【マーメイドS】攻略難易度MAXのハンデ重賞 「軽ハンデ・軽斤量」で輝く騎手は?

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一筋縄ではいかないハンデ重賞
今週日曜は阪神競馬場を舞台に、牝馬ハンデ重賞のマーメイドSが行われる。実績で上回るオープン馬から軽量の下級条件馬までどの馬にもチャンスがあり、例年一筋縄ではいかないレースだ。難易度の高さは中央重賞全体でもトップクラスだろう。
来週に控える春の大一番・宝塚記念が終われば、本格的に夏競馬がスタート。ハンデ重賞が数多く設定される季節を前に、軽ハンデ馬の扱いを把握しておくことが的中の鍵となるだろう。今週のコラムでは「軽量で好成績を残しているジョッキー」をチェック。思わぬ人気薄から高配当を手にし、真夏を左うちわで暮らすためのデータを調査した(2016年以降のレースが対象)。
数少ない横山典弘×軽量を見逃すな

<52kg以下の騎乗成績(関東所属)>
戸崎圭太【44-21-12-71】勝率29.7%/連対率43.9%/複勝率52.0%
横山典弘【20-7-6-57】勝率22.2%/連対率30.0%/複勝率36.7%
丹内祐次【10-8-7-73】勝率10.2%/連対率18.4%/複勝率25.5%
※2016年以降
今回は軽ハンデの定義を「52kg以下」として、東西別に騎手成績を確認していく。まずは関東のジョッキーから。
ぶっちぎりの安定感を誇るのは戸崎圭太騎手。全体成績で単勝回収率が117%あるので、52kg以下の馬に乗っていた場合は無条件で買うぐらいの心構えでいいだろう。馬券的に熱いのは前走から斤量減となる馬に乗る場合で、単勝回収率が145%までアップ。昨年のラジオNIKKEI賞でディープキング(5番人気)を3着に導いた際も前走から1kg減だった。手頃な人気で単勝を買い、おいしい配当を手にしたい。
大ベテラン・横山典弘騎手は勝率2割超えが光る。そこまで騎乗数が多いわけではないが、いざ軽量で臨んでしまえば5番人気程度の馬なら勝たせてしまう。この決め手が単勝回収率230%という驚異的な数値につながっており、馬券的見地からは戸崎騎手よりも頼りになる。マーメイドSでは人気薄が予想されるクラヴェルに騎乗予定だが、前走のシドニーTでは秋華賞3着馬ソフトフルートに0.2秒差4着と差のないところを見せており、3kgもの斤量差が生まれる今回、好騎乗による逆転も夢ではない。
先日、ウインキートス(52kg)で目黒記念を制した丹内祐次騎手もピックアップ。短い距離よりも長い距離で結果を出しており、1600m以上では単勝回収率269%と心強い。また前走でも手綱を取った馬では【6-5-3-27】と複勝率が3割を超えてくるため、この2条件が重なったら馬券をしこたま買いたい。
川田将雅は間違えない

<52kg以下の騎乗成績(関西所属)>
川田将雅【20-12-4-25】勝率32.8%/連対率52.5%/複勝率59.0%
北村友一【21-11-6-67】勝率20.0%/連対率30.5%/複勝率36.2%
藤岡康太【10-17-12-93】勝率7.6%/連対率20.5%/複勝率29.5%
松山弘平【11-6-6-62】勝率12.9%/連対率20.0%/複勝率27.1%
※2016年以降
関西ではこの斤量での騎乗がないルメール騎手に代わり、川田将雅騎手がトップ。連対率52.5%が示す通り、人気馬はとにかく堅実、間違いのない好騎乗を決めてくる。おおむね実力上位の3歳牝馬が対象で、黙って連軸に据えるのが吉だろう。その他福永祐一騎手やデムーロ騎手といったあたりも着実な仕事ぶりが目立つ。
乗り替わり時で単勝回収率189%、「軽斤量版・必殺仕事人」と呼びたいのが北村友一騎手。全21勝のうち15勝が該当しており、勝率は2割オーバー。さらに4番人気以内に限定すると【11-6-4-10】複勝率67.7%となる。ある程度の支持を集めての鞍上チェンジがおいしいポイントで、サマーシリーズまで覚えておきたいデータだ。
軽ハンデでキレ味を全開させるのが藤岡康太騎手。前走上がり3ハロン2位以内だった馬では【4-7-4-19】と半数近い馬を3着以内に持ってくる剛腕ぶり。該当条件を芝に限定すると単複回収率が100%を超えるのも強みだ。
最後に松山弘平騎手。全体成績は藤岡康騎手と大差ないものの、阪神競馬場では【0-1-2-23】とすこぶる相性が悪いことに注意したい。
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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