【ファルコンS】グレナディアガーズ参戦も「前走GⅠ」は19戦0勝 当日まで覚えておきたいデータ

門田光生

2021ファルコンステークスイメージ画像ⒸSPAIA

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前走GⅠ組は未勝利

中京競馬場の一大イベント、高松宮記念がすぐそこまで迫ってきた。ただ、今年は例年以上に馬場が使い込まれた状態。4週間開いてどこまで回復しているのか。こればかりはやってみないと分からないが、ひとまず高松宮記念の話は置いておこう。

今回はその中京競馬場で、3月20日に行われる第34回ファルコンSのデータを分析していく。中京競馬場がリニューアルしたのが2012年で、それと同時に距離が1400mへと延長されたこのレース。いつもなら過去10年の成績を基にしているが、今回は2012年以降の過去9回を参考にデータ分析していきたい。

過去9年の平均単勝配当は約1,470円で、馬単は約15,000円。荒れているように見えるが、2015年に14番人気の馬が勝って平均配当を押し上げている。過去9回で単勝の3ケタ配当は6回、残る2回も10倍台。連対した18頭中、4番人気以内の馬が13頭だから、毎年荒れているわけではない。

ただ、前述の通り14番人気馬が勝ったり、2着にも12番人気、11番人気の馬が突っ込んできたりと、人気薄の馬にも注意する必要があるレースといえる。

ファルコンS出走馬の枠順ⒸSPAIA


まず枠順から見ていくが、なかなか面白いデータとなっている。勝ち馬が出ているのは1、3、5、7、8枠。奇数枠の全てから、しかも2頭ずつ出現しているのに対し、偶数枠は8枠の1頭だけ。6枠は特にひどく、この枠に入った18頭全てが着外。

また、馬番で見ても偶数番3勝に対し、奇数番7勝。普通は後入れとなる偶数番の方が有利に思えるのだが、どうやらこのファルコンSは違うようだ。

ファルコンS出走馬の所属ⒸSPAIA
ファルコンS出走馬の性別ⒸSPAIA


東西別だと、美浦所属馬4勝に対して栗東所属馬が5勝。出走頭数を考えると美浦所属馬の方が優秀だ。ただし2着馬は栗東所属馬が8頭。勝率では美浦、連対率では栗東となるが、そこまで大きな差はついていない。

性別では牡馬・セン馬が17連対。牝馬は1勝、2着0回で、この1勝というのが昨年の勝ち馬シャインガーネット。2004年のキョウワハピネス以来16年ぶりの勝利となった。昨年は例外と考えて、基本的に牡馬・セン馬が有利とみていいだろう。

ファルコンS出走馬の脚質ⒸSPAIA


ここ9年の決まり手は先行、差し、追い込みが勝率6%と横並びで、逃げ馬だけが【0-0-0-9】と結果が出ていない。前述の通り、今年は例年以上に馬場が荒れた状態で施行されると推測できるが、悪化しすぎて差し馬が伸びてこないケースもたまにある。とはいえ、ここはデータ通り逃げ馬を軸にするのは避けた方がいいだろう。

ファルコンS出走馬の前走クラスⒸSPAIA


次は前走でどのクラスで走っていたかを見ていく。最も勝ち馬を出しているのはGⅢ組で、半分以上の5勝を挙げている。勝率も20%を超えており優秀な数字だ。続いて1勝クラスとオープン組で2勝ずつ。

この2組は出走頭数が圧倒的に多く、ともに勝率は5%を切っている。オープン組の中でも、リステッド格付けのオープンを経由した馬は【0-1-0-13】とさらに数字が悪くなる。また、新馬や未勝利、GⅡ、GⅠを使った組から勝ち馬は出ていない。今年は朝日杯FS勝ち馬グレナディアガーズが出走を予定しているが、果たしてどうなるだろうか。なお、前走GⅡ組はサンプルが1頭しかいないので参考程度となる。

ファルコンS出走馬の1着なしデータⒸSPAIA


ほかに勝ち馬が出ていないデータといえば、キャリア2戦以下、もしくはキャリア8戦以上を重ねている馬。特にキャリア8戦以上の馬は連対率も5%を切っており苦戦の傾向。

さらに厳しいのが中2週で挑んできた馬で、14頭が出走して連対馬すら出ていない。また当日の馬体重が439キロを切っている馬も、該当する19頭全てが着外となっている。

まとめ

ファルコンSのデータをまとめると「偶数枠より奇数枠」「牝馬より牡馬」「キャリアは3~7戦」「前走GⅢ組」の各項目を、満たせば満たすほど好走確率が高くなる。

逆に「逃げ脚質」「新馬、未勝利、リステッド競走、GⅠのいずれかを経由」「キャリア2戦、または8戦以上」「中2週」「当日馬体重439キロ以下」の1つでも満たしていると、勝つ確率はかなり低くなる。

最後に、ここ9年の勝ち馬の父系を書いていく。古い順からフジキセキ、クロフネ、キングカメハメハ、バゴ、アンライバルド、ヴィクトワールピサ、Scat Daddy、ハービンジャー、そして昨年はオルフェーヴル。9年連続で違う種牡馬の産駒が勝っている。

2着馬はスタチューオブリバティ産駒が2頭いるが、ほかはサクラバクシンオー、ディープインパクト、トーセンファントム、ダイワメジャー、Stormy Atlantic、ロードカナロア、リアルインパクト。1着馬と2着馬で重複している種牡馬はいない。つまり、データ上では上記に書いた17頭以外から、今年の勝ち馬が出る確率が高いということ。いろんな系統の種牡馬が好走しており、血統論者泣かせのレースでもあるようだ。


《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。
日頃の行いのせいなのか、3月に入って次々と良からぬことが起こっています。人生を振り返れば、細かい不運が重なった後、のちに大きい幸運が舞い込むこともありました。今回もそのパターンに期待したいところです。

2021年ファルコンステークスデータ

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