【京王杯SC】ラウダシオンもいいが、狙ってみたいのは8歳の大ベテラン! 当日まで覚えておきたいデータ
勝木淳
1番人気は【2-0-0-8】と頼りない
安田記念の前哨戦である京王杯SCは芝1400mで行われる。安田記念で前走京王杯SC組は【2-3-1-30】、ここ3年間は3着以内馬ゼロと取り扱いが難しい。これは東京芝1400mがペース次第で問われる適性が変化するからだ。前半がスローペースになればスプリント寄りのスピード馬が強く、ミドルペース以上の厳しめの流れになると、マイルに適性がある総合力タイプに軍配があがる。
19年タワーオブロンドン、20年ダノンスマッシュとスプリントチャンピオン級が勝利。前後半600mは19年34.2-33.9、20年35.2-33.1と後傾ラップだった。レース攻略のカギは展開が握っている。展開面も含め、過去10年間のデータをもとに分析する。
1番人気は【2-0-0-8】と頼りない。勝ったのは13年ダイワマッジョーレと19年タワーオブロンドンのみ。昨年のダノンスマッシュは2番人気、こちらは【2-2-4-2】と堅実。馬券の軸としては頼りになる。4番人気【3-1-1-5】、7番人気【0-2-2-6】とホットスポットがあるという点も特徴として覚えておきたい。
4歳【3-0-4-32】勝率7.7%、複勝率17.9%、5歳【4-4-4-35】勝率8.5%、複勝率25.5%が主力世代だが、6歳【1-3-2-36】、7歳【1-2-0-17】、8歳以上【1-1-0-8】とベテランも侮れず、馬券のどこかに組み入れておきたい。
今年も狙いは高松宮記念組
4歳ラウダシオンやタイセイビジョン、5歳ミッキーブリランテらが中心でよさそうだが、6歳トゥラヴェスーラ、8歳セイウンコウセイなど幅広く検討する必要がある。ここからは前走クラス別成績から好走パターンをあぶり出していきたい。
目立つのは前走GⅠ【4-1-3-28】勝率11.1%、複勝率22.2%、GⅢ【4-6-3-37】勝率8%、複勝率26%、3勝クラス【1-1-1-12】勝率6.7%、複勝率20%あたり。この3つについて掘り下げよう。
前走GⅠ組の内訳をみると、高松宮記念【4-1-3-25】勝率12.1%、複勝率24.2%が大半を占める。今年も人気のラウダシオン(14着)や4着トゥラヴェスーラ、9着セイウンコウセイら複数がエントリー。ここはきっちり分析したい。
高松宮記念での着順別成績を出すと、3着以内【1-0-0-3】、6着以下【3-1-3-22】。前者の好走例は17年高松宮記念3着レッドファルクスが勝利したのみ。今年は3着以内馬はおらず、ラウダシオン、ミッキーブリランテら二桁着順だった馬が多く、好走条件に合致する。
前走東京新聞杯【2-3-1-0】は必勝データながら、今年は該当なし。今年使えそうなデータとしてはダービー卿CT【2-2-2-19】(ショウナンライズら)ぐらいか。京都牝馬S【0-1-0-0】、オーシャンS【0-0-0-3】、京都金杯【0-0-0-1】はサンプル数が少なく、判断しにくいところだが、展開次第でスプリンターが浮上するレースであっても、オーシャンS組はGⅡ京王杯SCでは格下感があるか。
ビオグラフィーやエングレーバーなど3勝クラスを勝った馬もいるので、前走3勝クラスについて、距離別にみていく。前走1400m【0-1-1-6】、1400m超【1-0-0-3】がよく、1400m未満は【0-0-0-3】と苦戦。前走1200mだったビオグラフィーより前走1400mだったエングレーバーを評価したいが、確率面から強調しづらい。
今年の出走予定馬を見る限り、ハイペースになるとは考えにくく、ゆったりとしたペースが予想される。そうなれば、スプリント戦線を戦った馬、なかでも先行型が優位になる。高松宮記念組が多く、取捨選択に迷うところだが、8歳でもまだまだ先行力があるセイウンコウセイが面白い。昨年の京王杯SCではダノンスマッシュと0.3差の5着。高松宮記念では上位人気が予想されるラウダシオンには先着した。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。
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