【高松宮記念】意外に強い「1200m未経験組」 狙える馬の特徴とは?
高槻とおる
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距離未経験馬の狙いは上位人気、そして4歳馬
短距離のスペシャリストがそろう高松宮記念だが、過去10年のレースでは距離経験のない馬も17頭出走している。頭数的にそれほど気にしなくてもと感じるかもしれないが、上位人気に支持されている有力馬も多く、レースの予想を難解にさせる存在なのだ。
昨年は距離未経験の実力馬が大挙出走して驚かされたが、今年もレシステンシア、ダノンファンタジー、インディチャンプなど、上位人気に支持されそうな馬たちが出走を予定しており、今後はこうした傾向が続くのかもしれない。
「距離経験のない馬が簡単に勝てるレースじゃない!」と軽視したくもなるが、この17頭の未経験馬からコパノリチャード、ミスターメロディが優勝、グランアレグリアが2着、ミッキーアイル、ダイアトニックが3着に好走しており、降着で馬券にはならなかったが、昨年のクリノガウディーは1位入線を果たしている。
17頭の出走で、馬券に絡んだ馬が5頭。やはり、簡単に軽視するのは危険といえるだろう。それでは、距離未経験馬で買える馬、買えない馬をどう見分けるのか、まずは単勝人気別の成績を見てみよう。
15番人気で1位入線したクリノガウディーがいるので、狙えるのは上位人気馬だけとまでは断言できないが、過去10年で馬券対象になった距離未経験馬は、いずれも単勝4番人気以上の支持を受けていた。
距離経験がなくても上位人気に支持されているのは、それだけファンが高い能力を認めている証拠。むしろ信頼度は高いといえそうだ。続いて、距離未経験馬17頭の年齢別成績も見てみよう。
出走頭数の多さもあるが、狙いたいのは4歳馬。レース経験が浅い分、未知の能力を秘めている可能性がある。5歳馬でも出走数の少ない馬には、同様の期待をかけていいのかもしれない。
重賞実績は重要だが、中京実績はなくても大丈夫
ここからは、距離未経験で3着以内に好走したグランアレグリア、ダイアトニック、ミスターメロディ、ミッキーアイル、コパノリチャードの5頭に絞って、好走馬の傾向を探ってみよう。まずは中京芝コースの実績から。
3着以内に好走した距離未経験馬5頭の中で、中京芝コースの出走経験があったのはミスターメロディだけ。距離経験もコース経験もないのに上位人気とくれば、軽視したくなるのが人情というものだが、これも軽視は禁物だ。
一見、危険な人気馬に見えてしまうが、上位人気に支持される能力、実績があれば未経験の不利は克服可能といえるだろう。念のため、5頭の高松宮記念出走以前の重賞実績を見ておこう。
桜花賞など重賞3勝を挙げていたグランアレグリアを筆頭に、5頭とも1400~1600mの短距離重賞でしっかり実績を残していた。重賞実績があり、上位人気に支持されている4・5歳馬なら、芝1200mの経験がなくても、中京芝コースの経験がなくても、信頼度が高いことを覚えておきたい。
阪急杯と阪神カップの好走実績を要チェック!
最後に5頭の前2走成績を見ておこう。阪神コースの芝1400m重賞、阪急杯と阪神カップが重要なステップレースになるようだ。
距離未経験で好走した5頭は、阪急杯と阪神カップのどちらかで好走していた。唯一連対を外しているダイアトニックも、阪急杯降着で3着だが2位入線だった。距離未経験馬の取捨では、この阪神コースで行われる2つの重賞の好走実績もチェックしておきたい。
高松宮記念で狙える距離未経験馬を探ってきたが、今年の4歳馬レシステンシア、5歳馬ダノンファンタジーは条件クリアと判断してよさそうだ。ともに中京芝コース経験がないことも、過去の傾向から見るとむしろ好材料にさえ思えてくる。
4歳馬マルターズディオサも条件はクリアだが、当日の人気がどの程度になるのか。ファンの評価次第では注目が必要かもしれない。
ライタープロフィール
高槻とおる
グリーンチャンネルで結果分析、レース分析番組の構成作家を担当していた。現在は経営者取材などライターとして幅広く活躍中。ラップを長年研究しているが、実は馬券はパドック派。
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