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【きさらぎ賞】「前走3着以内」「ノーザンF生産馬」が狙い目 データに合致する伏兵は?

2021/02/04 17:30
門田光生
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クラシックの登竜門

年明けから続く中京開催。クラシックの登竜門・きさらぎ賞も同競馬場で行われるが、中京には芝1800mという距離設定がなく、今年は芝2000mで行われる。たがが200m、されど200m。

きさらぎ賞のデータ検証に入る前に、京都芝1800mと中京芝2000mとで傾向に違いがあるかどうかを調べてみた(検証範囲は2016~2020年の5年間)。

京都芝1800m・中京芝2000mの比較表ⒸSPAIA


何か特徴のあるデータが出るのではと期待したが、目立った違いは見つからなかった。それは種牡馬別勝利数にも表れていて、順位こそ少し前後するが、1~5位までの顔触れが全く同じ。回りも距離も違うが、データ的にあまり気にする必要はないのかもしれない。

関東馬が例年以上に参戦

きさらぎ賞出走馬の性別・所属ⒸSPAIA


というわけで、いつも通りのデータ分析で問題ないとみて、過去10年の結果を基にして話を進めていきたい。まずは所属と性別だが、牡馬・セン馬が19連対、栗東所属が18連対と極端な数字が出た。

というのも、牝馬も美浦所属馬も参戦数が少ないのだ。牝馬、美浦所属はこれまで1勝ずつ挙げているが、ともに2015年のルージュバックが記録したもの。1勝クラスを勝ったばかり、しかも3か月ぶりで単勝1倍台の支持を受けていたように、この年のメンバーでは抜けた存在だったことが分かる。ちょっと特殊な例といえるだろう。

今年も牝馬の参戦がなく牡馬同士の争いとなったが、場所が中京に変わったせいか、登録の段階で13頭中6頭が美浦所属馬だった。ここ10年で最も関東馬が参戦したのは2012年の2頭。1985年までさかのぼってみても、1986年と2006年の3頭が最高だった。

これまでのデータが参考になるかは微妙で、今回に限っては栗東有利と決めつけない方がいいかもしれない。

きさらぎ賞出走馬のキャリアⒸSPAIA
きさらぎ賞出走馬の前走クラスⒸSPAIA


続いてはキャリア。最も好成績を残しているのはキャリア2戦の馬。【4-4-1-8】で連対率が5割近くもある。きさらぎ賞は過去10年の平均出走頭数が10頭を下回っているように、少頭数で行われることがほとんど。もまれ込むような厳しい競馬になる可能性が低く、キャリアの浅い馬でも力を発揮できるのだろう。続いてキャリア3戦の3勝、そしてキャリア1、4、5戦の馬が1勝ずつ。キャリア6戦を超える馬から馬券に絡んだ馬は出ていない。

そのキャリア2戦の馬だが、前走で未勝利を使っていた馬は2着が最高着順。キャリア2戦で勝った4頭のうち3頭が2戦2勝、残る1頭も新馬勝ちして、次走で2着だった。2着馬4頭に関しても、2011年のリキサンマックス以外は新馬勝ちし、次走も1着か2着だった。底を見せていないキャリア2戦の馬は、当然ながら軽視禁物となる。

また、連対馬20頭のうち半分以上の11頭が1勝クラスからの参戦。このうち、2012年のヒストリカル以外の10頭は前走で3着以内に入っていた。

きさらぎ賞出走馬の前走着順、着差ⒸSPAIA
きさらぎ賞出走馬の前走人気ⒸSPAIA


前走着順に関してだが、これは1勝クラスに限ったことではなく、全体で見ても3着までに入っていた馬が18連対と好成績を残している。複勝圏内まで広げると30頭中26頭がそれに該当。また、1秒以上の差をつけられて負けた馬からは連対馬が出ておらず、3着馬が1頭いるだけ。基本的に前走で好走した馬を狙うのが正解だ。

前走人気も同様の傾向で、3番人気以内に支持されていた馬が【8-8-8-28】と、馬券に絡む率がかなり高くなっている。ただ、ここで注目したいのは前走9番人気の馬で【2-1-0-4】と好成績を残している。当然ながら馬券に絡んだ3頭はいずれも人気薄だった。もし今年も前走9番人気の馬が出走していれば積極的に狙っていきたいところだ。

きさらぎ賞出走馬の生産者とセール出身馬ⒸSPAIA


先週行われたシルクロードSは社台系の生産馬が苦戦の傾向だったが、このきさらぎ賞は傾向が違う様子。特にノーザンファーム生産馬は【5-7-3-14】と連対馬の半数以上を占めている。

また、セレクトセール出身の馬も連対率36.8%となかなかの成績。特に2億円以上で取引された、いわゆる超高額馬は【3-1-1-1】。値段に見合った活躍をしているといえそうだ。

きさらぎ賞出走馬の誕生月ⒸSPAIA


最後に出走馬の生まれた月を見ていこう。きさらぎは旧暦の2月に当たるが、最も活躍しているのはその2月生まれの馬。5勝を挙げており、勝ち馬の半分が2月生まれということになる。

誕生月ということではりきって走った結果なのかは不明だが、ともかく2月生まれの馬はマークしておきたい。逆に5月生まれからは1頭も連対馬が出ていない。

決め手は2月生まれ

では、きさらぎ賞のまとめに入っていきたい。今回の好走データはA「キャリア2戦。2戦2勝、または2戦2連対ならなおよし」B「前走3着以内、それが1勝クラスならなおよし」C「前走3番人気以内、または9番人気」D「ノーザンファーム生産馬」E「セレクトセールで2億円以上」F「2月生まれ」。マイナスデータはG「キャリア6戦以上」H「1秒以上の負け」I「5月生まれ」となる。

今回の出走馬でプラスデータが多く、マイナスデータがないのはアランデル(ABCD)とショウナンアレス(BCDF)の2頭。アランデルは連対率が5割近くあるキャリア2戦馬。魅力十分だが、今年はここ10年の平均出走頭数を上回っており、キャリアが浅い馬は例年と違って楽観はできない。

一方のショウナンアレスはセレクトセール出身。取引価格は4428万円と高額ではないが、過去に5000万円台の馬が2頭、そして1000万円台の馬も1頭が連対している。超高額馬ほどでなくても、セレクトセール出身馬の成績は悪くない。また最も成績がいい2月生まれは、この馬とドゥラモンドだけ。ドゥラモンドはそのほかのデータ的に推しづらいので、今回はショウナンアレスを本命としたい。

残る馬で気になるのはダノンジェネラル。この馬はセレクトセールにて1億6200万円で取引された良血馬。昨年3着のアルジャンナもセレクトセール出身の馬で、取引価格は1億8360万円。2億円超えほどの信頼はなくても、馬券圏内なら十分可能性がありそうだ。これに特注「前走9番人気」に当てはまるアクセルとトーセンクライマーを加えておきたい。

◎ショウナンアレス
〇アランデル
▲ダノンジェネラル
△アクセル
×トーセンクライマー

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。
文中にも書いたように、きらさぎは2月の旧暦。英語では「February」です。中学何年生だったか「12月は英語で何というでしょう」という質問に、本気で「クリスマス」と思っていた時期がありました。先生に当てられず事なきを得たのですが、今思えば笑いを取れるチャンスだったのかも。マジボケなんですけどね……。

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