【京都記念】長期休養明けは重賞で【0-0-0-12】 それでもワグネリアンに注意が必要な理由は?

佐藤永記

冬のレース間隔別成績

ⒸSPAIA

昨年から冬の重賞で馬券に絡んだ長期休養馬はいない

今週の京都記念ではワグネリアンが長期休養明けで出走してくる。ダービー馬だけに上位人気になりそうだが、果たして結果は出せるのだろうか?

冬のレース間隔別成績

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まず近年の1月、2月という冬競馬における長期休養明け馬たちの成績を整理してみよう。2020年初から2021年2月7日までの1,2月全レースで半年以上の休養明け出走した馬の成績だが、勝率は4.0%、連対率は8.7%、複勝率は14.7%と、どれも全体(勝率7.2%、連対率14.4%、複勝率21.6%)にくらべて悪くなっている。

やはり冬に休養明けで出してくるというのは絞りづらさなどもあり、なかなか難しいのかもしれない。ちなみに、これが1月、2月と絞らず1年通してとの半年以上休養明けとなると、勝率は4.9%、連対率は9.4%と、わずかに上昇している(複勝率は14.4%で微減)。

重賞ではさらに厳しい

また、2020年初から2021年2月7日までの1,2月全レースでの半年以上休養馬で馬券となった3着以上のレースを全て確認したところ、重賞レースが1つもなかった。

昨年の京都記念でもガンコ(2019年6月巴賞13着→9着)、クラージュゲリエ(2019年5月日本ダービー6着→出走取消)と散々で、2020年からの1,2月の半年以上休養馬たちの重賞成績は【0-0-0-12】という結果になっている。ちなみにオープン戦でも【0-0-1-22】となっており、つまり昨年から冬(1,2月)においては条件戦でしか半年以上の長期休養馬は連対していないことになる。重賞で馬券になった例をさかのぼってみると2019年1月のAJCCでのシャケトラ(1着)、東海Sでのスマハマ(3着)まで辿ることになった。

シャケトラは調教師が角居師、馬主は金子真人HD、生産はノーザンファームと休養時のバックアップ体制が明らかに整ってそうで、2017年末の有馬記念6着から1年以上の休養明けを勝った形。スマハマは3歳時にダート3連勝後、2018年5月青竜S2着から36週の休み明けでの3着で、若駒の休養明けで成長の可能性が見込めたのもあろう。

そのスマハマだが昨年6月のアハルテケSから7ヶ月空いた今週日曜のバレンタインSに登録がある。その間に転厩し田中博康厩舎所属に。成績は2桁着順の大敗続きだが、もしかしたら2年前の東海Sのような冬の長期休養明け一発を再現してくれるかもしれない。

そして主題のワグネリアンだが、昨年冬の重賞における長期休養馬の敗戦はすべて人気薄だった。今回のワグネリアンは上位人気で、2019年のシャケトラやスマハマより期待は持てる。逆をいえば、実力馬が1月2月に長期休養から復帰してくることが近年稀だということで、あまりないパターンである、ということを考慮して、来るパターンと来ないパターンの両面作戦をとるなど今年の京都記念は慎重な馬券の立ち回りをしておきたい。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。


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