【天皇賞(春)】ハイブリッド式消去法で残ったのは3頭だけ! 当日馬体重がポイントとなる“特注馬”は?

八木遊

過去10年の天皇賞(春)『4歳馬』かつ『前走で人気より上の着順』の成績ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週予想したのは『フローラS』だった。消去を免れたユーバーレーベン、スノーハレーション、そしてオメガロマンスの3頭で勝負したが……。本命ユーバーレーベンは3着を確保するも、人気薄の2頭はともに2桁着順に沈み、出口の見えないトンネルの中でもう1週間過ごすことになった。

今週はもちろん天皇賞(春)を予想する。今年は阪神競馬場で開催されるが、いつも通り過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消していく。

『前走GⅢ以下』×『前走から斤量増』★0.0%★

まず取り上げたいのは前走クラス。基本的にはGⅠかGⅡ組が強く、GⅢ以下からの参戦だと、【0-1-0-32】(複勝率3.0%)と壊滅的だ。唯一の馬券圏内は2015年に2着したフェイムゲーム。その時はダイヤモンドS(GⅢ)1着からの参戦で、前走と同斤量の58kgを背負っての激走だった。前走GⅢ以下、かつ前走から斤量増の馬は過去10年で【0-0-0-27】(同0.0%)と、全て4着以下に沈んでいる。

今年登録がある17頭のうち、このデータに当てはまったのは4頭。56kgを背負ってダイヤモンドS2着のオーソリティなどが消去対象となった。

【今年の該当馬】
・オーソリティ
・ディアスティマ
・ディバインフォース
・メロディーレーン

『7歳以上』×『休み明け3戦目以降』★0.0%★

続いては年齢に注目した。7歳以上の高齢馬は【0-1-3-37】(複勝率9.8%)。この時点で消去条件を満たすが、ハイブリッド式ではもう一つの要素を掛け合わせて、さらに絞り込みを図る。2つ目に選んだのは休み明け3戦目以降という条件。この組み合わせに該当した14頭は全て馬券圏外に敗れている。

このデータに当てはまったのは7歳馬の2頭。シロニイは、この7か月間で7戦目。ジャコマルはこの半年間で6戦目を迎える。どちらも前走GⅡで掲示板を確保しているが、さすがにこのメンバーに入ると厳しいだろう。

【今年の該当馬】
・シロニイ
・ジャコマル

『4歳馬』×『前走人気>前走着順』★5.9%★

続いても年齢から消去データを探った。注目したのは4歳馬だ。伸び盛りの4歳馬は過去10年で【4-2-4-37】(複勝率21.3%)。ただし、前走で人気以上の着順に入っていた馬は【1-0-0-16】(同5.9%)と苦戦傾向にある。

今年の4歳馬5頭のうち、前走人気以上の走りを見せたのは3頭。阪神大賞典で3番人気1着のディープボンド、日経賞で4番人気1着のウインマリリンが当てはまった。ディープボンドは1番人気の可能性もありそうだが、前走の圧勝でやや過大評価になっている。妙味的にもここは思い切って消しとしたい。

【今年の該当馬】
・ウインマリリン
・ディープボンド
・(ディアスティマ)

『前走4角7番手以下』×『今回4番人気以下』★3.8%★

4つ目のデータは、前走4コーナーの通過順に注目した。6番手以内で4角を通過した馬は過去10年で、【10-6-7-81】(複勝率22.1%)。一方、7番手以下だと、【0-4-2-55】(同9.8%)。その差は実に2倍以上。ただし、後者でも本番で3番人気以上に支持されていれば、【0-3-1-4】(同50.0%)と好走例は多い。一方、4番人気以下は、【0-1-1-51】(同3.8%)で馬券に絡む確率は低くなる。

ここまで消去を免れてきた9頭の中で前走4角7番手以下だったのは4頭。おそらく最終4番人気以上の支持を集める馬はいないだろう。ばっさり消去することになりそうだ。

【今年の該当候補】
・ゴースト
・ナムラドノヴァン
・マカヒキ
・ユーキャンスマイル

『非社台系生産』×『今回馬体重4kg以上の増減』★4.7%★

最後は、当日の馬体重増減が関わるので、レース1時間前まで保留となる。5つ目の消去条件で扱うのは、過去10年で【5-1-4-80】(複勝率11.1%)という非社台系生産馬。前走からの馬体重増減が2kg以下(+2kg、増減なし、-2kgのいずれか)だった時は【4-1-3-39】(同17.0%)と好走もあるが、4kg以上の増減があった場合、その成績は【1-0-1-41】(同4.7%)まで落ち込む。

未消去のうち、非社台系生産馬は以下の3頭。ナムラドノヴァンは4つ目のデータで消去が確実だが、オセアグレイトとメイショウテンゲンの取捨は当日の馬体重次第となった。

【今年の該当候補】
・オセアグレイト
・ナムラドノヴァン
・メイショウテンゲン

5つの消去データを全てクリアしたのは、アリストテレス、カレンブーケドール、そしてワールドプレミアの3頭。珍しく上位人気馬だけが残る結果となった。今年の天皇賞(春)は平穏な結果となるのか。最終的にこの3頭だけなら、馬連ボックスと3連複1点で勝負したい。ただし、オセアグレイトとメイショウテンゲンが5つ目の消去条件を免れることになれば、3連単の3着付けで高配当を狙いにいく。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(4月25日時点の回収率は43.1%)。

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