【葵S】6月デビュー馬がPOG戦線も締めくくる! 覚えておきたいデータと浮上する大穴馬とは?
SPAIA編集部
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「スプリンターのダービー」?
2021年5月29日に中京競馬場で行われる葵Sは、3歳限定の芝1200mで行われる重賞だ。といっても、注目度でいえば残念ながら翌日の日本ダービーの足元にも及ばないだろう。
3歳スプリンターの受け皿として、元々京都の芝1200mでこの時期に行われていたオープン特別「葵S」の名を冠した新設重賞が設けられたのが2018年。通常、新設重賞は2~3年間「格付けなしの重賞」として施行されたのち、GⅢやGⅡといったグレードを得るのだが、なんと葵Sはレーティング、すなわちレースレベル不足のため、「日本グレード格付け管理委員会」なる組織に申請を却下されたという。
そんな事情で今年も(重賞)という珍妙なグレードで開催される葵Sだが、1着賞金は3800万。競馬ファンの間で親しまれるPOG(ペーパーオーナーゲーム)は多くの場合、3歳ダービーを終点にしているため、この葵Sも最終週に入る。この3800万円はバカにできない。筆者の友人の団体でも、モントライゼの動向次第で順位変動があるようだ。
今回は同名・同条件のOP特別「葵S」も含めた過去10年のデータを参考に、3歳スプリンターにとってのダービーともいえるこのレースを分析していこう。
波乱の可能性高い
まずはオーソドックスに人気別成績から。1番人気は4勝、5連対とまずまず安定。ただ、2番人気がわずか2連対で、3番人気に至っては3着すらない。6番人気【0-3-2-5】の中位人気や、8・9番人気3勝、10番人気以下でも8頭が馬券に絡んでおり、波乱度は強めのレースとなっている。穴狙いに軸足を置くのがいいだろう。
続いて前走クラス別。出走数自体が少ないものの、8戦2勝で勝率・連対率トップなのがGⅡ組。フィリーズレビュー6着のクープドクールあたりは気になる存在だ。勝率・連対率の次点がOP・リステッド組で、1勝クラス、GⅢ、GⅠからの臨戦はいずれもやや低調。
主要路線に限って前走レース別の成績も見てみる。このレースの前哨戦的な立ち位置にある橘S組が【4-4-2-28】と数、率ともに上々。距離短縮で目覚めたダディーズビビッドは有力だ。
対照的に、モントライゼやアスコルターレが該当するファルコンS【1-0-1-15】、ヨカヨカの桜花賞【0-1-1-10】は意外なほど結果が出ない。レースレベルという観点ならまず間違いなくこちらが上なだけに、ついつい過信してしまわないよう気を付けておきたい。
そのほか、気になるデータとしては大型馬の活躍が目立つ。馬体重500キロ以上なら【3-2-1-9】で回収率も単226%、複466%と穴が出る。各馬適性を探っている段階だけに、明らかに馬格があって筋骨隆々なスプリンターがいれば、それだけで狙ってみるのも面白い。
「葵Sから葵Sへ」
最後に、冒頭で少し触れたPOGと絡めてデータを調べてみた。
近年、活躍馬のトレンドとなっているのが6月デビュー。「ダービーからダービーへ」のスローガンとともに新馬戦の開幕がダービー翌週になって以降、早期デビューで賞金を加算、そこからはゆっくりと成長を促しながら進める有力馬が増えた。
ダービーと同週に行われる葵Sにも影響があるのか、2歳6月デビューだった馬は【4-5-4-24】で連対率24.3%。それ以外が【6-6-5-92】の同11.0%だから、早期に始動したアドバンテージは1年を経たここでも生きているようだ。
ちなみに、回収率で比較しても6月デビューが単155%、複318%と圧倒的。昨年の1、2着ビアンフェ、レジェーロや、一昨年13番人気2着アスターペガサス、18年9番人気1着ゴールドクイーンなど、近年特にこのパターンが成功している。
要点をまとめると、「6月デビュー」「大型馬」「前走OP・L、またはGⅡ」、そして人気薄なら妙味あり、といったところか。
強力データの6月デビュー馬だとモントライゼ、アスコルターレ、ヨカヨカなどもいるが、これらは前走ファルコンS、桜花賞という点が微妙。人気にもなりそうで穴狙いという方針に照らしてもイマイチ。同じく人気にはなりそうだが、ダディーズビビッドは橘S組という点が強調材料になる。
波乱度が高い、という点を重要視するならば、面白そうなのがリメス。6月の函館でデビュー、GⅢの函館2歳Sでも6着と善戦。前走のOP・昇竜S大敗はダート、芝の同距離だった2走前マーガレットSは最初の800m43.8秒という逃げを打って、さすがにペースが速すぎた格好の0.5秒差7着。上位人気になりそうな馬との比較でも、この条件ならそこまで力差はないだろう。
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