【皐月賞】ハイブリッド式消去法で3頭が浮上!エフフォーリア以上の気になる穴馬とは

八木遊

過去10年の皐月賞『前走が重賞以外』かつ『前走2番人気以下』の成績ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週予想した『桜花賞』は、3番手評価のソダシが優勝。本命サトノレイナスが2着に入った。しかし、3着のファインルージュは内枠に入ったため消しており、馬券的中はならず。皐月賞で挽回を期す。

今週も過去10年の皐月賞データから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップして、条件に当てはまった馬を消していく。今年は18頭が登録しているが、オーソクレースとボーデンが回避。他の16頭を対象に進めていく。

『前走非重賞』×『前走2番人気以下』★0.0%★

最初に取り上げるのは前走クラス。過去10年で前走重賞レース以外からの参戦は【0-2-1-43】(複勝率6.5%)と大苦戦。この時点で複勝率10%未満だが、ハイブリッド式ではさらに別の条件を重ね合わせる。今回はその前走の人気に注目。非重賞でも前走1番人気に支持されていれば、【0-2-1-8】(同27.3%)と平均以上の成績を残していた。一方、前走2番人気以下だと、【0-0-0-35】(同0.0%)と全滅。1つ目の条件として、これを採用する。

今年このデータに当てはまったのは2頭。アドマイヤハダルは、前走・若葉S(L)を3馬身差で圧勝したが、2番人気だったことが災い。C.ルメール騎手騎乗で上位人気となりそうだが、ここでは消去対象とする。

【今年の該当馬】
・アドマイヤハダル
・ルーパステソーロ

『非社台系生産』×『騎手乗り替わり』★3.7%★

続いては生産者別のデータを見ていきたい。皐月賞では社台系生産馬の複勝率19.8%に対し、非社台系は14.3%と大きな差はない。ただし、非社台系生産馬は鞍上の継続騎乗が好走の条件だ。前走と同じ騎手が騎乗していた時は【4-1-6-46】(複勝率19.3%)と好成績を残しているが、乗り替わりだと、【0-0-1-26】(同3.7%)。唯一の3着馬は、2015年の3着馬キタサンブラックだった。

現時点で判明している騎乗予定の騎手がそのまま乗った場合、この条件に当てはまるのは3頭。新たに消去対象になったのは、弥生賞勝ちのタイトルホルダーとすみれS勝ちのディープモンスターの2頭だった。これで16頭中4頭の無印が決定した。

【今年の該当馬】
・タイトルホルダー
・ディープモンスター
・(ルーパステソーロ)

『前走初角6番手以下』×『前走上がり3位以下』★3.8%★

3つ目のデータでは、前走の初角位置取りと上がりタイムの組み合わせで消せる馬を探した。前走で最初のコーナーを6番手以下で通過した馬は、皐月賞では【2-5-1-62】(複勝率11.4%)。このうち上がり2位以内の速い脚を使っていた馬は【2-5-0-37】(同15.9%)と合格点の数字を残していた。一方、上がり3位以下だと【0-0-1-25】(同3.8%)と大苦戦。前目の位置を取れない馬は、速い末脚を発揮できるタイプでないと皐月賞では厳しそうだ。

今年この条件に当てはまったのは3頭。朝日杯FSで2、3着に好走したステラヴェローチェとレッドベルオーブなどが消去対象となった。

【今年の該当馬】
・イルーシヴパンサー
・ステラヴェローチェ
・レッドベルオーブ

『前走から中6週以内』×『前走馬体重480kg以下』★5.1%★

続いては前走からの間隔と前走馬体重の組み合わせから。前走から中6週以内は対象馬の数も多く、【4-9-6-120】(複勝率13.7%)と平均を少し下回る程度である。このうち、前走馬体重が480kgを超える馬は【3-8-5-64】(同20.0%)と好成績を残していた。一方、480kg以下は【1-1-1-56】(同5.1%)で、480kgを境に大きな違いがあった。前走からある程度詰まった間隔で参戦する場合はそれなりの馬格が欲しい。

今年この条件に当てはまった5頭のうち3頭はすでに消去済み。新たにシュヴァリエローズとヴィクティファルスの2頭を消去対象としたい。

【今年の該当馬】
・(イルーシヴパンサー)
・シュヴァリエローズ
・(タイトルホルダー)
・(ディープモンスター)
・ヴィクティファルス

『前走2着以下』×『今回馬体重増』★3.6%★

最後は、前走着順と皐月賞当日の馬体重増減を組み合わせたデータを取り上げる。クラスにかかわらず前走2着以下に負けていた馬は、【2-3-5-93】(複勝率9.7%)で、この時点で複勝率は10%割れ。このうち皐月賞で馬体重が増えていた場合は【0-0-1-27】(同3.6%)と連対馬は出ていない。前走敗退組は馬体重を絞っての出走、もしくは増減なしが条件だ。

最後は当日の馬体重次第なので、レース1時間前まで消去対象馬が分からない。現在残っている7頭のうち、前走2着以下は次の4頭。もしプラス体重での出走なら、ばっさり消す予定だ。

【今年の該当候補】
・アサマノイタズラ
・ダノンザキッド
・ヨーホーレイク
・ワールドリバイバル

確実に5つの条件をクリアするのは、エフフォーリア、グラティアス、ラーゴムの3頭。最終追い切り、枠、そして当日の馬体重とパドックを見て最終的な判断を下したい。今のところ3頭の中で最も気になるのはオルフェーヴル産駒のラーゴム。これまで4戦して2勝2着2回と大崩れしておらず、軸には最適とみている。

あとは、馬体重を絞って出てきたときのダノンザキッドとアサマノイタズラにも期待したい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(4月11日時点の回収率は49.7%)。

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