【アンタレスS】マーチS組は過信禁物！ 5歳馬6勝、名古屋大賞典組が狙い　覚えておきたいデータとは

5歳馬6勝で断然

春の京都開幕週から阪神最終週へ、2012年からマイラーズCと入れ替わったアンタレスS。施行時期はわずか1週間の差、距離は同じダート1800ｍだが、阪神に移ったことで問われる適性は変化した。その9年間の勝ち馬にはホッコータルマエ、ナムラビクター、クリノスターオー、アウォーディー、アナザートゥルースなどパワフルなタイプが並ぶ。直近のJRAダート重賞マーチSとの関係も含め、阪神施行の過去9年間のデータを調べていこう。

1番人気は【4-1-1-3】勝率44.4%、複勝率66.7％。ハンデ戦のマーチSとは一転して1番人気は堅実、それも勝ち切る傾向が強い。2番人気【1-2-2-4】はやや頼りないものの、3番人気以内【7-5-6-9】で手堅い。気になるのは6番人気【2-1-0-6】勝率22.2%、複勝率33.3％。穴の基本は6番人気の単複ともいわれるほど的中率と回収率のバランスがいい。このレースの単複回収値も282、107。6番人気の成績がいいというのは穴党にとって頼もしい。

4～8歳まで勝ち馬、3着以内とも幅広く、ダート重賞らしい分布だが、5歳が【6-1-1-20】勝率21.4%、複勝率28.6％と突出した点には注意。6勝と勝率は群を抜く。1着候補は5歳から探すのもおもしろそうだ。

ちなみに5歳に限った前走レース別成績を出すと、名古屋大賞典【2-0-0-2】、仁川S【2-0-0-1】が有効か。平安S【1-0-0-0】は18年グレイトパールを指す。これは17年5月の平安Sから11カ月ぶり出走での勝利だった。今年はロードブレスが5歳、前走名古屋大賞典でここに当てはまる。

マーチS組で買える馬とは

では5歳に限定せず、全世代を対象に前走レース別成績を調べ、今年も上位馬の出走が多そうなマーチSとの関係なども掘り下げてみる。

全体の前走レース別成績でも名古屋大賞典が【4-3-0-6】勝率30.8%、複勝率53.8％で好相性。同レース3着以内だった馬は【3-3-0-5】なので、前記ロードブレスは有力候補だろう。

【2-0-0-12】と極端な仁川S組はモズアトラクションが予定しているが、仁川S経由馬は仁川S1着が【2-0-0-4】。3着だったモズアトラクションはデータ上では不安が残る。そして注目のマーチSは【0-2-4-50】、勝ち馬はゼロ、複勝率10.7％と厳しい数字が並ぶ。今年はマーチS上位馬がそろって出走予定のなか、この数字は見落とせない。上位人気に支持される馬もいるので、無視を決め込むわけにもいかず、好走ゾーンを探した。

ハンデ戦のマーチSと別定戦のアンタレスSでの斤量関係をみる。ちなみにアンタレスSはグレード別定で行われる。これは賞金ではなく勝利した重賞の格によって負担重量が増える仕組みだ。マーチSから斤量が増えた馬は【0-1-1-17】複勝率10.5%、同斤だと【0-1-0-17】複勝率5.6%。別定重量よりハンデが軽かった、もしくは別定重量と同じだった馬は苦戦する傾向がある。ハンデキャッパーのマーチSでの事前評価が低かった馬はアンタレスSで評価を下げようということだ。

マーチSより斤量が減った馬は【0-0-3-16】。連対こそないが、3着以内3頭を輩出、複勝率15.8％と同斤、増量組を上回る。単純に斤量が減る＝馬が走りやすく感じるという側面もある。ハンデキャッパーが別定重量よりハンデを背負わせた、いわゆる見込まれた馬であれば、アンタレスSで馬券に組み込んでもよさそうだ。

かしわ記念と両にらみのナムラカメタローは、マーチSから0.5キロ減の57キロで出走できる。ヒストリーメイカーらは同斤なので、出走するならナムラカメタローが狙える。マーチSでの着差別成績から好走ゾーンは同レース0.9差以内。ギリギリ許容範囲であと押しできる。もっとも、そもそもマーチS組は確率が低く、相性が悪いという点は忘れないでおきたい。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』（中央競馬ピーアール・センター）にて記事を執筆。

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