【日本ダービー】エフフォーリアは枠次第で「消し」 ハイブリッド式消去法が導き出した2頭の本命候補とは

八木遊

過去10年の日本ダービー『関西馬』かつ『騎手乗り替わり』の成績インフォグラフィックⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『オークス』、1番人気ソダシの3着以内は堅いとみたが、まさかの8着。結局、○▲のタテ目をくってしまった。

今週は待ちに待った競馬の祭典『日本ダービー』。人気の中心は皐月賞を制したエフフォーリアで間違いないが、いったいどんな結末が待っているのだろうか。今週も過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を消していく。すでに回避が決まっているダノンザキッドを除く17頭を対象に予想していきたい。

『社台系生産』×『前走6番人気以下』★2.9%★

まずは生産者別のデータから始めたい。予想に反して、ダービーでは非社台系生産馬が健闘している。過去10年の成績は【5-2-3-67】(複勝率13.0%)で、社台系生産馬の【5-8-7-82】(同19.6%)と大きな差はない。ここは思い切って社台系生産馬から消去対象を探したい。

目を付けたのは前走の人気だ。5番人気以上だった場合の【5-7-7-49】(同27.9%)に対し、前走6番人気以下は【0-1-0-33】(同2.9%)。この条件に当てはまった馬を消去対象とする。

今年この条件に該当したのは3頭。いずれも皐月賞で人気以上に好走した馬たちだ。過去10年の傾向から、ダービーでは好走の可能性が低いとみて、バッサリ消去する。

【今年の該当馬】
・グラティアス
・ステラヴェローチェ
・ヨーホーレイク

『関東馬』×『前走0秒5以上の差で負け』★3.8%★

続いては過去10年で【2-4-5-49】(複勝率18.3%)の関東馬から消去対象を探した。注目したのは前走時の着差だ。前走で勝利を収めた関東馬は【1-2-2-14】(同26.3%)、0秒4差以内の負けなら【1-2-2-10】(同33.3%)といずれも好走率は高い。しかし、前走0秒5以上の差で負けていた馬は【0-0-1-25】(同3.8%)だった。

前走0秒5以上の差で負けていた関東馬は3頭。消去済みのグラティアスに加えて、皐月賞2着馬タイトルホルダーとタイムトゥヘヴンも消しとしたい。

【今年の該当馬】
・(グラティアス)
・タイトルホルダー
・タイムトゥヘヴン

『母父ND系』×『前走人気<前走着順』★4.2%★

3つ目は血統に注目した。取り上げるのは母父がノーザンダンサー(ND)系の馬だ。過去10年の成績は【3-5-2-55】(複勝率15.4%)で平均的な数字だ。しかし、母父ND系の馬の前走が『人気<着順』の場合、その成績は【0-1-0-23】(同4.2%)と信頼度はガクンと落ちる。

この条件で消えたのは毎日杯1番人気2着のグレートマジシャン、皐月賞4番人気9着のヴィクティファルス、そしてNHKマイルC3番人気で競走中止のバスラットレオン。この3頭が消去リストに加わった。

【今年の該当馬】
・グレートマジシャン
・バスラットレオン
・ヴィクティファルス

『関西馬』×『騎手乗り替わり』★4.3%★

2つ目のデータで関東馬を取り上げたが、関西馬にも複勝率10%未満の消去条件に当てはまる組み合わせが存在する。それが前走と違う騎手が乗る関西馬だ。そもそもダービーでは鞍上乗り替わりの馬は【0-1-3-57】(複勝率6.6%)と絶不調。これを東西別で見ると、関東馬の【0-0-2-13】(同13.3%)に対し、関西馬は【0-1-1-44】(同4.3%)。条件の複勝率10%を割り込んだ関西馬を消去対象としたい。

現時点で騎乗予定の騎手を基に、6頭が該当。人気上位が予想されるシャフリヤールとディープモンスターなどが消えた。最後の条件を前に残ったのは、エフフォーリア、サトノレイナス、バジオウ、そしてワンダフルタウンの4頭となった。

【今年の該当馬】
・アドマイヤハダル
・シャフリヤール
・ディープモンスター
・(ヨーホーレイク)
・ラーゴム
・レッドジェネシス

『美浦所属騎手』×『今回馬番14~18番』★0.0%★

最後は、過去10年で【1-4-5-62】(複勝率13.9%)という美浦所属騎手を取り上げる。組み合わせる条件はダービーでの馬番だ。基本的に内枠有利と言われるダービー。馬番が1~13番の馬は【1-4-5-38】(同20.8%)と高い複勝率を残している。一方、14番から外に収まった場合は【0-0-0-24】(同0.0%)で、3着以内は一度もなかった。

残っている4頭の中で美浦所属騎手が騎乗予定なのはエフフォーリアとバジオウ。もしエフフォーリアが14番から外の馬番を引き当ててしまった時は、思い切って「消し」としたい。

【今年の該当候補】
・エフフォーリア
・バジオウ

サトノレイナスとワンダフルタウンはともに栗東所属騎手が騎乗予定で、消去を免れることが確定。たとえエフフォーリアが1~13番を引き当てたとしても、「◎」はサトノレイナスかワンダフルタウンのどちらかに打つつもりだ。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(5月23日時点の回収率は34.4%)。

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