【安田記念】グランアレグリア向きの「差し有利・高速馬場」　不安要素は中2週のローテーション

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日本ダービーは2:22.5の高速決着

日本ダービーは壮絶な戦いとなり、最後の1完歩でシャフリヤールが前に出た。これがダービーを勝つために必要な運なのか、改めてそう思わせるほど際どかった。敗れたエフフォーリア陣営、そして騎乗していた横山武史騎手にとっては悔しいハナ差だったが、この悔しさを晴らす機会はきっと近いうちに訪れるに違いないだろう。

今週末は、東京の5週連続GⅠ開催を締めくくる安田記念が行われる。前走のヴィクトリアマイルでは力の違いを見せつけたグランアレグリアが人気の中心となるメンバー構成。最強牝馬を逆転できる馬はいるのか、馬場適性の観点から分析していく。

先週末は木曜日に27.5mmの雨が降ったが、金曜日の時点で良馬場発表。土曜日はクッション値9.6・ゴール前含水率14.8％、日曜日はクッション値9.7・ゴール前含水率13.6%となっていた。数値からは硬くもなく柔らかくもなく、程よいクッションが効いている馬場だったと言える。

芝コースで行われた11レースの結果から傾向を振り返ると、日本ダービーが2:22.5とレースレコード決着。速い時計が出やすい馬場コンディションだった。上がりタイムにおいても同様のことが言え、11レース中8レースの勝ち馬が上がり33.9以下。

スローペースだったとは言え、日曜日の最終レースに行われた目黒記念を勝利したウインキートスは2番手追走から32.5をマークするなど、6頭が32秒台の上がりでまとめた。

先週末からCコースになったこともあり、先行馬も少しは残ることができるかと思っていたが、3角3番手より前から3着内に好走した馬は33頭中わずか6頭のみ。春の東京開催を通じて言えることだが、差し有利の傾向が続いており、先週末はより顕著に表れていた。

昨年は中2週でアーモンドアイが敗れる

週末にかけての天気予報を見ると、金曜日にまとまった雨予報が出ている。しかしその後は今のところ雨は降らない見込みで、日曜日には良馬場に回復しているだろう。そうした点も踏まえて、5頭をピックアップ。特に注目したい3頭には☆をつけている。

【☆グランアレグリア】
前走のヴィクトリアマイルは中団追走から、上がり32.6と1頭抜けた末脚を披露して4馬身差の完勝。牝馬同士なら当然とも言える結果だった。昨年2着に敗れたアーモンドアイと同様に同馬も間隔を開けて使われてきた馬なので、初の中2週のローテーションだけが不安要素ではある。しかし引き続き東京の高速馬場、絶対的な強さを誇るマイル戦なら、そう簡単には負けないだろう。

【☆インディチャンプ】
近3戦は1400m以下を使われて3、4、3着と善戦しているが、レースの流れに乗り切れていない印象も受ける。それだけに2度GⅠを制しているマイル戦に戻るのは歓迎材料。グランアレグリアを逆転するまでは厳しいが、今回も上位に好走する可能性は高い。

【サリオス】
前走の大阪杯はタフな重馬場が堪えて最後止まってしまった。2走前のマイルCSは後方からのレースとなり、大外を回す展開で掲示板に乗るのが精一杯だったが、流れに乗れていれば上位と接戦だったはず。スムーズなら巻き返しがあってもいい。

【シュネルマイスター】
大接戦となったNHKマイルCは道中9番手から差し切り。それまでのレースとは一変し1:31.6という速いタイムで結果を残した点は評価したいが、ハイペースで瞬発力勝負にならなかったことが味方したとも見て取れる。斤量54kgではあるが、今回は相手強化でより瞬発力が求められるだけに、克服しなければならない壁は多い。

【☆カテドラル】
以前は安定感に欠けたが、近2走はともに後方からしっかりと伸びて2着と安定して良い脚を使えるようになってきた。相手強化と展開に注文はつくが、馬群を割ってくることもできるタイプなので、ハマれば馬券圏内への好走があっても不思議ではない。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。

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