%という素晴らしい成績を残している。馬券を買ううえでも押さえておかなければならない存在だ。

2週目の6月13日には横山和生騎手がJRA通算200勝を達成した。ここまで41勝で関東リーディング2位の弟、武史騎手のほうに注目が集まりがちだが、気がつけば兄も1勝差の40勝まで接近。すでに勝利数はキャリアハイ更新となっている。

3週目にはマーメイドSでシャムロックヒルに騎乗した藤懸貴志騎手が重賞初制覇を達成。騎乗数は少ないものの、今年はオークスでも16番人気のハギノピリナで3着になるなど、たびたび人気薄で穴をあける存在だった。コツコツ地道に努力してきたことが報われるのは、本人はもちろんのことファンにとっても非常に嬉しい出来事だったと言える。この勝利をきっかけに更なる飛躍を期待したい。

そして最終週の6月26日、札幌3Rでは川又賢治騎手がJRA通算100勝を達成した。今年はここまで6勝のみと勝利数を伸ばせていないが、2019年以降は毎年最も多くの騎乗依頼を受けている吉村圭司厩舎の管理馬での記録達成は、本人だけでなく厩舎にとっても嬉しいものとなっただろう。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。

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