【WIN5】弥生賞の日は荒れる 19年には4億6498万円のキャリーオーバー

佐藤永記

WIN5の月別平均配当インフォグラフィックⒸSPAIA

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3月はWIN5の「隠れ波乱」月

「もう一つの馬券」としてすっかりお馴染みになったWIN5。今年1月11日には、史上最高配当の4億8178万3190円が飛び出したのも記憶に新しい。だが、実は一番荒れるのは3月なのだ。超配当にチャレンジできる『夢の3月』とでも名付けたいのだが、今回はその理由をデータから見てみよう。

WIN5月別平均配当ⒸSPAIA

WIN5配当のトップ3ⒸSPAIA



月別の平均配当を見てみると、最も高いのは梅雨時期である6月の3107万円だ。また、1月と2月の冬時期が平均を大きく上回っている。全体平均が1939万円のところ1月が2401万円、2月が2985万円だ。WIN5の高額配当TOPも上位3位まで全て1月か2月の開催が並び、この時期の特別・重賞レースがいかに難しいかを示している。

3月の平均配当は2169万円で全体の4位。確かに平均より荒れているのだが、一番ではないじゃないか、と思ったアナタは大事なことを見落としている。WIN5といえば的中者がいない場合、払戻上限を超えた場合に「キャリーオーバー」が発生する。そのキャリーオーバー発生回数が一番多いのが3月なのである。

3月はキャリーオーバー元となる開催が最多の3回発生している。1回は的中なし、2回は払戻上限を超えた額がキャリーオーバーとなった。平均配当はこのキャリーオーバー分下がってしまっている点を考慮すると、実質3月の「波乱度」が一番高いと言えるのだ。これはWIN5をやらない人にとっても大事なことで、メイン、準メインレースは3月が一番荒れるということも表しているのだ。

3月のメイン級レースが荒れる理由は実に単純明快。春競馬に復帰してくる有力馬と冬競馬を使ってきた馬との比較が難しいからだ。1着を当てるのが条件のWIN5において、ローテーションが違う馬たちが多ければ多いほど、休養馬の復帰が多ければ多いほど難しくなるのは想像に難くない。「連軸」といった評価でいい通常の券種以上に難解だろう。

弥生賞週は的中0票の年も 夢を狙うなら今週か

そしてそんな3月のなかでも注目なのが実は今週だ。過去9回あった弥生賞週のWIN5の一覧を見ると波乱の週であることがわかる。2019年には的中者なしでキャリーオーバー。最高で単勝5番人気までしか絡まず、絡んだ単勝人気平均9.4位という荒れた値となっている。

的中者がいた年の平均配当は387万円、配当が100万円を超えなかったのは2回だけだ。

過去の弥生賞週WIN5結果ⒸSPAIA



また、前の週でキャリーオーバーが発生していた2014年の弥生賞週の結果は245万円。キャリーオーバー翌週は売上も上がるが、多くのファンが手広く買う傾向の中でしっかり荒れている。しかも5レース中4レースが1番人気で決まったのにである。そう、1つだけ、中山準メインの上総Sが単勝13番人気で決まってしまったのが原因だ。

ほかにも2012年には1415万円の配当が出るなど、総じて荒れ模様なのが今週の弥生賞週なのである。WIN5で夢を追いたいタイプの人は今週特に注目なのではないだろうか。通常の券種で楽しみたい人も、今週のメイン、準メインの競走は1着選びを慎重にしなくてはいけない週だという指標として、参考にしていただきたい。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。


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