【大阪杯】コントレイルとサリオスを相次ぎ消去! ハイブリッド式消去法が導き出した“3強”以外の本命候補とは

八木遊

過去10年の大阪杯『距離延長』かつ『前走0秒4差以上負け』の成績インフォグラフィックⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週予想したのは『高松宮記念』。波乱を期待して14番人気のカツジを本命にチョイスした。直線入り口では見せ場をつくり一瞬夢を見たが、終わってみればほぼ人気通りの15着に惨敗。馬券は、対抗レシステンシアと単穴インディチャンプのワイドを拾い、何とか“大やけど”は免れた。

今週予想するのは、GⅠ格上げ後5年目を迎える『大阪杯』。GⅡ時代を含めた過去10年のデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップしていきたい。今年は15頭が登録しているが、キセキが4月の香港に向かうため出走を見送ったため、それ以外の14頭を対象に進めていきたい。

『前走上がり4位以下』×『前走7着以下』★0.0%★

最初は、前走の上がり順位と着順に注目した。先行力がものをいうこのレース。上がり時計はそこまで求められない。実際に前走上がり4位以下の馬でも過去10年で【5-3-4-61】(複勝率16.4%)と及第点。ただし、その前走で7着以下に沈んでいた場合は【0-0-0-29】(同0.0%)で、巻き返しは非常に厳しい。

今年このデータに当てはまったのはアドマイヤビルゴなど5頭。対象14頭のうち3分の1以上が早くも消去対象となった。

【今年の該当馬】
・アドマイヤビルゴ
・クレッシェンドラヴ
・ハッピーグリン
・ブラヴァス
・ペルシアンナイト

『前走から距離延長』×『前走1着馬から0秒4差以上負け』★0.0%★

続いては前走からの距離変動に注目。前走から距離延長組は【3-2-1-36】(複勝率14.3%)とやや苦戦している。このうち前走勝利もしくは負けていても1着馬から0秒3差以内なら、【3-2-1-16】(同27.3%)と高い確率で馬券に絡んでいる。一方、0秒4差以上での負けだと【0-0-0-20】(同0.0%)。2つ目の消去データには、この条件を採用する。

この条件に当てはまったのはカデナとサリオスの2頭。前走マイルCSで0秒4差負けのサリオスは、2つ目のデータで消去となった。

【今年の該当馬】
・カデナ
・サリオス

『前走から中8週以下』×『前走5番人気以下』★2.9%★

続いては、前走からの間隔を見ていく。このレースは、GⅡ時代から前走との間隔は空いている方が好走率は高い。中9週以上の【4-2-7-31】(複勝率29.5%)に対し、中8週以下だと【6-8-3-69】(同19.8%)。後者のうち前走で5番人気以下だった場合は【0-1-0-34】(同2.9%)で、2着が1度あるだけだった。

今年このデータには6頭が当てはまった。そのうち3頭はすでに消去済み。新たにギベオン、モズベッロなど3頭が消去リストに加わった。

【今年の該当馬】
・アーデントリー
・(カデナ)
・ギベオン
・(ハッピーグリン)
・(ペルシアンナイト)
・モズベッロ

『前走馬体重490kg未満』×『前走馬体重減』★5.6%★

4つ目は馬体重に注目。取り上げるのは、前走時の馬体重だ。前走490kg以上のいわゆる大型馬は【5-7-3-50】(複勝率23.1%)で、490kg未満の【4-3-7-50】(同21.9%)と複勝率はほとんど変わらない。ただし、後者の中で、前走時にマイナス馬体重だった馬は【0-1-0-17】(同5.6%)。2着が1度あるだけと、苦戦傾向にある。

今年このデータに当てはまったのは3頭。前走ジャパンCで456kg(-2kg)だったコントレイルが引っ掛かった。これで昨春のクラシックを沸かせたコントレイルとサリオスがそろって消えることとなった。

【今年の該当馬】
・(アドマイヤビルゴ)
・(カデナ)
・コントレイル

『前走中団・後方・マクリ』×『今回馬番1~3番』★5.0%★

最後の消去データは前走脚質をピックアップする。前走で逃げもしくは先行していた馬は、大阪杯で【6-5-4-36】(複勝率29.4%)という好成績。一方、前走脚質が中団・後方・マクリの場合は、【3-5-6-61】(同18.7%)とやや劣勢だ。さらに、後者が大阪杯で馬番1~3番に内目に入った場合は【0-0-1-19】と苦戦している。差し・追い込み馬はある程度外目の枠の方が良さそうだ。

最後の条件は金曜日に発表される枠次第となった。4つ目のデータを終えて、残っているグランアレグリア、レイパパレ、ワグネリアンの3頭のうち、グランアレグリアとワグネリアンの前走脚質は中団。この2頭が1~3番枠に入った場合は消去対象となる。

【今年の該当候補】
・グランアレグリア
・ワグネリアン

5つの消去データを確実にクリアしたのはレイパパレただ1頭。3強に次ぐ4番人気が予想されるが、5戦5勝という戦績通り、未知の魅力にあふれた1頭であることは間違いないだろう。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中。

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