【中山牝馬S】ランブリングアレーが異次元の不良馬場を差し切り 次走に向けて注意したい点は?

SPAIA編集部 鈴木佑也

2021年中山牝馬Sのレース結果ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

ランブリングアレーが重賞初制覇

3月13日に行われたのは中山牝馬ステークス。昨年の牝馬三冠路線で、翌日登場するデアリングタクトの後塵を拝してきたリアアメリアの力量はいかほどか、三冠馬の姉を持つドナアトラエンテが重賞の壁もあっさりと突破するのか。

…と、普通ならそんなところに焦点が当たりそうなメンバーだったが、馬券を検討するファンにとってこの日のテーマはただひとつ、「どの馬がこの不良馬場をこなせるか」に絞られていたことだろう。

中山競馬場は朝から激しい雨。一時は中継映像も白く霞んで馬が視認できないほどの荒天だった。ただでさえ難解な牝馬限定のハンデGⅢが、さらに難解さを増して施行された。

レースは戦前の予想通り5番人気のロザムールがハナ。リアアメリアが内の3番手で、その外にぴったりとドナアトラエンテが付ける。重馬場実績を買われてか2番人気にまでなったサトノダムゼルは中団の外、ランブリングアレーはさらにその斜め後ろ、外に付けてキックバックを受けない位置。

1000m通過は62秒6だったが、このペースが速いのか遅いのか、ジョッキーも判断に迷うところだったか。内を利用して早めにポジションを挙げたフェアリーポルカが4角では3番手にとりついて直線を向く。

直線では2番手のスイープセレリタスを振り切ったロザムールに、フェアリーポルカが徐々に接近。お互いバテながらの競り合いに、離れた外からランブリングアレーが接近。最後はゴール前で計ったように前をとらえ、武豊騎手の真骨頂ともいえる騎乗で勝利を飾った。

勝ち時計1.54.8はデータがある1986年以降の芝1800m重賞では史上2番目に遅いタイム。発表の上は同じ「不良馬場」だった昨年の中山牝馬Sより4.6秒もかかっており、正に異次元の馬場コンディションであった。

ちなみに、芝1800m重賞で最もタイムが遅かったのは2013年札幌2歳S(レッドリヴェール)の1.59.7。札幌競馬場のスタンド改修にともなう函館の超ロングラン開催最終週、不良馬場、2歳戦と、時計がかかる条件はこれでもかと揃っていたが、今回の中山牝馬Sより5秒も遅いとは。上には上がある。

次走への展望は?

勝ったランブリングアレーはこれが重賞初勝利。文字の上では「差し切り」だが、勝利騎手インタビューでの武豊騎手の「我慢してくれた」という表現が全てを表している。レースのラスト1Fは14.4。この馬も加速したというより、失速度が他馬より小さかった、といった方が正しい。

2着ロザムールは瞬発力に欠ける面があり、今日のような前残り、しぶとさが生きる馬場は大いに味方した。52キロの軽ハンデを生かした近2走でもあり、今後の評価は難しいところ。

次走注目馬として、明らかに馬場を苦にした印象だったリアアメリアあたりを挙げたくなるところだが、注意点もある。“今年より4秒速い不良馬場”だった昨年でさえ、中山牝馬S出走馬の次走成績は【2-0-1-11】。次走を勝ったのは1着フェアリーポルカと、後に重馬場の新潟牝馬Sを圧勝する8着ウラヌスチャーム。

普段なら、馬場が原因で力を発揮できなかった良馬場巧者を、オッズ落ちの次走で見直すのが賢いように感じるが、これだけの馬場となるとむしろ反動が怖い。今回の出走馬は全体として次走見送りか、買うなら不良馬場へっちゃらのタフな馬に限った方が無難だろう。

2021年中山牝馬Sのレース展開インフォグラフィックⒸSPAIA


《関連記事》
上手な付き合い方のコツは?武豊騎手を「買える条件・買えない条件」
上手な付き合い方のコツは?ルメール騎手の「買える、買えない条件」
全部買うだけで黒字 複回収率200%の条件も 2021年は穴ジョッキー森裕太朗に注目

おすすめ記事