【桜花賞】白毛の女王ソダシを脅かす新興勢力の台頭は? 前哨戦分析からひも解く

坂上明大

2021年桜花賞の参考レースⒸSPAIA

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レースセンス抜群の2歳女王

牝馬クラシック第1戦・桜花賞。4戦全勝で阪神JFを制した白毛馬ソダシが中心ではあるが、年明けのステップレースでは新興勢力の台頭が目立った。混戦模様の有力馬を参考レースを振り返りながら整理していく。

【阪神JF】
11月終盤から降水量0mmが続き、本レース時は含水率の低い高速馬場。ポジションによる有利不利はなかったが、軽いスピードが要求される馬場状態であった。レースはトップスタートを切ったヨカヨカの逃げで前後半3F34.9-34.4の平均ペース。阪神芝1600mらしい全馬が力を出し切れる競馬であった。

1着馬ソダシは好位差しでの勝利。心身ともに同時期の牝馬としては完成度が高く、素晴らしいレースセンスを見せた。大幅な上昇は見込みづらいが、今回も崩れることなく上位争いに加わる一頭だろう。ちなみに、カメラアングルの関係でゴール前で差し返したという論調が多々見受けられるが、正しくはサトノレイナスがギリギリで追いついた形だ。

2着馬サトノレイナスはルメール騎手が強気に出して行ったが、道中の行きっぷりや勝負どころでの反応を見るに1600mは少々忙しいか。直線では進路取りに苦労しておりスムーズなら本馬が勝っていただろうが、外を回して同じ脚を使えたかは微妙であったし、反応の良さがソダシの方が上手であった結果でもある。どちらかといえばオークス向きだろう。

4着馬メイケイエールは前走同様に馬群から離して折り合いに専念。ただ、やはり馬群に入れると暴走気味に掛かってしまい、ラスト1Fで大きく失速してしまった。

晩成型の超良血馬

2021年桜花賞の参考レースⒸSPAIA



【クイーンC】
エイシンヒテンが主張して前半3F34.6。ただ、3~4角の600~1000mは23.9秒と緩み、当時は南からの強い風が吹いていたことも考慮すると中盤の緩い中弛み競馬だったと推測できる。16頭立てでも大きくごちゃつく面もなく、数字通りの評価で大きく間違うことはないだろう。ただ、ペースも風向きも同程度だった前週の未勝利戦と0.4秒しか変わらない勝ち時計には少々物足りなさを感じる。

1着馬アカイトリノムスメ、2着馬アールドヴィーヴルともに手足の長い体形で、現状は成長曲線も緩やか。3歳春のマイルG1はなかなかハードルが高いように映る。ただ、両馬ともに文句なしの良血馬。特に息の長い末脚を見せたアールドヴィーヴルには秋華賞を期待したくなる。

1着同着の最重要ステップ

【チューリップ賞】
スタートなりでストゥーティがハナに立ち前半3F36.3のスローペース。700m前後でメイケイエールが暴走気味に先頭に立ったが、ハナに立ってからは落ち着きがあり、レース全体としては前有利の競馬であった。

メイケイエールはスタート直後から手綱を絞ったが、あまりに抑えが利かないため600m過ぎでは武豊騎手も諦めてハナを奪う形に。ラストは底力でエリザベスタワーに抜かせなかったが、相変わらず気性面の課題は残っている。ただ、もしスタートで抑えなければ本馬の楽勝であっただろう。前哨戦としては当然の策だったが、本番の今回は思い切った競馬を見てみたい。

エリザベスタワーもメイケイエールが暴れるすぐ隣で同様にヒートアップ。折り合いを欠きながらもメイケイエールと同着に持ち込んだ地力は結果通り評価したい。

メイケイエール×横山典弘騎手=?

桜花賞直行のソダシだが、入念に乗り込まれており好時計も連発。今回も上位争い濃厚だろう。メイケイエールの爆発力も魅力。馬のリズムを大切にする横山典弘騎手への乗り替わりで新味に期待。本記事では触れられなかったが、ソングラインも素質では引けを取らない一頭だ。

注目馬:ソダシ、メイケイエール、ソングライン

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

ライタープロフィール
坂上明大
元競馬専門紙トラックマン。『YouTubeチャンネル 競馬オタク(チャンネル登録者45000人強)』主宰。著書『血統のトリセツ』。血統や馬体、走法、ラップなどからサラブレッドの本質を追求する。

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