【チューリップ賞】メイケイエール絶対視は危険 着順以上に中身の濃いレースをしている本命馬とは?

京都大学競馬研究会

チューリップ賞 阪神JF1〜3着馬の成績(過去10年)ⒸSPAIA

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圧倒的有利な阪神JF1~3着馬組が不在

3月になり暖かく過ごしやすい日が多くなった。競馬ファンは気温だけでなく、レースでも春の訪れを実感できる。今週末は、桜花賞トライアルのチューリップ賞が行われる。本番と同じ阪神1600mで争われ、1~3着馬には優先出走権が与えられるだけに、楽しみな一戦である。では、さっそく予想に入っていきたい。

チューリップ賞は3歳牝馬クラシック第1戦桜花賞に向けてのレースとなるので、阪神JFで好走した実績馬が出走してくるケースが多い。そこで過去10年の阪神JFで1~3着以内だった馬のチューリップ賞の成績を調べてみた。

チューリップ賞 阪神JF1~3着馬の成績ⒸSPAIA


勝率41.2%、連対率58.8%、複勝率82.4%とかなり高い数字となっており、阪神JF組好走組を買えばよいといっても過言ではない。しかし今年のチューリップ賞は、阪神JFの1着馬ソダシ、2着馬サトノレイナス、3着馬ユーバーレーベンが不在で、4着馬のメイケイエールが最先着となる。

そのメイケイエールは、折り合い面で相当苦労しているので、1600mという距離では絶対視しにくい存在である。過去のレース内容やレースレベルなどを精査し、メイケイエールに逆転できそうな馬に重い印を打ちたい。

1人気想定メイケイエールを負かす可能性のある馬とは

◎ストゥーティ
新馬戦(1着)は、やや展開に恵まれたとはいえ、レッドベルオーブ(朝日杯FS3着)を下しているのは評価できる。4着以下には大きく着差をつけており、これも価値がある。

3走前のアルテミスS(4着)は、ソダシ(阪神JF勝ち馬)、ククナ(クイーンC3着)などの実績馬に迫る4着と内容。強調したいのは、もともとデビュー戦から420キロ台という軽い馬体でありながら、アルテミスS当日はマイナス6キロと馬体を減らして出走してきたという点。万全でない状態での4着と考えると、高く評価できる。

また前走の菜の花賞(3着)は、後方から前半600mを36.9秒というスローペースでは届かなくても仕方なし。それでも勝ち馬と0.4秒差の3着まで詰めてきている点から、重賞でも好走できる能力を秘めているのではないかと見ている。

当日の馬体重が減っていれば心配だが、前走とは違い、遠征競馬ではないので大きく減らしてくることもないだろう。近走大崩れがなく、着順以上の評価ができることからも1番人気想定のメイケイエールを負かす可能性は十分あると見て本命とした。

○タイニーロマンス
前走の春菜賞は、ラスト2Fが11.2-11.1という速い流れを上がり3位の脚を使って2着。スローペースで着差が付きにくいレースだったにもかかわらず、3着以下は引き離している。また、ペースを考慮すると走破時計1:22.3は優秀。勝ち馬のアヴェラーレが強すぎたと考えていい。

フェアリーSのレースラップは、12.4-11.6-11.8-11.0-11.9-12.0-11.9-11.8 (35.8-35.7)。中盤に11.0という速いラップを刻んで先行し、1~3着が差し馬決着だったため度外視可能である。

▲メイケイエール
新馬戦が持ったままで完勝。小倉2歳S、ファンタジーSを勝利し能力はトップクラスだろう。折り合い面が不安で、1600mという距離は課題であるが、阪神JFは出遅れて、外枠から壁を作れず折り合いを欠きながら4着まで来ていることからも、これ以上評価は落とせない。

△タガノディアーナ
3走前(2着)のラップが優秀。12.9-10.8-11.5-12.3-12.1-12.3-12.1-11.6-11.8(35.2-35.5)前半2F目と3F目で、速い流れを刻み、中盤で緩むという意外とタフな流れだったが、ラスト2F11.6-11.8と、しっかり11秒台を刻めている点が評価できる。走破時計1:47.5というのも、ラストのラップの余力や高速馬場でなかった11月の東京の馬場を考慮すると、2歳未勝利戦としてはかなり優秀。3着以下には3馬身半をつけており能力の違いを見せた。3走前~前走までの走破時計はどれも優秀で必ず押さえておきたい1頭である。

△エイシンピクセル
前走は12.3-10.6-10.9-11.0-11.4-12.0-12.5(33.8-35.9)というハイペースを先行して凡走。前半5Fが速すぎて、後方でじっとしていた馬に有利なまさに漁夫の利レースだった。前走度外視して見直したい1頭である。

以下、未勝利戦のレベルが高いものが多い☆マリーナまで押さえておきたい。

▽チューリップ賞 京大競馬研究会予想▽
◎ストゥーティ
○タイニーロマンス
▲メイケイエール
△エイシンピクセル
△タガノディアーナ
☆マリーナ
(文 ケータロー)

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。

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