【フィリーズレビュー】ヨカヨカ安泰も、波乱の使者はエイシンヒテン 当日まで覚えておきたいデータ

勝木淳

2021年フィリーズレビューのデータインフォグラフィックⒸSPAIA

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波乱前提でも重要なのは上位人気馬の取捨

桜花賞トライアルはチューリップ賞、フィリーズレビューとアネモネS。チューリップ賞は阪神JF上位馬が出走、フルゲート割れ。対してフィリーズレビューは格下馬が大挙登録、抽選、フルゲートといった現象が続く。今年もそういった構図は維持され、まずは出走枠にたどり着くまでが勝負といった1勝馬が10頭以上いる。

必然的にチューリップ賞と比較すると、フィリーズレビューは大混戦。馬券妙味という意味では桜花賞トライアルのなかでも屈指のレースである。そんな混戦レースについて過去10年間のデータを使用して傾向を考えていく。

人気別成績(過去10年)ⒸSPAIA


1番人気は【2-2-0-6】、10年で6回4着以下に敗退。現在18年モルトアレグロ、19年アウィルアウェイ、20年カリオストロと3年連続で3着以内に入っていない。2番人気【2-2-2-4】、3番人気【3-0-0-7】で、1~3番人気がそろって4着以下に敗れたのはこの10年ではゼロ。

さすがに上位人気馬がいずれか1頭は入るので、裏を返せば、1~3番人気に的を絞って好走しそうな馬を選ぶといった軸選びも面白い。3着以内は13番人気以内とゾーンは広く、穴党向きのレースである。

キャリア別成績(過去10年)ⒸSPAIA


フルゲートの芝1400m戦とあってキャリアは重要で、新馬勝ち直後だと【0-0-0-5】、キャリア2戦も【1-1-1-12】と苦戦。

3戦以上のキャリアが理想で、なかでも5戦が【4-2-0-31】勝率10.8%と優秀。ヨカヨカやラヴケリーといったあたりが該当する。

6戦【0-3-2-21】、7戦【0-1-2-8】などキャリア豊富な組も見限れず、エイシンヒテン(7戦)、ゴールドチャリス(6戦)らにもチャンスはある。

前走阪神JF組から選ぶコツ

豊富なキャリアが味方するようなフルゲートの芝1400m戦だが、具体的に前走クラスなどの戦歴から好走パターンを探っていこう。

前走クラス別成績(過去10年)ⒸSPAIA


キャリアが武器になるといっても、前走が未勝利戦だと【1-0-0-10】でイマイチ。この10年では19年12番人気1着同着ノーワンのみ。注意したいのは前走GⅠ【2-3-3-17】。内訳は阪神JF【1-3-3-17】、朝日杯FS【1-0-0-0】(14年ベルカント)。

チューリップ賞とは対照的にGⅠ組が予想以上に馬券に絡めない。このあたりが荒れるゆえんだろう。ヨカヨカ、オパールムーン、シゲルピンクルビー、ポールネイロンらは好走できるだろうか。

前走阪神JF・位置取り別成績(過去10年)ⒸSPAIA


阪神JF組で好走するのは逃げ【0-1-0-0】(14年ニホンピロアンバー)と先行【1-0-3-4】。対照的に後方だった馬は【0-0-0-5】と苦戦。逃げた5着ヨカヨカや先行した17着シゲルピンクルビー、18着ポールネイロンを評価しても、追い込んで6着だったオパールムーンは微妙だ。

前走距離別成績(過去10年)ⒸSPAIA


つづいて阪神JF組を含め、前走距離から探る。前走1200mは【0-0-0-33】だが、1400mは【4-3-4-54】、1600m【7-6-6-52】で好成績。クープドクール、ゴールドチャリス、ミニーアイル、ラヴケリーなど前走1200m組は厳しそうだ。

前走1600m・着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA


前走1600m組を詳しく。阪神JFを除くと【5-3-3-34】なので別路線もいける。着順別成績でみると、1着【3-1-1-3】、2着【1-1-0-3】、4着【2-1-3-3】など好走馬の成績がいい。ベッラノーヴァ、エイシンヒテンら前走が阪神JFではない組もチャンスはある。

前走1600m・位置取り別成績(過去10年)ⒸSPAIA


さらに位置取りをみると、阪神JFの傾向通り、逃げ【1-2-0-6】、先行【4-1-5-16】と前に行った馬がいい。クイーンCで逃げて4着だったエイシンヒテンはキャリア7戦だけに穴候補としては興味がある。

前走1400m組は慎重に

最後は前走1400m組について同じように傾向を探る。

前走1400m・着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA


こちらは不思議と前走1着が【1-2-4-30】勝率2.7%、複勝率18.9%で振るわない。2着【2-0-0-3】、5着【1-1-0-5】が好走ゾーン。前走1400m組は好走馬というより惜敗馬といったニュアンスが正しいか。該当する馬にララクリスティーヌ(紅梅S2着)がいる。

前走1400m・位置取り別成績(過去10年)ⒸSPAIA


前走1400mで先行した馬の成績も悪くないが(先行【1-1-3-17】)、中団【2-0-1-20】や後方【1-1-0-8】まで好走馬が出るという点には注意しておきたい。前出のララクリスティーヌは紅梅Sで11頭立て6番手からの競馬で、位置取りからも評価を下げられない。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

2021年フィリーズレビューのデータ



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