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【フローラS】内枠優勢も、前走重賞組は10年で未勝利 東大HCの本命は2戦2勝のオヌール

2021/04/25 06:00
東大ホースメンクラブ
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前走1勝クラス・GⅢから勢いある馬を重視

4月25日(日)に東京競馬場で行われるフローラS(GⅡ・芝2000m)。2着馬までにオークスの優先出走権が与えられるトライアルレースに17頭が集結した。昨年の本レースを勝利したウインマリリンはオークスで7番人気ながら2着と好走。ここで結果を残した馬は本番において桜花賞組に対する新興勢力として期待される。

人気の中心は、昨年阪神JFでソダシとサトノレイナスに迫ったユーバーレーベンや、2週間前に阪神牝馬Sを勝ったデゼルの全妹で2戦2勝のオヌール。ただフローラSは過去10年で二桁人気馬が7頭も馬券に絡んでおり、平均馬連配当も16,400円と波乱傾向が強いレース。今年は人気通りに決着するのか。はたまた下位人気に甘んじた馬の激走があるのか。今週もデータを踏まえて検討しよう。


過去10年フローラS前走クラス別成績ⒸSPAIA


まず過去10年のフローラSにおける前走クラス別成績から。今年のレースに該当馬が多い東京・中山のGⅢ組は【0-4-4-26】と馬券に絡むことは多いものの、意外にも勝利はない。また3番人気以内の馬でも【0-4-1-6】と人気馬の取りこぼしも多く、軸にするのはオススメしない。さらに、この臨戦過程から馬券に絡んだ8頭はいずれも前走で6着以内と結果を残していた。重賞で全く歯が立たなかった馬は軽視が妥当で、今年でいえばグローリアスサルム、スライリー、ルースはヒモにすら入れない方針で行きたい。

対照的に好調なのが前走1勝クラス組。7勝を挙げ、出走頭数が最多にもかかわらず複回収率は171%と大幅黒字である。どうしてもGⅢ組が人気するため、オッズ的に過小評価される馬が多いということだろう。

この組で注目すべきは前走1・2着馬。前走1着馬は【6-2-0-12】で連対率は40%と抜群の成績を残しており、前走2着馬も【0-2-2-10】で複勝率では前走GⅢ組を上回る。勢いのある馬にとってはこの時期のクラスの壁はそう厚くない。2勝馬であるオヌールやパープルレディー、前走でアカイトリノムスメの2着に敗れたメイサウザンアワーは評価を上げるべきだろう。


アタマで狙えるのは4枠まで

過去10年フローラS枠順別成績ⒸSPAIA


次に枠番別成績をみてみる。スタートしてすぐに2コーナーがあるコース形態らしく、5枠~7枠が苦戦気味で回収率も低調。しかしなぜか大外8枠の成績は優秀で、14年から隔年で馬券に絡んでいる。回収率が高いのは二桁人気馬が2度激走しているためで、目をつけた穴馬が収まったなら狙う価値は十分ある。ただ昨年8枠16番からフアナが3着に好走しており、「隔年で好走」というオカルトを貫くならば今年は見送るべきか。

話が逸れてしまったが、全体的な傾向を考えるとやはり本命は内目の枠から選ぶべき。ロスなく進められる点はやはり大きなアドバンテージで、好位から速い上がりを使って差し切るのが好走パターンとなっている。特に優秀なのが2枠で、複回収率36%こそ低いものの、18~20年の勝ち馬は全て2枠から出ている。


今週も無敗馬が重賞制覇

本命は4枠8番オヌール。全姉のデゼルと同様に傑出した瞬発力の持ち主で、スローペースからの末脚比べとなったアルメリア賞を勝利。枠も真ん中の4枠8番、大きな不利になることはない。またキャリア2戦以内の馬が【1-0-1-33】と大苦戦であるが、前走馬体重が420kg以下の馬に限れば【1-0-1-2】と、小柄なこの馬には適した臨戦過程。馬券に絡んだ2頭はともに関西馬であり、小型馬だから輸送が…という心配も無用だ。

対抗は2枠3番ユーバーレーベン。札幌2歳S(3着馬のバスラットレオンはGⅡ・NZTを勝利)や阪神JFなどのハイレベルなレースで結果を残しているように実力は世代屈指。この馬にとってマイル戦は忙しく、距離が伸びて追走が楽になるのはプラス。勝ちを十分に狙える2枠をゲットしたものの、やはりGⅢ組が勝ち切れていない点が気がかりで対抗までとした。

3番手に4枠7番メイサウザンアワー。一頓挫あって5か月ぶりの実戦となるが、調教の動きからは久々でも勝負になりそう。前走の勝ち馬が桜花賞4着のアカイトリノムスメであったことを考えると、2着という結果も仕方がない。開幕週の馬場を味方につけてロスの少ない競馬ができれば粘りこむ余地はある。

4番手に5枠9番パープルレディー。オヌール同様2勝馬で、ゆりかもめ賞は直線で外から蓋をされて追い出しを待たされる不利がありつつも勝利。陣営も2000m以上にこだわっており、臨戦過程に不安はない。ただ5枠からは過去10年で勝ち馬が1頭も出ておらず、今回はヒモにとどめた。

以下、相手は1枠1番ウインアグライア。前走OP組の成績は散々であるが、好枠をゲットした以上馬券に組み入れる必要がありそう。データ的には波乱傾向が強いレースであるが、今年は人気通りの堅い決着とみた。

▽フローラS予想▽
◎オヌール
○ユーバーレーベン
▲メイサウザンアワー
△パープルレディー
×ウインアグライア

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。




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