【フェブラリーS】カフェファラオは危険?オーヴェルニュ、サンライズノヴァの血統に好データ

緒方きしん

フェブラリーSの血統データインフォグラフィックⒸSPAIA

ⒸSPAIA

多彩な血統が揃ったフェブラリーSを制するのは?

今週末はフェブラリーS。2021年の中央GⅠがついに開幕する。注目が集まる年初の大一番を、血統大好きライター・緒方きしんが診断する。

さて、今年のフェブラリーS出走メンバーを見てみると、例年以上に多彩な面々が集まった。ロードカナロア、ヘニーヒューズ、スタチューオブリバティ、トビーズコーナー、オルフェーヴル……。父を見ていっただけでも、ダート戦国時代の到来を感じさせる。

オルフェーヴルがダートで良い馬を複数輩出するなんて、産駒デビュー前にはなかなか想像しにくかった人も多いだろう。対するロードカナロアも、キングカメハメハ後継としてダートにも勢力図を広げたいところ。これまでの重賞勝ち星「35」全てが芝だったが、前哨戦の根岸Sをレッドルゼルが勝利したことで、ついに待望のダート重賞制覇を記録した。

しかし、そうはいっても頂点を決める大一番。新興勢力の台頭はあれど、大きな意味での「血統」的な観点から傾向を見ていこう。

カフェファラオは4系統中ワースト勝率・回収率

フェブラリーSの父系統別回収率(2010年以降)ⒸSPAIA


前走チャンピオンズCで6着に敗れ、通算成績を6戦4勝としたカフェファラオ。 これでGⅠ級競走では2戦全敗(7着、6着)と大苦戦していることになるが、ユニコーンSで圧勝した東京ダートマイル戦に戻ってきたとあって、ここでの戴冠は逃したくないところ。

しかし父American Pharoahの父系・ネイティヴダンサー系のフェブラリーS戦績を見ていくと、勝率4.3%、連対率8.5%、平均着順9.1着と、かなり逆風のデータが揃っている。もちろん今後American Pharoah産駒が多く輸入されてくれば状況は変化するかもしれないが、キングカメハメハやサウスヴィグラスを有するネイティヴダンサー系が現状では苦戦しているということは頭の片隅に置いておきたい。

ちなみに母父についても、カフェファラオの母父More Than Readyが属するロイヤルチャージャー系の勝率は4.1%、連対率も8.2%と、なかなか厳しい状況。実力は折り紙つきではあるものの、今回は明らかな逆風が吹いていると考えて良さそうだ。

また、父がネイティヴダンサー系の有力馬としては、他にもレッドルゼルやエアスピネルなども含まれるので、その点も要注意。

血統面での推奨はサンライズノヴァ

フェブラリーSの母父系統別回収率(2010年以降)ⒸSPAIA


血統面ではマイナス評価だったカフェファラオとは逆に、フェブラリーSで活躍している血統の馬もいる。その1頭が、現在連勝中の5歳馬・オーヴェルニュ。咋秋以降ブレイクしている期待の新興勢力だ。

オーヴェルニュについては、ここまで11月・12月・1月と使い詰めている影響を不安視する声も聞こえるが、血統的には好データが後押しする。父のスマートファルコンは、ロイヤルチャージャー系。父ロイヤルチャージャー系の場合、フェブラリーSの回収率は単399%、複117%と好調だ。

スマートファルコンはダートの名種牡馬、ゴールドアリュールの産駒。大種牡馬ゴールドアリュールの後継種牡馬争いもいよいよ本格化してきていて、今年2歳馬がデビューするコパノリッキーらにプレッシャーをかける意味でもここでGⅠタイトルをつかみ取りたいところだろう。

同じくロイヤルチャージャー系では、南部杯勝ち馬アルクトス、オルフェーヴル産駒ヘリオスなどが有力だが、中でも注目はサンライズノヴァ。こちらはゴールドアリュール産駒の実績馬だ。

前走チャンピオンズCの12着からのリベンジを目指す同馬は、父ロイヤルチャージャー系×ネイティヴダンサー系という絶好の配合。昨年3着の雪辱を果たす意味でも、上位進出を狙いたい1頭である。

《ライタープロフィール》
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。レオダーバンの菊花賞をみて競馬の魅力に取り憑かれ、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。

《関連記事》
【フェブラリーS】カフェファラオとアルクトスは真っ先に消し!ハイブリッド式消去法で浮上したのは?
【フェブラリーS】好データは「5歳」「500キロ以上」「前走1着」など 今年の該当馬は?
【フェブラリーS】ワンダーリーデルはキケン  激走ゾーンにハマった穴馬候補とは

おすすめ記事