【京都記念】過去10年「1~3人気のGⅠ馬」は勝率8.3%と不振 軸に最適な堅実派の馬とは?

京都大学競馬研究会

京都記念3番人気以内のGⅠ馬成績 インフォグラフィックⒸSPAIA

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過去の京都記念におけるGⅠ馬の扱い

春に向けての始動戦としてGⅠ馬も出走することが多い京都記念。GⅠ勝ちの実績で人気を集めた馬がどのような成績を残しているのか、過去10年の京都記念において1~3人気となったGⅠ馬について調べてみた。

京都記念 1~3人気のGⅠ馬成績(過去10年)ⒸSPAIA


勝率8.3%、連対率25.0%、複勝率66.7%と特に複勝率に関しては、さすがの貫禄を見せた。一方で勝率は8.3%であり、決して高いと言える数字ではない。理由としては、京都記念に出走してくるGⅠ馬は、その後のGⅠを見据えた調整をしてくることがあげられる。またGⅠを制したものの、その後の成長力が乏しく頭打ちとなってしまった馬が出走することもあるため、人気でも勝ちきれないというケースが多い。

今回出走するGⅠ馬は、ラヴズオンリーユーとワグネリアン。おそらくこの馬2頭が1~3番人気の2枠を占めることが予想されるが、特にワグネリアンに関しては注意が必要である。

近走の内容を見ると、宝塚記念(13着)こそ差し有利の決着を2番手先行しており、展開不利で度外視可能。しかし、2走前の大阪杯は5着と馬券外、3走前のジャパンCはメンバーレベルが低い中での3着、4走前の天皇賞(秋)や5走前の札幌記念でも馬券外であり、ダービー制覇から古馬になっての成長力に疑問がある。

今回は宝塚記念以来の休み明けに加え、喉の手術明け初戦でもある。以上の点から押さえ評価までとしておきたい。少なくとも1着を外した買い方をおすすめする。

軸には最適の本命馬

◎ステイフーリッシュ
本命はステイフーリッシュとした。京都新聞杯を勝利するなど重賞での好走は数多く、能力的にGⅡなら十分足りる。切れ味や爆発力はないが持続力に長け、相手なりに堅実に走る馬。上がりのかかった京都記念、AJCC、福島記念などで好走していることから、阪神芝2200mというコースは合っている。近2走はGⅡで馬券外になるも、どちらも勝ち馬と着差を0.4秒に留めており、状態面に問題はないと見る。

今回の舞台は宝塚記念が行われるコースと同じ阪神芝2200m。極端な切れ味勝負にはならない可能性が高く、馬券の軸としては最も安定していると考える。加えて、矢作厩舎の馬という事もあり、間隔を詰めてさらに状態を上げてくることも期待できる。

○モズベッロ
宝塚記念3着馬。この馬自身、関東圏での成績は【0.1.0.4】とあまり良くないが、今回は関西圏のレース。12番人気3着と大穴をあけた宝塚記念と同じ舞台に変わることは歓迎だ。2走前の有馬記念(15着)は、大出遅れで競馬になっていなかったので度外視可能。

前走のAJCCは先述した関東遠征と出遅れが響いたが、それでも4着まで詰めてきている点を評価したい。昨年の日経新春杯では2着馬に2馬身半差をつけて楽勝しているように、能力的にはGⅡで十分足りる存在だ。

▲ダンビュライト
2走前の宝塚記念(9着)は、タフな馬場とハイペースが相まって、完全に差し馬有利なレースとなった。その展開を本馬は3番手先行しての凡走であるので、悲観するような内容ではない。1着馬は、昨年の有馬記念も勝利したクロノジェネシスで勝ち馬が強すぎた。宝塚記念では、今回人気想定のワグネリアンに先着している点からも3番手評価とした。

△ラヴズオンリーユー
先述した1~3番人気のGⅠ馬の複勝率66.7%を信頼したい。この馬は父ディープインパクト×母父ストームキャットらしく良馬場で持ち味を発揮する。凡走した府中牝馬S(5着)は重馬場、前走の有馬記念(10着)は良発表とはいえ、12月中山のかなり時計がかかる馬場で、これらは度外視。

エリザベス女王杯3着という成績から、やはりこのメンバーでは能力的には最上位。ただし執筆段階では日曜日は雨予報になっているので、能力は認めるものの不安材料もあり4番手評価とした。

以下、不安要素が多いものの、メンバーレベル的に馬券内への好走があってもおかしくなく、3連系の馬券を買うなら押さえておきたい×ワグネリアン、3勝クラスを勝利し勢い十分の×ダンスディライトまで印を打つ。

▽京都記念 京大競馬研究会予想▽
◎ステイフーリッシュ
○モズベッロ
▲ダンビュライト
△ラヴズオンリーユー
×ワグネリアン
×ダンスディライト
(文 ケータロー)

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。

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