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【マイラーズC】直近2走は「復活」ではなく「本格化」 京大競馬研の本命はケイデンスコール

2021/04/24 09:00
京都大学競馬研究会
前走が2桁人気1着だった馬の重賞成績ⒸSPAIA

安田記念の前哨戦

4月25日に阪神競馬場でマイラーズカップ(GⅡ)が行われる。前走フェブラリーS2着のエアスピネルや好走続くケイデンスコール、金鯱賞で大穴をあけたギベオンなど不振から復活した馬が安田記念に向けて参戦した。

不振から復活した馬の走りが本来の実力通りの走りなのか、それとも一度きりのフロックなのか。このような馬をどう扱うべきなのか、人気薄で激走した馬の次走成績を調べた。

過去10年の重賞・前走二桁人気で勝った馬の成績ⒸSPAIA


過去10年の重賞で、前走が2桁人気で1着だった馬について調査した。戦績は【7-13-12-168】で勝率3.5%、連対率10.0%、複勝率は16.0%だった。また単勝回収率は85%で複勝回収率は88%。重賞全体での単勝、複勝回収率がともに73%であることを考えると悪くない数値となっている。さらに、激走した次のレースで5番人気以内に支持された馬に絞ると【2-6-4-16】、複勝率は42.9%で、単勝回収率こそ44%と芳しくないものの複勝回収率は122%に跳ね上がる。そのため複勝系であれば買うべき対象になる。

前走中山記念を5番人気で連対したケイデンスコールも先述した28頭の内の1頭で、平地重賞では2014年エルムSで連対したクリノスターオー(平安S12番人気1着→エルムS5番人気2着)以来の連対だった。クリノスターオーはその後シリウスSを勝ちダート重賞で多数好走した。ケイデンスコールも前走で京都金杯の勝ちがフロックではないことを証明したと言えるだろう。

パワーアップして帰ってきた

◎ケイデンスコール
前走中山記念は最後の追い比べで負けて2着も、逃げ馬の後ろから良く伸びる勝ちに等しい内容だった。昨年までは後方からの競馬しか出来なかったが、今年になって前から5番手あたりを追走出来る先行力が身につき、良績のなかった右回りで結果を出した。京都金杯の勝ちがフロックか実力か、真価を問われた中山記念を良い内容で乗り切った当馬は、復活したうえに一段パワーアップして帰ってきたと言えるだろう。

今回は当馬よりも実績(重賞勝ち数)上位がエアスピネルしかおらず、メンバーにかなり恵まれた。アドマイヤマーズと僅差の競馬が出来ていた馬なので、今のこの馬なら安田記念の叩きであっても勝てるだけの力はあると考えた。

○ボンセルヴィーソ
前走ダービー卿CTは追い込み決着の中で4コーナー手前から追い通して3着に粘った。右回り重賞では【0-2-5-2】と大崩れしておらず、4年前の京成杯AHは展開が向かず、昨年のスワンSもGⅠ馬2頭を含む好メンバーの中、0.5秒差の負けにとどめている。賞金を最後に積んだのが昨年のダービー卿CT。1年経過してレース選択に影響が出始めるので、ここに向ける本気度は高いはず。走っても人気しない馬でオッズ妙味がある。

▲カイザーミノル
前走オーシャンSで初重賞出走、初1200mと厳しい条件ながら、先行して5着に粘った。阪神で2勝をあげており、得意コース・走り慣れた距離に戻るにもかかわらず人気は集まらなさそう。大穴として推奨する。

△エアロロノア
昨年12月から条件戦を3連勝、阪神コースでは2勝を挙げており前走武庫川Sでは1分32秒1と持ち時計を大幅に更新した。勢いそのままに、今の時計の出る阪神コースでも十分戦えると考えた。

×ギベオン
今回が金鯱賞の走りがまぐれか実力か問われる一戦。左回りを得意とし、金鯱賞は誰も競りかけて来なかったりライバルが全馬8割の仕上げだったりと、展開以外にも恵まれたのは否めない。

しかし阪神コースで毎日杯2着の実績があり、当馬にとって阪神変わりがマイナスになることはない。5番人気あたりの人気が予想され、先述の【2-4-4-14】のデータに追加されそう。押さえは必要か。

×パンサラッサ
前走は消極騎乗で大敗したもので参考外、前に行ければ面白い1頭。

×ワールドウインズ
前走は稍重で切れ味をそがれた中で小差の負けにとどめている。大崩れなく走る安定性を評価。

消エアスピネル
5歳の秋以降芝のレースでは3角での位置取りそのままに流れ込むレースが増え、切れ負けが隠せなくなったためにダート転向している経緯がある。8歳馬は過去10年のマイラーズC(京都開催)で【0-2-0-16】と厳しい成績。また前走フェブラリーSで賞金を積んだので、今後のGⅠに向けてここはあくまで叩き。ひねくれた見方になるが、馬主がエアロロノアと比較してどちらに賞金を積ませたいか考えると後者だろうと考え、消し。

消アルジャンナ
前走洛陽Sは半年以上の休み明けで中団から32.8の上がりを使って5着。一見良さそうに見えるが、周りの馬も同じだけの末脚を繰り出しており、ダービー以降休んで18キロ成長させた割には内容の薄い競馬だった。4コーナーでは追っているにもかかわらず前と離されるシーンもありマイルは忙しい印象を受けた。東スポ杯で好時計の出るレースでは勝負にならないことを見せてしまい、今の阪神の馬場は合わない。ペースにゆとりの出来る1800mが理想で、毎年時計があまり速くならない傾向にあるエプソムCに出てきたら是非買いたい。

今回はケイデンスコールを軸に馬連で勝負。相手に人気薄が多く馬連でも高配当が期待できる。

マイラーズC
◎ケイデンスコール
○ボンセルヴィーソ
▲カイザーミノル
△エアロロノア
×ギベオン
×パンサラッサ
×ワールドウインズ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。




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