【宝塚記念】クロノジェネシス、7年ぶりファン投票1位馬の勝利なるか? 春のグランプリは牝馬決戦!

SPAIA編集部

2021年宝塚記念ファン投票結果ⒸSPAIA

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ファン投票1位はクロノジェネシス

2021年、上半期の競馬も最終局面のグランプリ・宝塚記念を迎える。当初は昨年の三冠牡馬・牝馬のコントレイルやデアリングタクトも出走を表明していたが、それぞれ疲労と故障により回避。グランプリ3連覇のかかるクロノジェネシス、ここまで無敗の6連勝を続けるレイパパレの2頭が中心のレースとなる情勢だ。

有馬記念とならぶ「春のグランプリ」として行われる宝塚記念、やはり外せないのがファン投票の話題だ。といっても、宝塚記念に関しては創設以来3度しかフルゲートになった例がなく、優先出走権という部分は形骸化しているのが実態だが、ともかく上位の面々を見ながら有力馬を紹介していこう。

2021年宝塚記念のファン投票結果ⒸSPAIA



13万7448票を獲得してファン投票1位に選ばれたのが、昨年の宝塚記念勝ち馬であり、有馬記念と合わせてグランプリ3連覇がかかるクロノジェネシス。これまでにGⅠ・3勝を挙げている5歳牝馬だ。

今回は3月に行われたドバイシーマクラシック以来の出走。実は、前走がドバイ遠征だった馬から宝塚記念の勝ち馬はこれまで出ていない。単に同年ドバイ遠征した馬の勝利、ということだと07年にドバイデューティーフリーを勝ったアドマイヤムーンが、間に香港GⅠを挟むという、より過酷なローテーションで宝塚記念を勝っている。もし勝てばそれ以来、14年ぶりの快挙となる。

宝塚記念ファン投票1位馬とその成績ⒸSPAIA



また、宝塚記念は梅雨時、2200mという微妙な距離設定も作用して、波乱の多いレースとして知られている。ファン投票1位の馬が順当にレースも1着で駆け抜けるのはたやすいことではない。昨年、一昨年は1位のアーモンドアイが回避しているが、20年2位ラッキーライラック、19年2位レイデオロがやはり敗れている。

14年にゴールドシップが勝ったのを最後に、ファン投票最上位馬は15着、3着、9着、6着、5着、6着と大苦戦している。クロノジェネシスはダブルのジンクスを跳ね返せるだろうか。

今年は牝馬決戦

ファン投票2位の三冠馬コントレイル、3位の天皇賞(春)勝ち馬ワールドプレミアは回避、出走する中での次位は4位のレイパパレとなる。デビューから無敗の6連勝で前走のGⅠ・大阪杯を勝った4歳、こちらも牝馬だ。

上位10頭の顔ぶれをみると、5位グランアレグリア(回避)、6位カレンブーケドール、7位デアリングタクト(回避)、9位ソダシ(回避)と、過半数6頭が牝馬となっている。一昨年ごろから芝の中距離戦線では牝馬が強い時代と言われてきたが、ファン投票結果も正にその時勢を反映したものとなった。

ちなみに、宝塚記念は創設以来長らく牝馬の勝利がなく、初勝利が第46回、05年のスイープトウショウだった。ところが、ここ5年ではマリアライト、リスグラシュー、そして昨年のクロノジェネシスと牝馬が3勝を挙げている。

そんな牝馬決戦、第3の勢力がファン投票6位のカレンブーケドール。なんとレースに出走するファン投票上からの3頭がいずれも牝馬ということになる。ジャパンCでの2着など、GⅠで4度の馬券圏内、重賞で6度の2着という実力がありながら、1着は生涯で2回しかないという個性派だ。今回こそ白星を、と意気込んでいることだろう。

そのほかにもファン投票8位、長らくGⅠ戦線を賑わせてきた古豪、7歳牡馬のキセキ、JRA最低馬体重勝利記録を持つメロディーレーン、白毛馬のシロニイ、昨年はジャパンCとチャンピオンズCを連闘して話題になったヨシオなど、「人気者」が多数出走のメンバー構成となった。

古くは杉本清アナの「あなたの、そして私の夢が走ります」という名台詞で彩られた宝塚記念。個人的には雨馬場での消耗戦にめっぽう強いモズベッロと、グランプリ男・池添謙一騎手のコンビに注目している。


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