【フェブラリーS】今年はパサパサの良馬場にはならず 含水率高い馬場が味方する馬は?

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3着内の73.3%が上がり1〜3位
2021年のJRA最初のGⅠとなるフェブラリーS。昨年の優勝馬モズアスコットは引退、チャンピオンズCを勝利したチュウワウィザードも不在で、混戦模様となっている。能力面だけでなく馬場適性で浮上する馬はいるのか、分析していく。

過去10年のフェブラリーSの結果を振り返ると、2016年は重馬場で行われ、1分34秒0という決着となったが、それ以外は良馬場で行われており、1分35秒〜36秒前半のタイムで決着。
3着内に好走した馬の上がりタイムはおおむね35秒台。34秒後半の上がりを使っている馬もちらほら見られる。直線の長いコースということもあり、メンバー中1〜3位の上がりを使っている馬の割合は3着内馬の73.3%と高く、決め手のある馬が順当に結果を残していると言える。
パサパサ馬場にはならない?
そして馬場適性を占ううえで含水率にも注目したい。2019年のフェブラリーSはゴール前の含水率2.4%で1分35秒6、2020年は含水率2.6%で1分35秒2だった。
今開催の東京ダートコースの含水率の推移を見ると、開幕週は雨・雪の影響が残り、1月30日は11.1%(重)、根岸Sが行われた1月31日は10.2%(重→稍重)と水分を含んだ高速馬場だった。
その後は2月2日に3.5mmの雨量を計測したのみで、2月6日以降の開催はいずれも良馬場で5.3%→3.2%→3.9%→3.1%で推移。乾燥しているものの、過去2年のフェブラリーSよりは水分量の多い状態が続いている。
今週に入り月曜日、東京競馬場のある府中市では47.0mmとまとまった雨が降った。その後晴天が続きそうだが、近2年のフェブラリーSのようなパサパサの良馬場への回復は難しいだろう。
そうであれば、馬場適性の観点から「ある程度含水率の高い馬場での好走歴」「速い上がりへの対応力」のある馬に注目したい。加えて、出走メンバーを見渡すと先行型が揃っており、ペースが流れるということも頭に入れておきたい。
得意の東京マイルで
それらを踏まえ、ここからは出走各馬の馬場適性について見ていこう。今回は5頭をピックアップした。

【カフェファラオ】
含水率9.6%、稍重で行われたユニコーンSでは前後半のラップ差-2.7というハイペースを2番手追走から勝利、2着に0.8秒差をつけたレースは圧巻のパフォーマンスだった。その後のシリウスSは含水率2.2%の馬場で、前後半のラップ差-2.6のペースの中で終始外を回りながら勝利するなど、馬場状態を問わず結果を残している。
両レースともレース上がりは1位、2位となっているが、いずれも36秒台。能力は高いが、ペースが流れる中で35秒台の上がりが求められるという点においては不安が残る。
【アルクトス】
含水率13.6%の馬場で行われた2019年のプロキオンSを勝利。3走前の南部杯は含水率の発表はないものの、雨が降る中の稍重で1分32秒7という高速決着を制するなど、道悪でより高いパフォーマンスを見せている。
59kgを背負いながら勝ち馬と0.2秒差の4着と健闘した前走の根岸Sを叩かれた上積みが見込めるうえ、1ハロンの距離延長も歓迎材料。極端に乾燥した馬場にはならない点もいいだろう。
【サンライズノヴァ】
東京1600mでは武蔵野Sを2度制するなどベスト条件と言っていい。当時の含水率は2018年が8.8%、昨年は5.0%、また4走前のプロキオンSでは含水率14.2%で59kgを背負いながら、上がり34.4の末脚を繰り出して快勝しているように、ある程度含水率の高い馬場でいいパフォーマンスを見せている。
昨年のフェブラリーSでも3着となっているが、当時より馬場状態は向くので、より上の着順に好走してくれることを期待したい。
【エアスピネル】
初ダートとなった4走前のプロキオンSでは上がり35.3の末脚で2着、2走前の武蔵野Sでも3着と好走している。いずれのレースも勝ち馬はサンライズノヴァで0.3秒差だった。
馬券圏外だった2レースはエルムSが含水率3.9%、チャンピオンズCは2.2%と乾燥した馬場でのもの。今回は巻き返してくるだろう。
【ソリストサンダー】
2走前の武蔵野Sでは中団からレースを進め、上がり2位タイの35.6を使って2着。その一方で前走の門司Sのように先行して早めに動くレースでも結果を残している。加えて馬場状態も良馬場、道悪の両方に対応できる自在性も兼ね備えているということで、今回も押さえておきたい。
▽フェブラリーS予想▽
◎サンライズノヴァ
○エアスピネル
▲アルクトス
△ソリストサンダー
×カフェファラオ
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。
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