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【根岸S】4角10番手以下から好走馬が続出 距離短縮組で末脚堅実な馬は?

2021/01/31 06:00
東大ホースメンクラブ
過去10年根岸S 4角通過順位別成績インフォグラフィックⒸSPAIA

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追い込み天国

1月31日(日)に東京競馬場で行われる根岸S(GⅢ・ダ1400m)。GⅠ・フェブラリーSに向けての最重要ステップレースに精鋭16頭が集結した。統一GⅠを含めると実に5頭が顔をそろえており、GⅢにしては豪華なメンバーが集まった印象だ。

下馬評ではチャンピオンズCからの参戦となるアルクトスとタイムフライヤーの2頭に加え、カペラS2着から重賞初制覇を狙うレッドルゼルが人気を集めているが、信頼できるのは果たしてどの馬なのか。また、魅力的な穴馬はいるのか。今週もデータを踏まえて検討していこう。

はじめに、過去10年の傾向を分析する。

根岸S・過去10年ⒸSPAIA


重馬場で前半3Fが33秒9というハイペースとなった2018年を除けば、そこまで極端な前傾ラップにはなっておらず、35秒を切ったのもその年と2016年のみ。同距離で施行された昨年のギャラクシーS、霜月S、すばるSのOP特別3戦がいずれも良馬場で前半3Fが34秒台半ばだったのを思えば、重賞のわりにペースは上がりにくい傾向にある。

ペースが極端に速くならないのなら先行勢に有利になるかと思いきや、実際は真逆。過去10年で4角10番手以下が6勝、2頭が最後方から追い込んで3着に入っており、差し・追い込み勢の活躍が非常に目立っている。他場ならともかく、直線の長い府中では先手を取っても粘り込むのは容易ではないということかもしれない。基本的には上がりタイムを評価軸としたいところだ。

距離短縮勢強し

過去10年のこのレースでは1200mからの距離延長勢が【2-2-1-48】で複回収率26%と低調なのに対し、距離短縮勢は【6-2-6-25】で複回収率134%と絶好調。特に武蔵野S組が【3-0-1-5】、チャンピオンズC (JCDを含む)組が【2-1-2-7】という成績であり、ダート路線の真ん中を歩んできた馬がきっちり結果を残しているようだ。

過去3年の東京ダ1400m前走距離別成績ⒸSPAIA


また過去3年の同コース(新馬・未勝利を除く)前走距離別成績について見ても、1600~1800mからの距離短縮馬が複回収率101%を記録するなど好調なのに対して、距離延長馬は比較的に振るわない成績。先述したとおり、押し切るのが容易でないぶん生粋のスプリンターにとっては厳しい舞台ということだろう。

8歳でも

本命にはワンダーリーデルを推したい。2走前のマイルCS南部杯(5着)、前走の武蔵野S(4着)と近走は差し届かない競馬が続いているが、年齢を重ねても末脚は堅実。昨年は8着に敗れたレースだが、もともと全7勝中5勝を挙げるなど1400m戦を中心に使われてきたことを思えば決して悪い条件ではない。乗り替わりとなる田中勝騎手が新味を引き出してくれるのを期待したい。

対抗にアルクトス。チャンピオンズCはやはり距離が長かったという負け方で、短縮は明らかにプラス。もちろん今回はあくまでGⅠの前哨戦という位置づけであるし、斤量59kgというのも懸念材料ではあるが、もともと馬格のある馬で府中の1400mは結果を出している条件。大崩れはないとみる。

3番手にレッドルゼル。前走のカペラSはスタートでやや後手を踏み、大外を回して追い込んでタイム差なしの2着。ロスの大きさを思えば勝ちに等しい内容だった。近走の競馬ぶりから考えて直線の長い府中は向きそうだし、ここが初重賞制覇のチャンスだろう。

4番手にタイムフライヤー。初の1400mというのがどう出るか判断しにくいところだが、基本的に距離短縮が奏功しやすい条件であり大きく評価を下げる必要はないとみる。鞍上で人気が集中しそうなところだが、やはり軽視はできない。

ステルヴィオは前走・阪神Cで12着と大敗を喫したが、出遅れた影響も大きく決して力負けした内容ではない。ダート初挑戦の今回も圏内はあるとみて相手には入れておきたい。以下、近走の上がりを評価してテイエムサウスダン、デザートストーム、ブルベアイリーデを押さえておく。

▽根岸S予想▽
◎ワンダーリーデル
○アルクトス
▲レッドルゼル
△タイムフライヤー
×ステルヴィオ
×テイエムサウスダン
×デザートストーム
×ブルベアイリーデ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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