【新潟大賞典】これ以上ない展開でつかんだ重賞V! サンレイポケットの適性と今後狙えそうな馬

勝木淳

2021年新潟大賞典のレース結果ⒸSPAIA

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マイル戦と同じペースだったマイスタイル

4月からロングラン開催になった新潟の芝は、開催中の雨にも祟られ、厳しい状態が続く。それでも新潟大賞典の勝ち時計は1分59秒3。そう簡単にへこたれないのも新潟の芝だ。

時計のカギを握ったのはマイスタイル。19年函館記念で前後半1000m59.8-59.8という精緻なラップを刻んだ。その秋マイルチャンピオンシップでは前後半800m47.2-45.8というスローペースを演出。控える競馬も試みたが、裂蹄で1年休養した前走ダービー卿CTでは久々に逃げ、前半800m45.6、1000m通過57.1のハイペースを演出しながら4着とまだまだ力があるところを披露した。

2000mに距離を延ばした新潟大賞典でも外枠から軽快に飛ばした。向正面直線部分を目一杯使う新潟芝2000mは、曲線部分を利用したペースダウンがしにくい。前半800m45.5、1000m通過57.1と、マイル戦だった前走とほぼ同じペースを刻んだ。

さすがにオーバーペースで、最下位に沈んだが、勝ったサンレイポケットにとっては願ってもない展開になった。左回りの2000mに限れば、デビュー以来、2、1、1、3、2、6着。3着以下はGⅡ金鯱賞しかない。この条件では堅実な反面、オープンではあと一歩足りなかった。走破時計はだいたい1分59秒台。今回の勝ち時計1分59秒3はサンレイポケットにとってストライクゾーン。適性もペースもすべてがかみ合った条件をモノにしたわけだが、それでも勝てないときがあるのが勝負の世界。

馬場読み名人・鮫島克駿とサンレイポケットの生命力

これ以上ない条件できっちり勝たせた鞍上の腕が光った。ローカルの馬場読み名人・鮫島克駿騎手が狙ったコースを走らせた。内枠だったこともあり、大外に持ち出すのではロスが大きくなる。まして外目は必ずライバルたちが狙ってくる。サンレイポケットならこなせるはずだと、馬場の真ん中あたり、ギリギリ馬場状態がいい部分を狙った。予想通り、外から攻めたポタジェ、トーセンスーリヤ、ボッケリーニを最後にしのいだのは、鮫島克駿騎手の戦略あってのものだ。

サンレイポケットは4戦目の城崎特別で競走中止。その際に骨盤骨折という大けがを負った。人間でも治療に大変な箇所だが、筋肉をつけることでそれを克服した。関係者の努力もあっただろうが、そこにサンレイポケットの生命力が加わった。6歳で手中に収めた重賞タイトル、馬と関係者を称えたい。

夏に狙いたい馬、タッグとは

2着は1番人気ポタジェ。またも1番人気は勝てなかった。06年オースミグラスワンが勝って以来、15連敗。立ち位置的に微妙なローカル重賞だからこそ、事前評価が結果に結びつかないわけだが、前走GⅡでデアリングタクトと0.1差だったポタジェも負けた。当面、連敗は続きそうだ。レース運びは悪くなく、手応えの割に最後はボッケリーニやトーセンスーリヤを競り落とせたように状態は間違いなくよさそうで、チャンスはすぐ回ってきそうだ。

3着は日経新春杯以来だった7番人気サトノソルタスが同じ位置にいたトーセンスーリヤを競り落とした。マイスタイルが単騎で飛ばした流れを3番手で追走、昨年の金鯱賞のようなしぶとさを見せた。近走は後ろからの競馬が多かったが、こういった強気な競馬が合う。ベテラン秋山真一郎騎手と堀宣行厩舎は、最近、あまり見ない組み合わせだが、06~07年ごろビーナスラインやジョリーダンスなどで穴を多く開けたコンビ。19、20年は年間3回にとどまったが、この好走で今後、再びタッグを組む機会が増えそうだ。

4着9番人気トーセンスーリヤは昨年の勝ち馬。今年は不良馬場だった福島民報杯(新潟)で3.7差8着から巻き返した。やはりこのコースは合うようだ。サトノソルタスと同じく3番手追走から止まりそうで止まらなかった。もう少し馬場がよければ、もっとやれただろう。先行力とバテない強みが武器で、夏のローカル重賞で狙いたい。


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース公式コメンテーターを務める。

2021年新潟大賞典のレース展開インフォグラフィックⒸSPAIA



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