【安田記念】ハイブリッド式消去法でインディチャンプは消去!確実に残るのはグランアレグリアとシュネルマイスター

八木遊

2021年安田記念の消去法データインフォグラフィックⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『日本ダービー』は5番人気のワンダフルタウンで勝負するも、速い時計に対応できず、10着に敗れた。勝ったシャフリヤールと3着ステラヴェローチェはどちらも消しており、結局5月のGⅠを的中なしで終えた。

今週は春のマイル王決定戦『安田記念』。中2週で臨むグランアレグリアは消去を免れることはできるだろうか。今週も過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を消していく。

『キャリア16戦以上』×『休み明け4戦目以上』★0.0%★

最初にキャリアを取り上げる。具体的には、すでに16戦以上走っている“中堅”以上の馬だ。過去10年の成績は【4-3-7-90】(複勝率13.5%)で、16戦未満の26.7%に比べると信頼度は低い。特に休み明け(中9週以上)4戦目以上と使い詰めで安田記念を迎えた場合は、【0-0-0-37】(同0.0%)で、好走例は皆無だった。

今年この条件に当てはまったのは4頭。昨秋からコンスタントに使われ、これが休み明け7戦目のケイデンスコールなどが消去対象となった。

【今年の該当馬】
・カデナ
・ギベオン
・ケイデンスコール
・トーラスジェミニ

『前走から距離延長』×『前走初角7番手以内』★0.0%★

続いては前走からの距離変動に注目。距離延長組は過去10年で【5-3-1-38】(複勝率19.1%)と悪くない。好走・凡走の分かれ目は前走レースでの位置取り。最初のコーナーを7番手以内で通過していた馬は【0-0-0-24】(同0.0%)で好走例はなかった。一方、同8番手以下は【5-3-1-14】(同39.1%)と好走率が非常に高い。

今年これに当てはまったのは1頭だけ。前走の京王杯SCで2番手追走から抜け出したラウダシオンだ。このコースでGⅠを勝った実力馬だが、思い切って消しという判断を下したい。

【今年の該当馬】
・ラウダシオン

『前走馬体重490kg未満』×『前走馬体重減』★2.9%★

3つ目は前走レース時の馬体重を取り上げる。安田記念はある程度、馬格がある馬の好走が多い。前走馬体重(データがない前走海外の馬を除く)が490kg以上の【6-9-6-69】(複勝率23.3%)に対し、490kg未満は【3-1-3-61】(同10.3%)。中でも、後者の馬が前走時にマイナス馬体重なら、【0-0-1-33】(同2.9%)。3つ目の消去条件としてこの組み合わせを採用する。

この条件にあてはまるのは5頭。インディチャンプ、カテドラル、ダノンキングリーの3頭が新たに消えた。

【今年の該当馬】
・インディチャンプ
・カテドラル
・(ケイデンスコール)
・ダノンキングリー
・(トーラスジェミニ)

『非一口馬主クラブ』×『前走8番人気以下』★5.3%★

4つ目のデータは、馬主を取り上げる。隆盛を誇る一口馬主クラブ(オーナーズ含む)とそれ以外の2つに分類すると、安田記念では前者が【6-6-7-97】(複勝率16.4%)、後者が【4-4-3-37】(同22.9%)と一口馬主クラブの方が複勝率は高い。非一口馬主クラブの凡走パターンは前走の人気が低いとき。8番人気以下という低評価を受けていた馬は【0-0-1-18】(同5.3%)で、安田記念での好走は1例だけだった。

4つ目の消去条件に当てはまったのは3頭。新たにダイワキャグニーとビッククインバイオの2頭を消去する。

【今年の該当馬】
・(カデナ)
・ダイワキャグニー
・ビッククインバイオ

『前走上がり4位以下』×『今回奇数馬番』★2.6%★

最後は、前走の上がり3ハロンタイムの順位に注目。前走で4位以下の上がりタイムしか出せなかった馬は過去10年で【2-4-4-76】(複勝率11.6%)とやや苦戦傾向。ただし、安田記念で偶数馬番を引き当てれば、その成績は【2-4-3-39】(同18.8%)と平均を上回る複勝率をマーク。一方で、奇数馬番だと、【0-0-1-37】(同2.6%)と対照的。前走上がり4位以下の馬は、ゲート先入れの奇数馬番は避けたいところだ。

残っている5頭の中で、今年これに該当する可能性があるのはカラテとサリオスの2頭。そして、前走が上がり時計未発表の香港Cだったダノンプレミアムは前々走の天皇賞(秋)の上がり時計を採用。その時は4位以下だったため、4つ目の条件に当てはまる可能性を残す。枠順が発表された時点でこの3頭の取捨を決めたい。

【今年の該当候補】
・カラテ
・サリオス
・ダノンプレミアム

最終的に全ての消去データをくぐり抜けたのは、グランアレグリアとシュネルマイスターの2頭。今のところ54kgで出走できるシュネルマイスターに大きな魅力を感じている。馬番次第の3頭がそろって奇数を引き当てた場合は、2頭の馬連1点で勝負したい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(5月30日時点の回収率は32.3%)。

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