【アーリントンC】見えてきたホウオウアマゾンの「守備範囲」 本番の穴候補は2、3着馬

SPAIA編集部

2021年アーリントンCの結果ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

本番で穴を出すレースに

4月17日に行われたアーリントンCはNHKマイルCの前哨戦。かつて2回の阪神開催開幕週に組まれていた時代にはミッキーアイルやタニノギムットなどが制したレースだが、本番まで2か月以上空く施行時期のため、ステップレースとしてはやや浮いた存在だった。

18年から現行の、皐月賞週の開催に移行。結果、近3年は本番で連対馬こそ出ていないが、レッドヴェイロン、カテドラル、ギルデッドミラーが中穴で3着になっており、存在感アップに一定の効果は出ているといえるだろう。

そのアーリントンC。今週も雨の中というコンディションの一戦で、人気は昨秋のデイリー杯2歳Sでレコードタイの2着があったホウオウアマゾン、シンザン記念を制したピクシーナイト、不良馬場の新馬戦を快勝、2戦目には上がり32.5の瞬発力を見せていたジャスティンカフェの3頭に集まった。

レースはピクシーナイトが前走に続く好発、ハナを切る。隣枠のホウオウアマゾンも無難にスタートを決め、2番手につけた。ジャスティンカフェは中団の外目。道中で12秒台を2回刻んだようにペースが落ちたため、先団馬群は密集する形。その中にリッケンバッカーとレイモンドバローズが位置取る。

直線はピクシーナイトの福永騎手が荒れた部分を避けて外に持ち出し、馬場の真ん中を使っての追い比べ。人気2頭の競り合いは意外にもあっさりと決着がついてホウオウアマゾンが早々に抜け出し、その後ろにできたスペースを通ってレイモンドバローズが浮上。

直線の入り口でやや不利のあったリッケンバッカーがこれを交わして2着に上がったが、ホウオウアマゾンとは1.1/4差と離れての入線だった。勝ったホウオウアマゾンは重賞初勝利、通算で3勝目。川田将雅騎手はこれで4週連続、今年早くも9個目の重賞勝利となった。

見えてきた好走パターン

ホウオウアマゾンはこれで6戦3勝、2着2回という戦績。唯一の9着大敗となった朝日杯FSは、前半3F33.7秒というペース。それまでの経験で最速が35.0秒だったこともあってか、道中は忙しかった。

今回の前半3Fは34.7秒。ミドルからやや遅めの流れを、馬なりで先行策という好走パターンがハッキリしてきた。GⅠの厳しい流れでは難しいタイプか…と思って調べてみると、NHKマイルCの過去10年で前半3Fが最速だったのは11、19年の33.9秒、中央値は34.4秒と意外に速くない。

本番のメンバー構成によっては、ホウオウアマゾンの守備範囲にぎりぎりかかってくる可能性もありそうだ。このあたりは登録馬が出てからもう一度考えたい。

2着リッケンバッカーは終わってから戦績を見れば納得。阪神マイルの未勝利戦で2度の2着をした際の勝ち馬はのちのファルコンS馬ルークズネストと、エルフィンS馬サルファーコスモス。先述のように、本番で穴を出すアーリントンCだが、対象馬は1着馬より2・3着馬。この馬とレイモンドバローズが有力候補となる。

ピクシーナイトは前走で破ったルークズネスト、バスラットレオンがそれぞれファルコンSとNZTを勝利。レベルの高いシンザン記念の勝者ということで期待はかかったが、好発から終始楽なレースぶりに映ったわりに、踏ん張り切れなかった。

とはいえ、瞬発力に長けたタイプではない同馬が、それでも引き付ける逃げを打ったのは本番に向けた教育的な意図もあったか。交わされてからも大きく止まったわけではなく、この1走で見限るのは早計だろう。

2021年アーリントンCのレース結果ⒸSPAIA


《関連記事》
トップはキタサンブラックの18億7684万円 アーモンドアイは何位?競走馬JRA獲得賞金ランキング
GⅡでの単回収率は128% 川田将雅騎手の「買える条件、買えない条件」
上手な付き合い方のコツは?ルメール騎手の「買える、買えない条件」

おすすめ記事