【ラジオNIKKEI賞】リッケンバッカーは危険? 内枠ならロードトゥフェイムの一発に期待 覚えておくべきデータ
勝木淳
内枠、ハンデ53~55キロが狙い
夏の福島開幕週は毎年恒例、3歳限定のハンデ戦ラジオNIKKEI賞。かつては3週目だったが、2013年から開催日割が変更され、開幕週に移った。梅雨時にあたる夏の福島は馬場状態の維持が難しく、かつてラジオたんぱ賞だった時代は、02年カッツミーなど荒れた馬場と思わぬハイペースから追い込みが決まることもあった。
開幕週に移ったことで波乱要素は少なくなったものの、小回り福島のハンデ戦という条件とあって、ちょっとしたことで波乱は起こる。ここでは中山に振り替えられた11年を除く、過去9年間のデータをもとに傾向をつかんでいく。
大きく崩れはしないが、1番人気は【2-3-0-4】勝率22.2%、複勝率55.6%と微妙なライン。2番人気【3-0-0-6】勝率33.3%までは信頼してもよさそうだが、3番人気【1-0-0-8】、4番人気【0-1-0-8】など上位人気は評価しにくい。
一方、8番人気【2-1-0-6】勝率22.2%、複勝率33.3%、9番人気【0-2-2-5】複勝率44.4%など伏兵も活発。この辺りをどう馬券に組みこむか。12年16番人気3着オペラダンシング、13年14番人気2着カシノピカチュウなど最近は減少傾向だが、大穴の一発も警戒したい。
3週目だった12年を除く、開幕週に移った13年以降8年間の枠番別成績をみよう。1枠【2-1-1-9】勝率15.4%、複勝率30.8%、2枠【2-2-3-6】勝率15.4%、複勝率53.8%など3枠以内が【4-4-5-26】。6~8枠は【3-3-2-40】なので、内枠が優勢。開幕週に移り、こうした傾向も頭に入れておきたい。ちなみに1枠は単回収率186%、複回収率140%で、2枠は単53%、複182%。穴も内枠からよく出るので、警戒したい。なお7枠は単52%、複42%、8枠は単27%、複68%なので、外枠の穴馬は狙いにくい。
バリバリの実績馬が出走するケースは少ないが、57キロは【0-0-0-3】と不振。56.5キロ【1-0-0-0】はプリンシパルS1着から直行した15年アンビシャス。56キロ【1-0-1-14】などハンデを課される実績馬は基本的に厳しい。
一方で52キロ以下は【0-0-1-21】でこちらもイマイチ。牝馬【0-1-0-18】や明らかな格下馬も好走できない。53キロ【1-2-5-29】勝率2.7%、複勝率21.6%、54キロ【5-3-2-31】勝率12.2%、複勝率24.4%、55キロ【1-4-0-8】勝率7.7%、複勝率38.5%あたりが好走ゾーン。オープン実績は乏しいが、1勝クラスを突破したような馬が有利であることがわかる。
前走重賞組からはロードトゥフェイム
それではここからは前走クラス別成績から各クラスの好走傾向を探っていくことにしよう。
前走GⅠ組は【0-3-2-15】、複勝率こそ25%とそこそこだが、勝ち馬は出ていない。3歳GⅠといえば、クラシックとNHKマイルC。どれも生涯一度しか出走できない舞台であり、当然かなり仕上げた状態でレースを迎える。その反動からラジオNIKKEI賞でさらにパフォーマンスをあげられないケースが目立つ。NHKマイルC4着リッケンバッカー、皐月賞11着シュヴァリエローズなど単勝狙いは危険か。前走GⅡ【2-0-0-13】も含め、重賞組の傾向を掘り下げる。
前走重賞組の着順別成績をみると、重賞で5着以内だった場合は【0-0-0-6】と好走がない。前記のリッケンバッカーにはさらに厳しいデータだ。前走重賞で6~9着だと【2-2-0-10】勝率14.3%、複勝率28.6%。ここが狙い目で、スプリングS8着ロードトゥフェイムが合致する。ただし、10着以下は【0-1-2-17】なので好走もあるが、確率的にはリスクも大きく、シュヴァリエローズ以下皐月賞組は狙いにくい。
では前走1勝クラス【3-4-4-44】勝率5.5%、複勝率20%など斤量面で好走パターンにはまりそうな条件戦組はどうだろうか。
こちらは前走条件戦1着が【3-4-3-41】と好成績。さすがに前走条件戦で負けた馬は厳しい。と言いつつ、前走条件戦6~9着は【1-0-2-3】と成績がいい。だが、これはすべて前走2勝クラスだった。そこまで多くないレアケースではあるが、該当馬が登録してきたら警戒したい。
前走条件戦の距離についてのデータをみると、前走が1800mだと【2-1-1-16】勝率10%、複勝率20%。同距離だった馬の成績がよさそう。だが、1800m超【1-2-2-15】(該当馬タイソウ、プレイイットサムなど)も悪くない。1800m未満は【1-1-3-21】(該当馬デルマセイシなど)とほかの二つよりは若干低めだ。
最後に15年アンビシャスのような前走がプリンシパルSだった馬【2-0-1-8】について。今年も4着ヴァイスメテオールら複数がエントリーしているので、着順別成績をみよう。ここは連勝を飾ったアンビシャスやプリンシパルS3着だったゼーヴィントの上位好走組と、同17着から巻き返した15年12番人気3着マルターズアポジーが出ている。極端で取捨選択が困難だが、今年は前記ヴァイスメテオール(4着)とスペシャルドラマ(6着)。中途半端に負けた組で、このゾーンに入る馬はいない。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース公式コメンテーターを務める。
《関連記事》
デアリングタクト、コントレイルも敗戦の春競馬 「雨の日の競馬は荒れる」は本当なのか
トップはキタサンブラックの18億7684万円 アーモンドアイは何位?競走馬JRA獲得賞金ランキング
上手な付き合い方のコツは?ルメール騎手の「買える、買えない条件」
おすすめ記事