【エプソムC】内から6頭目より外が伸びる馬場 穴候補は同コースの外差し馬場で勝利歴あるヒュミドール
三木俊幸
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差し有利の傾向は変わらず
安田記念が終わり、春の連続GⅠ開催が終了したが東京開催はまだ続く。今週末はエプソムC(GⅢ・芝1800m)が行われる。開催が進み馬場状態に変化は見られるのか、出走馬の適性も踏まえて馬場傾向の観点から分析・予想していく。
先週は金曜日に18.5mmの雨量を計測。土曜日は稍重スタートだったが、クッション値9.3、ゴール前の含水率16.6%と良馬場に近いコンディションだったため昼過ぎには良馬場へと回復。安田記念当日は午前中に雨が降って馬場悪化が心配されたが、午後には晴れ間も覗いて終日良馬場でレースが行われた。
東京の芝コースで行われた11レースのレース結果から傾向を振り返ると、土曜日に行われた1400m戦の2勝クラス由比ヶ浜特別は1:20.1、日曜日の安田記念は1:31.7と速いタイムの決着。上がりタイムについても同様で、安田記念の勝ち馬ダノンキングリーは33.1、2着グランアレグリアは32.9と速いタイムが計測されていた。
3着内に入った馬33頭の通過順位を見てみると、4角3番手以内が4勝と先行馬の粘り込みもあったものの、中団より後ろからレースを進めた馬が13頭馬券に絡んでおり、全体的には差し有利の傾向だった。
その他、顕著な傾向として取り上げておきたいのは、内を開けるレースが多かったということ。土曜日の後半のレースでは内から4〜7頭分を開けており、その上で外を通った馬が差し切るケースが多く見られ、11レース中8レースの勝ち馬が内から6頭目より外を通って勝利している。
レース当日は執筆時点では曇り予報となっているが、天気は下り坂に向かっており、雨が降ることも想定しておかなければならない。雨が降って道悪になった場合はさらに外を通った馬が有利という傾向が強く見られるだろう。
差し馬を中心にピックアップ
エプソムC出走馬の中で今回ピックアップしたのは6頭。現時点で特に注目したい馬には☆をつけている。
【☆アルジャンナ】
前走のマイラーズCはハイペースとなった中、10番手追走から追い込み2着。しかしスムーズに進路を取れず、ゴール前で他馬と接触する場面もあった。1800mへの距離延長も全く問題なく、今の馬場状態も合っている。
【ザダル】
2走前の関越Sでは上がり32.8で勝利するなど、瞬発力を問われる舞台を得意としている馬だが、器用に立ち回れるタイプではないので、外差し有利の馬場は歓迎。良馬場の方が良いが、雨が降っても多少ならこなせるだろう。
※【フランツ】
前走は3角から動いていき、ゴール前で交わされたが2着に粘った。12走前と古いデータだが、東京芝1800mで1:44.4という好タイムで勝利した実績もある。近走内容から当時ほどの切れ味を感じないだけに一雨あったほうが良さそうだが、乗り方次第でチャンスはあると考える。
【ファルコニア】
3歳春までは切れる脚を使える印象はなかったものの、前走は好位追走から32.5の上がりを使って勝利。瞬発力勝負にも対応してみせた。先週末も先行しながら直線で外へと持ち出して好走する馬がいたので、先行して馬場の良いところを選んで走れば粘り込みもありえる。
【ヤシャマル】
現在3連勝中と勢いに乗っての重賞挑戦。33秒前半の切れる脚も使えるが、馬体を併せる形になっても怯まない勝負根性もある。高速決着への実績がない点は不安要素ではあるが、このメンバーならやれても不思議ではない。
【☆ヒュミドール】
近走は長距離戦を使われることも多いが、5走前のノベンバーSは今回と同じ東京の1800mで勝利。外差しが決まる馬場でのものだった。今回はそれ以来となる東京の中距離戦。条件変わりで巻き返しがあっても良い。
※フランツは除外の可能性あり
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。
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