【阪神大賞典】連対率6割!強力な「有馬記念組」を買うべし ユーキャンスマイル連覇へ
門田光生
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GⅠ馬不在の阪神大賞典
2021年3月21日に阪神競馬場で行われる第69回阪神大賞典。かの有名な、ナリタブライアンとマヤノトップガンの一騎打ちがあったのは1996年のこと。その1990年代は上記2頭をはじめ、メジロマックイーン、メジロパーマー、スペシャルウィークなどが参戦。出走頭数は少なくても、その時代を彩った名ステイヤーがレースに花を添えていた。
2000年以降も頭数がそろわないのは相変わらずだが、ステイヤー受難の時代ということもあって、大物と呼ばれる馬の参戦はめっきり少なくなった。昨年、このレースで断然人気を集めた菊花賞馬・キセキも、先週行われた金鯱賞に出走したため不在。GI馬の参戦が1頭もないのは寂しい限りである。
とはいえ、実績馬がいようといまいと、馬券や予想が当たればうれしいもの。伝統の長距離戦をデータでしっかりと分析し、レース当日に備えよう。なお、参考にするのは2011~2020年の過去10年の成績とする。
人気馬は信頼できる
まずは東西の所属別から。栗東所属馬の方が圧倒的に出走頭数が多いこともあって、10勝、2着8回、3着10回。美浦所属馬は2着が2回だから、ここ10年で8回栗東所属馬が上位を独占していることになる。美浦所属の勝利となると、1985年のスダホークまでさかのぼらなければならない。
同じく騎手も栗東所属が【8-8-8-61】と馬券圏内の大半を占めているのだが、勝率、連対率で見ると美浦所属の騎手の方が優秀。これは継続騎乗、乗り替わりは関係なし。阪神大賞典は中山で行われるスプリングSと同日施行のパターンが多いのだが、鞍上が主場の重賞でなく関西のレースを選択するのだから、勝算があっての場合が多いのかもしれない。
年齢別ではどうか。ステイヤー=晩成、というイメージがあるので、高齢馬も活躍できていると思っていたが、結果は全く逆。最も成績がいいのは4歳馬で、連対率は37.5%と高水準。続いて5歳馬、6歳馬となり、年齢が上がるほど好走率が下がっていく。7歳以上となると3着が2回あるだけで、連対馬はいない。年齢は若い方が有利となっている。
続いて前走をどのクラスで走っていたかだが、やはり重賞組が強く、10頭いる勝ち馬すべてがそれに該当。2着馬も7頭おり、連対馬20頭中17頭が重賞を経由していたことになる。中でもGI組が強く、特に有馬記念を経由してきた馬は【4-5-1-5】で連対率が60%を超えている。かなり信頼度の高いデータだ。
逆に相性がよくないのは京都記念組で、出走してきた10頭とも連対を外している。ただ、今年は阪神で京都記念が行われた。これがどう影響するのかと危惧していたが、今年は京都記念組が1頭もいなかった。
長距離戦は血統がより生きるということで、今度は父系を見ていく。活躍が目立つのはステイゴールド、ハーツクライ、ディープインパクト産駒で、7勝、2着も7回。この3頭の産駒で連対馬の半数以上を占めていた。これらを父に持つ出走馬はプラスを与えていいだろう。
また当日の馬体重だが、498~518キロ台の馬が8勝。当日になってみないと確定しないので今回は使わないが、もしこの範囲内の馬体重の馬がいれば注目して損はない。
当日データが出たので、おまけにもう一つ。当日オッズで単勝2.9倍以下だった馬は【5-2-1-1】。馬券を外したのは昨年のキセキ(1.6倍)だけ。それなりの支持を受けている馬は信頼してよさそうだ。
最後に登録メンバーを見て追加データを。今回は56キロか57キロを背負う馬しか出走していない。どちらも6連対ずつだが、出走頭数は56キロ組が倍以上いる。勝率、連対率は57キロ組の方が優秀なのは言うまでもない。
有馬記念組を重視
今回の好走データをまとめてみると、A「美浦所属騎手が騎乗」B「4歳馬」C「有馬記念組」D「ステイゴールド、ハーツクライ、ディープインパクト産駒」E「57キロを背負う馬」。不発の可能性が高いデータはF「美浦所属」G「7歳以上」H「前走が重賞以外」となる。
5つの好走データのうち、最も多く満たしているのはユーキャンスマイルなのだが、それでも2つだけ(CE)。ちょっと心もとないが、強データである「有馬記念組」が後押し。もちろん、昨年の勝ち馬でこの条件に適性済みというのも大きい。
好走データを1つ持っていて、不発データがない馬はアリストテレス(B)、ショウリュウイクゾ(E)、ディープボンド(B)、ナムラドノヴァン(A)、メイショウテンゲン(D)。この中で当日、断然人気に支持される可能性が高いのはアリストテレス。上記で書いたように、当日オッズで2.9倍以下の馬は【5-2-1-1】と好走確率が高く、これが相手筆頭。
また、ショウリュウイクゾ、ディープボンド、ナムラドノヴァンは父が好走データ「D」で名前があるステイゴールド系、もしくはディープインパクト系。サンプルがほとんどないだけで、適性がある可能性は十分。この3頭では、美浦からかけつけた内田博騎手が騎乗するナムラドノヴァンを上に取りたい。
◎ユーキャンスマイル
◯アリストテレス
▲ナムラドノヴァン
△ショウリュウイクゾ
×ディープボンド
×メイショウテンゲン
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。
冒頭で触れた1996年の一騎打ち。現場で観戦できればよかったのですが、いろいろあって福岡市内の家電量販店で見ていました。テレビコーナーの前で「うぉー」と変な奇声を上げていたのは私です。
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