【阪神大賞典】天皇賞へ向けここでは負けられない 京大競馬研の本命は菊2着のアリストテレス
京都大学競馬研究会
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勝ち馬は3番人気以内
3月21日に阪神競馬場で阪神大賞典(GⅡ)が行われる。菊花賞2着でAJCCを勝ったアリストテレスや、昨年の覇者ユーキャンスマイル、重賞勝ち馬ではショウリュウイクゾやディープボンドなどが出走する。
今年の天皇賞(春)は阪神で行われるので、例年以上にこのレースの重要性が増しそうだ。菊花賞でコントレイルに迫ったアリストテレスが断然の人気を背負う想定だが、この馬に死角はあるのか。データを参考に予想する。
まずはこのレースの人気別成績を調べた。
人気馬の信頼度は非常に高い。1番人気の成績は【6-2-1-1】と、大きく出遅れたキセキ以外は全頭馬券になっており、軸には最適だ。
2番人気は【1-1-1-7】、3番人気は【3-1-2-4】と1番人気ほどの信頼はないものの、4番人気以下からは勝ち馬は出ていないため、単系馬券は3頭の中から選んで買うべきだ。
6番人気以下は【0-2-2-52】と不振で、重賞で馬券内に入ったことのない馬の好走例は昨年2着のトーセンカンビーナのみだった。格下馬が距離延長で一変するのは難しいと言えるだろう。
自在性が重要
次に過去10年の脚質別成績を調べた。
先行した馬が【5-5-3-23】、マクりを決めた馬が【5-1-0-0】で勝ち馬はこの2つの脚質からしか出ていない。道中の位置に関わらずバテた馬を早めにかわして4コーナーでは前を射程圏に入れられる自在性を持っていることが重要になる。
マクり脚質の馬を詳しく見てみると、ゴールドシップやシュヴァルグラン、サトノダイヤモンドなどGⅠで好走している馬が底力でねじ伏せたケースがほとんど。人気薄が一発狙いで出来るものではないことが分かる。
またマクって勝利した5頭のうち、天皇賞(春)に出走できた4頭は本番でも掲示板を外さない走りをしている。阪神大賞典でマクりを決めた馬は本番も要注目だ。
ここでは逆らえない
◎アリストテレス
前走は中団追走から早めに動いて勝利、2走前もコントレイルをマークしながら仕掛けのタイミングも合わせて併せ馬に持ち込んでおり、2戦続けて中身の濃い競馬をしている。先述したように阪神大賞典ではマクり脚質の馬が5勝しており、バテた馬を早めにかわせる自在性が重要だが、当馬は直近2走の内容から自在性も持っていると判断した。
距離も当然問題なく、日曜の雨予報も前走不良馬場で勝っていることから苦にはしないだろう。天皇賞(春)に向けてこの相手なら負けられない。
○ユーキャンスマイル
近走は消化不良の競馬が続いているが、去年のこのレースを勝っており一昨年のダイヤモンドSも勝つなど長距離GⅡであれば力上位は間違いない。しかしアリストテレスと比較して1キロ余分に背負わされることと、位置取りの差で届かない可能性が高いと考え対抗までとする。
▲ショウリュウイクゾ
前走は伸びない人気馬を尻目に突き抜けたが、斤量に恵まれた印象が強い。ただ抜群の手応えを信じてのラスト3ハロン追い通しという、早仕掛けにも見える強気の騎乗で勝ち切った良い内容だった。
上位人気馬の中で唯一3000mを走ったことがなくバテる可能性はあるが、団野騎手が距離不安を恐れることなく前走同様の騎乗をすれば、相手関係を考えると馬券内には残りそうだ。
△タイセイトレイル
人気薄で唯一チャンスがありそうなのがこの馬。昨年のこのレースは逃げて6着と、着順は大きいものの勝ち馬とは0秒5差。差の無い競馬が出来ていた。
2年前のアルゼンチン共和国杯は2着に入ったものの、その他のレースを見ると東京では惨敗が多く、コースが合わない可能性が高い。よって前走の大敗は参考外だろう。右回りならメンバーレベルの高かった京都大賞典以外は小差の競馬をしているため、今回も大崩れはしないと考えた。
逃げ経験のある馬が当馬しかいないため今回も逃げると予想。今回アリストテレスが断然人気を背負っている中で、スタミナ消耗を恐れて各馬で牽制しあうのを尻目にマイペースで逃げて人気各馬を脅かす。そんな走りが出来れば馬券になってもおかしくない。
4番人気想定のディープボンドは前走不利が重なり大敗した。前走自体は度外視してよいが、坂で伸びる気配を見せなかったのは懸念材料。阪神では厳しいと見て消しとした。アドマイヤジャスタも2400m以上での好走がなく明らかに距離が長い。
メイショウテンゲンは昨年のアルゼンチン共和国杯の池添騎手のコメントを参考にすると、走りに集中出来ていない様子で、いきなり一変は厳しいと考えた。
重賞実績持ちで買えそうなのが4頭だけと少ない頭数になったので、今回は1着アリストテレス固定、残りの3頭が相手の三連単で少しでも良い配当を狙っていく。(文:福山)
▽阪神大賞典予想印▽
◎アリストテレス
○ユーキャンスマイル
▲ショウリュウイクゾ
△タイセイトレイル
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。
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