【ニュージーランドT】「2戦2勝もアヴェラーレは危険」「ファルコンS組優勢」 覚えておきたいデータ
勝木淳
キャリア2戦は好走パターン
古馬も3歳も5、6月のマイル路線へつながる前哨戦が多く組まれる。中山は古馬のダービー卿CTに続き、3歳戦ではNHKマイルCの前哨戦ニュージーランドTが行われる。アーリントンCがこの翌週に引っ越し、関西馬の参戦が減り、やや出走馬のレベルが低下傾向にある。
NHKマイルCでは中山で行われた過去9年のニュージーランドT組が【3-0-2-47】。頭数が多いので確率は低いが、つながらないレースでは決してない。しかし、アーリントンCが翌週に移った18年以降は【1-0-0-13】。18年ケイアイノーテック1着のみと好走馬は減った。ただ、今年はメンバーレベルが戻りそうで、ここから本番激走という馬があらわれても不思議はない。阪神開催だった11年を除く過去9年分のデータを調べてみる。
1番人気は【2-2-0-5】。9年で5回3着以内を外しており、過信は禁物。一方で2番人気が【4-1-2-2】勝率44.4%、複勝率77.8%で好成績。軸として計算しやすいのは2番人気だ。10番人気以下も【1-1-2-55】と不気味な存在で、複勝圏内であれば、どこからでも入れそうだ。
4月中旬になると、キャリア別の成績も幅が広く絞りにくい。注目は2戦【2-0-1-1】。12年1番人気1着カレンブラックヒル、18年9番人気3着デルタバローズ、20年2番人気1着ルフトシュトロームがここに当てはまる。キャリアが浅い組は今年も注目。連勝中のアヴェラーレ、ワーズワースはチェックしておこう。
ファルコンS除く前走1400mは【0-1-0-20】
さらに具体的に前走クラス別成績や前走距離別成績から好走パターンを探っていく。
前走クラス別ではオープン・リステッドが合わせて【0-1-1-13】とイマイチ。クロッカスSや同舞台のアネモネS組は相性が悪い。キャリア別であげた2頭が該当する1勝クラス【2-4-2-42】勝率4%、複勝率16%よりGⅢ【6-3-6-39】勝率11.1%、複勝率27.8%がいい。ここをレース別成績で掘りさげる。
着度数別ではファルコンSが【3-1-4-22】勝率10%、複勝率26.7%でトップ。今年も7着ヴィジュネルら複数が出走予定。ファルコンSはシンザン記念2着のルークズネストが勝ち、2着がGⅠ馬グレナディアガーズ、3着も重賞ウイナー・モントライゼで決まったレベルが高い競馬。この組は軽視しないほうがよさそうだ。
ヴィジュネルが該当する6~9着は【2-0-1-4】勝率28.6%、複勝率42.9%。10着以下は【0-0-0-9】。好走したのは14年1番人気1着ショウナンアチーヴ、17年12番人気1着ジョーストリクトリ、20年7番人気3着ウイングレイテスト。ヴィジュネルも妙味がありそうだ。
最後に前走クラスに関係なく、前走距離別成績をみる。
1400mが【3-2-4-42】で目立つが、これは前述したファルコンS【3-1-4-22】がほとんどを占める。これを除くと【0-1-0-20】。クロッカスS組は当然ながら、2戦2勝のアヴェラーレの前走春菜賞もここに該当。キャリアはいいが、前走距離にひっかかる。キャリアが浅いうちは距離延長でリズムを崩す馬が多く、慎重に考えたいところだ。
狙うなら同距離の前走マイル【5-4-3-46】か1800m【1-2-0-16】や2000m【0-0-1-4】の距離短縮組。前走マイル組はバスラットレオンやワザモノなど。2000m組はクラシック戦線から転戦してくるタイムトゥヘヴンやドゥラモンドなどがいる。特にドゥラモンドは同舞台で1勝クラスを勝ち、朝日杯FSは7着。マイル戦で息を吹き返す可能性がありそうだ。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。
《関連記事》
話題沸騰のソダシなど「3文字馬」は走る?出世頭キセキは6億以上稼ぐ
「ディープ産駒の複勝率33.6%」東大HCが阪神芝1600mを徹底検証
昨年はキャリアハイ 福永祐一騎手の「買える条件・買えない条件」
おすすめ記事