【ファルコンS】ハイペースだが差し有利ではなかった一戦 次走以降で狙える馬は?

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ルークズネストが逃げ切る
3月20日に中京競馬場で行われたのがファルコンS。朝日杯FSの勝ち馬がこのレースを始動戦に選ぶのは初の出来事で、グレナディアガーズがどのような走りを見せるのか、という点に注目が集まった。単勝オッズは最終的に1.8倍。これに続くのが京王杯2歳S勝ち馬モントライゼ、3番人気はシンザン記念2着のルークズネストだった。
前走未勝利勝ちのラングロワか、朝日杯で暴走気味の逃げとなってしまったモントライゼがハナかと想定される中、最内枠を利して逃げの手に出たのは意外にもルークズネスト。前走は中団10番手からの競馬だったが、なるほど未勝利戦を勝った際は2番手からの抜け出しだった。
1番人気のグレナディアガーズは好位の外、2~3番手あたりを追走。モントライゼは意識的に控えて折り合いを重視する形。
前半600m通過は33.7秒。後半が35.0秒だから、数字上は間違いなくハイペース。ルークズネストは4角までじっくりと息を入れ、それを早めにパスするようにグレナディアガーズが進出して直線に向く。
3番手以下は早々に離れ、前2頭の叩き合いに。ルークズネストは直線で左右にフラフラと蛇行しながらの競馬になったが、失速度は小さく、最後までグレナディアガーズに抜かせなかった。2着には勝ち馬をアタマ差とらえ損ねたグレナディアガーズ、3着は離れた争いを制したモントライゼ。
勝ち時計1.20.1はファルコンSが現行の中京1400mに変更されて以降で最速。「雨予報が外れると速い馬場が出現する」といった話も耳にするが、今回は正にその通りの結果だった。
次走への展望は?
勝ったルークズネストはハイペースを逃げ切り。直線では若さを見せながら押し切って見せた。ただし、このレースに関しては注意しておきたい事項もある。
というのも、この日の中京芝で勝った馬の4角位置は1,1,6,2,1番手。芝1200mの3歳未勝利戦でも前後半33.9-35.2というラップ構成ながら、1枠1番、6番人気が逃げ切っている。ハイペースでも内、前が残ってしまう特殊な馬場状態であったことは念頭に置いておくべきだろう。
ちなみに、雨が降って傾向一変するかに思われた日曜も、勝ち馬の4角位置は2,2,2,1番手。最終は11番人気の逃げ切りだった。
ファルコンSも結果から言えば1,2番手の行った行った。人気馬が順当に来ただけに評価は分かれるところだろうが、個人的にはルークズネスト、グレナディアガーズを過信するのは避けた方がよさそうに思う。
となれば、むしろ評価したいのは後方から追い込んだ勢力。中でも注目したいのは大出遅れから8着のニシノアジャスト。中京2歳Sは直線で詰まり、クロッカスSは前半37.0秒の異常なスローペースに泣き、今回は前残りの特殊な馬場。3戦連続の不完全燃焼で、オッズ的にも次走は買っておきたい存在だ。

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